ハラペーニョの育て方 プランター編
ハラペーニョは、ナス科 トウガラシ属 に分類される青唐辛子の品種のひとつです。
中南米、メキシコが原産地となり、メキシコ料理やテクス・メクス料理で使われることが多いです。
タコスやサルサ、ピザやピクルスなど、収穫したハラペーニョはたくさんの料理に使うことが出来ます。
万願寺唐辛子は、日本を代表する青唐辛子で京野菜のひとつですが、ハラペーニョはメキシコを代表する青唐辛子のひとつとなります。
このページではハラペーニョを苗から育てて、実際に実の収穫に至るまでを掲載しています。
シシトウの栽培経験はあるのですが、ハラペーニョの栽培はまだ日が浅いので、いろいろと青唐辛子の栽培方法の勉強をしながら、豊富な栽培の記録写真とともに更新していきますので、青唐辛子栽培の一助としてご覧ください。
目次
ハラペーニョの苗の植え付け
それでは早速、ハラペーニョをスクウェアタイプのプラスチックプランターで栽培してみます。
植え付けは5月が苗の植え付けに適した時期となりますので、5月中旬に行いました。

用意したハラペーニョの苗は、スパイスやハーブでお馴染みのエスビー食品のハラペーニョの苗です。
鉢はスクウェアタイプのプラスチックプランターで、300mm×300mm×270mm(高さ)、土の容量は12L入ります。
株を大きく成長させて、実の収量を更に増やしたい場合は、一回りサイズの大きなプランター(土の容量:18リットル程度)で栽培を始めることもオススメです。
用土は野菜などに使われる一般的な園芸用土を使い、鉢底には少量の鉢底石を入れて、水はけ、排水性を良くするようにしています。
ハラペーニョの苗は浅植えが基本になりますので、ポットから取り出した根鉢は深く植え過ぎないように、鉢土の表面より少し根鉢を浮かす程度で植え付けました。

苗を浅植えにすると、栽培日数が経過するとともに株元の根が地表に露出して見えてくることがありますので、そのような時は株元に土寄せをして根を埋めて隠すようにします。
植え付け後はたっぷりと水を与え、日当たりが良く風通しの良い環境で栽培を始めます。
ハラペーニョは中南米が原産なので、栽培環境の気候のイメージとしては温暖な地域を想定しましょう。
早速ですが、植え付けしてから3週間後のハラペーニョの鉢植えです。
1番花は既に結実して実がなりだしました。
株がまだ小さいので、結実した1番花の実は撮影後、カットして落としました。

植え付け後の芽かきや仕立ての方法は、下記に記載しておりますので、植え付け後の手入れはそちらをご覧ください。
ハラペーニョの花
ハラペーニョの花は、小さな白い花を咲かせます。
シシトウなど他の青唐辛子の品種と同じく、花付きが良く次から次へとどんどん開花しては、やがて結実して実がなります。

苗を植え付けてから初めに咲く1番花は、開花をさせても構いませんが、結実した実は取り除くようにします。
栽培の初めは株を充実させることを優先させるので、株が大きく育つように1番花の実は小さい内にカットして落とします。
2番花、3番花も摘蕾、または摘花することも株を育てることを優先させるためには有効ですが、ハラペーニョは生育旺盛なので、2番花、3番花の摘蕾・摘花・摘果はそこまで神経質にならずとも良い気がします。
ハラペーニョの実と収穫
ハラペーニョの実は、花が結実すると青い小振りの実を付け初めます。
実が濃い緑色になり、だんだんと大きく成長してきますので、長さ6cm頃が収穫時期となります。

実の大きさが6cmくらいを目安にヘタの上をハサミで切って収穫します。
実は収穫せずにそのまま放置して完熟すると、緑色から赤い色へ変色します。
ハラペーニョの実は、収穫が遅れサイズが大きくなるにつれて辛みが強くなってしまいますので、早めの収穫がおススメです。
小さい内に収穫したハラペーニョの実は、シシトウと同じようにハラペーニョ焼きとして食べても美味しいですよ。
ただし小さめの実でも、中にはとても辛い実もありますので辛さが苦手な人はご注意(笑)
見た目の大きさでは辛さが判断できないこともあります。

収穫した実はサルサやタコス、ピザなどのトッピングとして、またはピクルスにするのも人気があります。
ハラペーニョの仕立てとわき芽かき
ハラペーニョは支柱を利用して仕立てる方法が一般的です。
支柱は草丈がある程度の大きさに育ってきたら、支柱を挿して主幹(主枝)を支えるように麻紐などで結び、幹が倒れないように支えます。
仕立て方としては、1番花より下から伸びる脇芽(側枝)が勢い良く育つ良い枝となりますので、1番花より下の側枝2本と主幹の3本仕立てにします。
選別した2本の側枝(わき芽)より下のわき芽は全て摘んでかき取ります。
わき芽はその後も色々な個所から出てきますので、選別した側枝2本以外は全てかき取っていきます。
鉢植えでの栽培では、主幹と2本の側枝を合わせた3本仕立てが、コンパクトに樹形をまとめやすくなりますので、ハラペーニョの仕立ては3本仕立てで栽培をすることがおススメです。

写真は選別した2本の側枝(わき芽)より下から伸びてきた脇芽です。
この脇芽は放っておくと樹形を乱す原因になりますので脇芽かきをして落とします。

さっそく脇芽をかき取りました。
脇芽は株元付近からも伸びてくることがりますので、定期的に株の状態を観察しながら、余計な脇芽は伸びすぎてしまう前に早々にかき取るようにします。
ハラペーニョの肥料
ハラペーニョの栽培では適切な時期に追肥を与えることが有効です。
ハラペーニョを始めとする青唐辛子は肥料を好み、花が結実すると実がどんどんなりだしますので、肥料切れにならないよう追肥をしっかり与えましょう。

追肥で与える肥料は、住友化学園芸の「マイガーデンベジフル」が扱いやすくておすすめです。
「マイガーデンベジフル」は固形タイプの緩効性肥料になり、効果が3ケ月から4ケ月持続します。
ハラペーニョの鉢植えでは一番花が咲いた頃を目安に追肥を与えるようにします。
「マイガーデンベジフル」を適量株元にばらまいて施肥をすれば作業は完了です。
「マイガーデンベジフル」は基本的に効果が3ケ月から4ケ月持続しますので、追肥の作業は一度で良いと思います。

写真はハラペーニョの鉢植えの株元に緩効性の固形肥料をまいた様子です。
「マイガーデンベジフル」は、写真のように株元にばらまくだけで肥料の成分を株に届けることが出来ますので、穴を開けてまいたり土を被せたりする必要がないので、施肥の作業が楽なので助かります。
あとは株の様子を見ながら補助的に液体肥料を与えることも有効です。
住友化学園芸の液体肥料「ベジフル液肥」は、固形肥料に比べて持続力はありませんが、速効性がありますので栄養を早く株に届けることが出来ます。

最近花付きが悪いなと感じた時や、実の成長が遅いなと感じた時など、
株の成長具合が遅いと感じられるときには液体肥料を与えてみることも有効です。
このように緩効性肥料の固形肥料と速効性のある液体肥料とを、組み合わせて株に栄養を与えることはとても有効な追肥の方法となります。
ハラペーニョの病気予防と害虫対策
ハラペーニョの栽培では、害虫の食害にあってしまったり、葉や茎に病気が発生してしまうケースは少なく感じられます。
それでも、害虫の食害にあってしまったり、葉が白く変色して病気にかかってしまうこともあります。
住友化学園芸の「ベニカベジフルスプレー」は、ハラペーニョにつくアブラムシの駆除に効果を発揮します。
アブラムシは、放っておいてもなかなか減らない厄介な害虫のひとつになりますので、ベニカベジフルスプレーを使って、アブラムシが大量発生する前に噴霧して駆除をすることが有効です。
同じく住友化学園芸の「ベニカマイルドスプレー」は、うどんこ病に効果を発揮しますので、
うどんこ病にかかった葉は、早期の治療が有効です。
「ベニカマイルドスプレー」は、オーガニック栽培で使用可能な食品成分から生まれた殺虫殺菌剤ですので、ハラペーニョの栽培でも安心して使えます。
ハラペーニョの害虫対策では、出来れば薬剤を使わずに栽培を継続したいところではありますが、補助的に薬剤を使って害虫対策をすることが、青唐辛子栽培の害虫対策に大きく貢献してくれますので、「ベニカベジフルスプレー」を使って、補助的に害虫対策をしながら栽培を継続することが有効です。
ハラペーニョの冬越し
ハラペーニョを始めとする青唐辛子類は、多年草に属しますので越冬が可能ですが、冬越しをして育てることはあまり一般的ではありません。
ハラペーニョなどのトウガラシ類はメキシコ原産の植物になり、生育適温が 25℃ から 30℃ になりますので、冬越しはなかなか難しい所だとは思いますが、温暖地では出来ないことはないと思います。
特に鉢植えでの栽培では、冬季には鉢を室内に入れて、観葉植物と同じ要領で冬越しをさせることも出来ますので、鉢植えを暖かい窓際に置いたり、暖房の効いた暖かい部屋に置いたり、小振りなビニルハウスに入れたり、工夫次第で冬越しが可能だと思います。
冬越しが難しい植物品種を越冬させることも、園芸の楽しみのひとつと言えます。
それでも春先になると、ガーデンセンターや園芸店には再びハラペーニョなどの青唐辛子の苗が販売されますので、春に出回る新苗を再度購入して、新たに栽培をスタートさせる方が負担も少なくお手軽な気はします。
ハラペーニョの実を料理で使う
収穫したハラペーニョの実は料理で使うことが出来ます。
ハラペーニョの実は、メキシコ料理やテクス・メクス料理で使われることが多く、
タコスやサルサ、ピザのトッピングはもちろんピクルスに加工するのもハラペーニョは定番ですね。
または、タバスコでお馴染みの青い色のハラペーニョソースをオリジナルレシピで自作することも出来ます。
家庭菜園で育てたハラペーニョはとても美味しく感じられますね。
収穫したてのハラペーニョが料理で使えることは、家庭菜園ならではの醍醐味です。
特に自分で作るのサルサソースは、タコスとも相性が抜群ですのでオススメするハラペーニョ料理のひとつです。

写真は収穫したハラペーニョの実を輪切りにしてピザにトッピングした写真です。
ハラペーニョは収穫したてのフレッシュな実を使っても、ピクルスにした物をトッピングしても良いかと思います。
辛さは人それぞれ好みがありますので、初めは少量でお試しください(笑)