ビーツの品種紹介
ビーツには呼び名がいくつかあり、「ビーツ」「ビートルート」「テーブルビート」「カエンサイ(火焔菜)」などとも呼ばれています。
このページでは「ビーツ」の呼び方で統一されています。
さて、ビーツはヒユ科の植物になり、肥大した根を食用とする野菜になります。
見た目は赤カブに似ていますが、分類ではほうれん草の仲間になり、
カットした断面は鮮やかな赤い色をしていて、赤紫の色素は、ベタシアニンというポリフェノールの一種になります。
ビートルートは、「食べる血液」と例えられるほど、栄養豊富な野菜になり、
東ヨーロッパではポピュラーな野菜として親しまれています。
ビーツの栽培は、比較的育てることが簡単な部類の野菜になりますので、
気軽に家庭菜園で栽培することができます。
SDGsの取り組みとしても、家庭菜園で野菜を育てることは、
食糧問題の自給自足にも繋がりますし、食品ロスに対する考え方も変ってくることと思います。
植物を育てることは、環境問題への取り組みのひとつになりますので、
家庭菜園で野菜を育てる楽しむを体感しましょう。
目次
ビーツの種蒔き
ビーツの種を、連結ポット(育苗ポット)に蒔きました。
連結ポットは、種蒔きから苗の育成まで、ビーツ栽培の管理がしやすいので、
種蒔きから苗の栽培までは、連結ポット(育苗ポット)で行うことをお勧めします。
ビーツの種は、マス目ごとに3粒程度ほど蒔いて、一番育ちが良い発芽した芽を残して後の芽は間引くようにします。
種蒔きから発芽、そして苗までの栽培は半日陰で風通しの良い場所で育てるようにします。
家庭菜園で育てるビーツは、種蒔きから育てた方が、
畑でもプランター栽培でも、育てる株の数を調整できますので、
自宅の栽培スペースを考慮して、種を蒔く量を計画しましょう。
写真は、種蒔き後、発芽したビーツの芽になります。
種蒔きからおよそ二十日後になります。
後は一番育ちの良い芽を残して残りの芽は間引くようにします。
そして育ちの良い芽をこのまま育てて、もう少し苗が大きく育ったら新たに植え付けを行うようにします。
ビーツの苗の植え付け
育苗ポットからプランターへ植え替え
連結ポットで発芽したビーツは、ある程度の大きさに育った段階で、
プラスチックプランターに植え付けました。
ビーツの苗の植え付けに使用した用土は、一般的な野菜用の用土を使いました。
ビーツの苗の植え付けは、10cm程度の間隔で植え付けました。
株間は育てるビーツの品種によって違いがありますので、
植え付けの株間は品種情報を目安に決めるようにします。
また、株の間隔が狭くなると、やがて苗が成長して来ると、
葉が混みあってきてしまうことがありますので、株間は適度な間隔を空けて植え付けます。
また、連結ポットから取り出した苗の根に付いている土は付いたままにして、
そのままの状態で植え付けるようにして、根にダメージを与えないように注意します。
苗の植え付けが完了したら後はたっぷり水を与えて作業は終了です。
後は日当たりが良く風通しの良い環境にプランターを置いて栽培を継続して行きます。
写真は、ビーツの苗の植え付けから約一月半後の株の様子です。
草丈が高くなり葉も青々と大きく茂っています。
後は、根が肥大化してくれば収穫の時期になります。
ビーツの収穫
家庭菜園の最大の醍醐味は、何と言っても種や苗から育てた野菜を収穫することですね。
小さな種から大きく育ったビーツを収穫できる喜びは、育てた本人しか解らないところです。
ビーツは肥大化した根を食用とします。
ビーツの収穫時期は、根が肥大化して来るのが確認できれば収穫時期の目安になります。
ビーツの収穫方法は、単純に株元をもって引き抜くだけです。
大根のように引き抜くには力が必要ではなく、簡単に引き抜くことが出来ます。
ビーツの容姿は小カブに似ていますので、収穫方法も小カブと同様に、肥大化した株から順に引き抜いて収穫するようにします。
収穫したビーツは、サラダやボルシチなどの料理で調理することが出来ます。
ビーツの害虫駆除と病気の治療
ビーツのアブラムシとうどんこ病の予防
ビーツの栽培では害虫や病気の被害にあうことがあります。
病害虫の予防には、日当たりが良く風通しの良い環境で栽培を行うことが有効です。
防虫ネットを使って害虫の食害を防ぐ
ビーツの害虫対策
園芸用品を取り扱っているメーカー、アイカ製の「菜園プランター510」に防虫ネットを取り付けた写真です。
「菜園プランター510」は、
サイズ、51.6センチ(横)×34.0センチ(奥行き)×26.0センチ(高さ)、
プランターに入れられる土の総容量は28リットルになります。
菜園プランター510用の防虫ネットは、「防虫ハウス510」という名前で販売されていますので、害虫予防をするには、プランターとセットで用意することが望ましいですね。
写真は「菜園プランター510」に「防虫ハウス510」を取り付けた様子です。
このプランターと防虫ネットの組み合わせで、ビーツ栽培での害虫の食害に悩まされることがほぼ無くなりました。
「防虫ハウス510」はビーツの種蒔き時、またはポットで育てた苗の植え付けをした段階から取り付けることをおすすめします。
栽培を始めた時点で取り付けることによって、ほぼ確実に害虫被害、食害を防ぐことが出来ます。
また、菜園プランターには710型も用意されており、防虫ハウスも710型用が販売されておりますので、一回り大きなプランターでビーツを栽培する場合はこちらが推奨サイズになります。
ビーツのコンパニオンプランツ
ビーツはコンパニオンプランツと寄せ植えをして育てる方法があります。
ビーツはヒユ科というあまり聞きなれない分類の植物になりますが、古くからヨーロッパなどで栽培されてきました。
ビーツの葉はチョウ目の幼虫である芋虫の食害に合いやすいので、タマネギやニンニク、チャイブなどを寄せ植えすると害虫の忌避効果に期待が出来ます。
ニンニクやネギの匂いをアブラムシや芋虫は嫌うので、コンパニオンプランツとして有益ですが、タマネギやニンニクはビーツと同じ地中の空間を必要としますので、育った後も考慮して、十分に間を空けて栽培をする必要があります。
またビーツはレタスとの相性が良いことでも知られております。
レタスは根を深く張らない植物になりますので、ビーツの育つ環境とは空間を共有しないので、空いたスペースを利用したお互いが育ちやすい環境下での同時栽培が可能です。
ラディッシュの場合は、別名ハツカダイコンと呼ばれるように、ビーツよりも成長の速度が速いので、混植に向いている野菜のひとつですが、アブラムシには注意しましょう。
キク科の植物ではマリーゴールドの忌避効果も害虫防止には有効です。
マリーゴールドは線虫(センチュウ)の駆除と有益な昆虫を引き付けるのに役立ちますが、ナメクジの食害には弱いのでご注意。
ビーツの肥料
ビーツの栽培では追肥を与えることが大切です。
固形肥料は、効果に持続性がありますので、肥料の管理が楽になりますので固形肥料を追肥で与えることがお勧めです。
住友化学園芸のマイガーデンベジフルは、野菜や果樹などの栽培に適した固形タイプの肥料になり、肥料の効果はおよそ、3カ月程度持続します。
マイガーデンベジフルは、土の上に固形肥料をばら蒔くだけで、肥料成分が効いてくれますので簡単にビーツに追肥を与えることが出来ます。
※固形肥料の与え過ぎは、ビーツの生育に悪影響を及ぼしますので、
プランターの土の容量を元に、肥料の取扱い欄を参考にして、与える肥料の分量を計算して適切な分量を追肥で与えるようにしましょう。
ビーツに追肥を与える時期は、本葉が3枚から4枚の頃を目安の時期とします。
株元に固形タイプの肥料を適量蒔いて、同時に株元に土寄せをするようにします。
株元に土寄せを行うことによって、根の露出を防ぎ、根の肥大化を促すことに繋がりますので、追肥と土寄せは同時に行うことが効率的です。
ビーツを料理で使う
ビーツの肥大化した根は、料理で使うことが出来ます。
赤い色が特徴的なボルシチは、ウクライナの郷土料理になります。
以前から、ボルシチを作ってみたかったのですが、ビーツがなかなかスーパーで売っていなかった為、どうせなら自分で育ててみようと思ったのが栽培のきっかけでした。
ボルシチは、世界三大スープに取り上げられるほど世界では人気がありポピュラーなスープになります。
本場のウクライナでは、いかに真っ赤にボルシチを作るかにこだわって調理されており、家庭料理におけるスープの定番とされております。
ボルシチのレシピは検索すればたくさん出てきますので、自分の気に入ったレシピを見つけて調理することをお勧めします。
ボルシチは、世界三大スープのひとつとされてはいますが、調理はそれほど難しい料理ではありませんので、ビーツの料理として特にお勧めする一品です。
また、ビーツは生のままで、カットしてサラダとして食べることも出来ます。
真っ赤なビーツの切り口は、緑色が主体のグリーンサラダにとても映えますので、
普段食べているサラダとは違った印象を与えてくれます。