ツルスマイリーフェイス つる薔薇の品種紹介
バラ生産の大手、フランスのメイアン社が、2011年に作出し、日本でもポピュラーなつるバラ品種になります。
系統は、CL クライミングローズ(つるばら)に属し、花形は丸弁平咲きで黄色い花を咲かせます。
黒星病などの病気に強く、育てやすいつるバラ品種になり、黄色い薔薇の花を毎年沢山咲かせてくれます。
また、クライミングローズになりますので、アーチやオベリスク、トレリスなどに枝を誘引しながら、バラの仕立てを楽しむことが出来ます。
栽培年数がたてば、株がどんどん充実して、黄色い花のアーチを作ることも可能です。
目次
- ツルスマイリーフェイス バラの苗の植え付け
- ツルスマイリーフェイス バラの株の植え替え
- ツルスマイリーフェイス バラの花
- ツルスマイリーフェイス バラの花の切り戻し
- ツルスマイリーフェイス シュート
- ツルスマイリーフェイス バラに固形肥料を与える
- ツルスマイリーフェイス バラに活力剤を与える
- ツルスマイリーフェイス バラの病気の予防
- ツルスマイリーフェイス バラの害虫予防
- ツルスマイリーフェイス 蕾の食害
- ツルスマイリーフェイス バラの台風対策
ツルスマイリーフェイスの植え付け
花形は丸弁平咲きで、黄色い花弁がとても印象に残ります。
株が充実して来れば、花付きがさらに良くなり、沢山の花が一斉に咲くようになりますので、オススメのつるバラ品種になります。
さて、そんなツルスマイリーフェイスの栽培の記録を掲載していきます。
まずは、ツルスマイリーフェイスの新苗をローズガーデンにて買いました。
苗の購入時期は5月になります。
いわゆるバラの新苗販売の時期になります。
次にバラの植え付けに利用する鉢選びです。
地植えではなく、将来的にオベリスクに仕立てるつもりですので鉢植えにしました。
そして新苗に適したサイズの8号のテラコッタを用意しました。
テラコッタの8号鉢には、約5リットルほどの用土が必要になります。
また、土を入れる前に、鉢底石を適量敷いてから、土を入れるようにします。
植え付けに使用した土はバラ専用の用土を使いました。
バラ専用の用土は、バラの栽培に適した専用の土に仕上がっており、肥料成分も混ざっている物が多いので、新苗の植え付けには病気などの余計な心配もなくなりますのでおススメです。
バラの植え付けでの注意点は、接ぎ木部分を手に持つのは厳禁です。
バラの苗の接ぎ木部分はとても弱いので、植え付けの際には接ぎ木の部分には余計な力を加えないように注意が必要です。
また、接ぎ木部分は地中に埋め込まずに、植え付け後には接ぎ木部分が地表に見えるように植え付けを行います。
植え付けが完了したら、鉢の底から十分に流れるほどに水を与えて、
日当たりが良く風通しの良い環境で栽培を続けていきます。
ツルスマイリーフェイス バラの株の植え替え
鉢植えで栽培しているツルスマイリーフェイスの薔薇の株は、成長するにつれて根詰まりを起こします。
根詰まりを起こすと、株の成長が阻害されて、生育不良を起こし、
枝や葉に病気が発生しやすくなるなど、株の健康状態が悪くなります。
ツルスマイリーフェイスの薔薇の株の植え替えを行った時期は、4月下旬になります。
テラコッタの8号鉢の栽培では、そろそろ株の大きさに対して鉢のサイズが小さく感じられましたので、
大きめの鉢に植え替えを行いました。
写真は、8号の鉢植えから引き抜いたバラの株になります。
根が鉢の内側にびっしりと沿うようにして生えている様子が伺えます。
このままでは株の成長が鈍くなりますので、古い根をむしり取って軽く根鉢をほぐします。
植え替えは、8号のテラコッタから、丸型のプラスチックプランターに植え替えました。
丸型のプラスチックプランターの大きさは、土の容量は20リットルで、
直径36cm、高さは37.5cmになります。
植え付けていた8号のテラコッタの鉢は、土の容量が約5リットル程度で、
植え替えに使用したプランターの容量は20リットルになりますので、
株と鉢の隙間にゆとりが出来て、新しい根が生えやすい環境になります。
バラの株の植え替えに使った用土は、一般的なバラ専用の用土を使って植え替えました。
また、鉢にはあらかじめ鉢底石を適量敷いて、その上からバラ専用の用土を入れます。
鉢底石は、水はけを良くしてくれますので、バラの鉢植えには特にお勧めします。
ツルスマイリーフェイスは、つるバラになりますので、
植え替えの際には長く育てた枝を、折ってしまわぬように注意しながら植え替え作業を進めましょう。
また、オベリスクなどへの枝の誘引は、冬の季節に行いますので、
春に植え替え作業を行った場合は、植え替え後は垂直にまっすぐ枝を伸ばすようにして育て、
冬の誘引の時期を待って、再び枝をオベリスクなどへ誘引して仕立てるようにします。
ツルスマイリーフェイスの花
ツルスマイリーフェイスは、黄色い花を咲かせます。
黄色い薔薇の花を咲かせる品種を代表する花のひとつになり、
そのなかでもツルスマイリーフェイスは、つるバラに属しますので、沢山の花が一斉に開花した様子を観賞する事も出来ます。
ツルスマイリーフェイスの花形は中輪の丸弁平咲きになります。
四季咲き品種になり、花付きも多い部類に入りますので、春と秋には沢山の開花を楽しめます。
そしてつるバラ品種は、アーチやオベリスク、またはポールなどに誘引して絡めるように栽培を楽しむ事が出来ますので、バラのアーチなどが綺麗に開花した風景はとても素晴らしい物があります。
このようにつるバラは、沢山の花が開花した様子を鑑賞できますので、その見せ方にも工夫が必要になります。
柱に絡めるように誘引すれば、360度から観賞する事が出来ますし、その高さも体感する事が出来ますね。
また、アーチに仕立てれば、バラの咲くゲートをくぐる事も可能になります。
アーチに仕立てるには株を大きく成長させる必要が有りますので、
完成まではそれなりの年月が必要になりますが、アーチ仕立てはその分迫力もあって素晴らしいです。
ツルスマイリーフェイスの花の切り戻し
さて、バラの手入れのひとつに切り戻しという作業が有ります。
バラの切り戻しとは、開花して観賞を楽しんだバラの花を、散ってしまう前に切り落とす手入れ作業の事を言います。
花の切り戻しのやり方は、写真のように花の部分のみではなく、花の下に付く数枚の葉も茎ごと同時に切り取って落とします。
このようにして切り落とす花は、花弁が散る前までに行うようにします。
また、七分咲きで切り落とした花は、バラの切り花として水挿しに挿して楽しむ事が出来ます。
さて、なぜ花の切り戻しの作業が必要になるのかと言うと、バラの花は散りだしてしまうと土に落ちた花びらから新たな病気が発生してしまう事がある為、そのリスクを回避する効果がある事がひとつ。
そして花を切り落とすことにより、他の枝に付いた蕾の開花を促すことに繋がる為、株が持つ成長エネルギーを意図的にコントロールする事が出来るようになる事です。
バラの株は、花を開きそして種を作るために花を結実させる事(ローズヒップ)に沢山のエネルギーを費やす事になりますので、花の観賞を楽しんだ後は、積極的に切り戻しを行い、株全体の成長のバランスを整えてあげる事が大切になり、そして切り戻しは樹形を整えるための剪定にも通じるところがありますので、樹形を意識した花の切り戻しの手入れも、日頃の大事な剪定のひとつになります。
ツルスマイリーフェイスのシュート
ツルスマイリーフェイスは、ツルバラに属するバラの品種になりますので、株元から新たに伸びてくる新芽は、新たな長い枝へと成長していきますので大切に育てるようにします。
写真のように、株元から伸びてくる新芽は、シュートと呼びます。
ちなみに株元から伸びるシュートは「ベーサルシュート」、
剪定した枝の途中から伸びてくる枝は「サイドシュート」と呼びます。
その為、写真のシュートは「ベーサルシュート」であると言えます。
さて、そんなシュートですが、シュートは一般的にぐんぐん伸びる傾向があります。
その枝の伸びるさまは、他の枝の成長が止まって見えてしまう程、成長速度が速い傾向があります。
つるバラに限っては、新たに株元から伸びるシュートは、長い枝数が増える事に繋がりますので、アーチやオベリスクなどへ誘引する枝数が増えて大いに結構なことですが、木立ち性品種のバラではシュートが生える事によって、樹形を大きく乱してしまう事もあります。
木立ち性のバラに限っては、樹形が崩れない程度の長さでシュートの先端をカットする事は、大切な剪定方法のひとつになります。
さてさて、本来シュートとは、新たに伸びる若い枝になりますので、木質化した古い枝よりも健康的で成長力が高く、葉や花の付き具合も良好になります。
そして、若い枝も月日が経てば、段々と木質化していきやがては古い枝となります。
その様にして、枝も古い枝から新しい枝へと世代交代していきますので、木質化した古い枝と、若いシュートの枝とを共存させながら、株の状態を考慮しつつ徐々に世代を交代させていく事が、株の長寿へと繋がり、栽培を長期に渡って継続する育て方のコツになります。
ツルスマイリーフェイスの固形肥料
ツルスマイリーフェイスには、定期的な追肥が必要になります。
バラには、追肥を適切な時期に与える事が、結果として病気に強い株に育つことに繋がりますし、何と言っても開花数が断然多くなることに繋がります。
マイローズの固形肥料は約2、3カ月効果が持続します。
追肥を与える時期は、3月、6月、9月が最も適した月になりますので、
これらの時期には固形肥料を追肥として与えるようにします。
マイローズの固形肥料の追肥としての使用料は、土1リットルあたり、8グラム程度が推奨されております。
一般的なテラコッタの8号鉢には用土が5.2リットル程度、入りますので、
固形肥料は40グラム程度が最適な量になります。
固形肥料の追肥の与え方は、あらかじめ最適な分量の固形肥料を計量して用意します。
次に鉢植えの表面の土を中耕して土を柔らかくし、土の表面に張った古い根は取り除きます。
そしてほぐれた土の上に固形肥料を適量撒き、最後に新たに用意した用土を適量肥料に被せれば施肥は完了です。
バラには以上の様な固形肥料の追肥を年3回、行う事が理想になります。
その他の月は、液肥を与えるなどをして、株の状態を考慮しながら株の栄養管理を行っていきます。
ツルスマイリーフェイスにばらの活力剤を与える
活力剤を薔薇の株に与える
バラ栽培では、固形肥料や液体肥料の他に、活力剤を補助的に与えることも有効な栽培方法となります。
マイローズばらの活力剤は、住友化学園芸の園芸用活力剤になります。
園芸用活力剤の効果としては、土壌中の有用微生物を活性化したり、
植物活力成分が根に活力を与え、光合成を盛んに促す効果があります。
バラに活力剤を与える時期は、梅雨時や夏バテ時、または開花シーズンのピーク後など、株が疲弊して体力を落とし、樹勢が弱まっている時期に栽培の補助として与えることがもっとも効果的です。
ツルスマイリーフェイスの病気の予防
ツルスマイリーフェイスなどのつるバラ品種に限らず、薔薇は必ずと言ってよい程病気にかかります。
病気の種類としては、黒星病、どんこ病、べと病、灰色かび病、などがあげられます。
バラの葉が病気になってしまったとしても、動揺する事は有りません。
バラの栽培には病気が付き物ですので、未然に病気の発生を防ぐ事や、病気後のケアが重要になってきます。
健康的な緑色のバラの葉は、病気なると黄色く変色したり、白いカビの様なものが発生したり、黒い点が現れる事があります。
葉の一枚二枚くらいが病気にかかっただけならば、その病気の葉を手でちぎってしまえば良いのですが、複数枚に渡って葉に病気が見られる場合は注意が必要です。
これらの病気は他の葉にも伝染して行きますので、そのような症状を発見した時は、早期に病気用のスプレー剤などを噴霧する事で、治療に繋がります。
マイローズ殺菌スプレーは、バラの病気に対して効果があります。
病気になってしまった葉に吹きかける事によって、葉の治療に効果があります。
また、前もってバラの株全体に行き渡るようにスプレーしておけば、病気の発生を未然に予防してくれる効果もありますので、バラの栽培には欠かせない噴霧剤になります。
バラの栽培で大事な事は、病気の予防と早期の治療です。
事前にスプレーで予防を行っていれば病気にかかるリスクが軽減されますし、例え病気にかかったとしても、症状を小さい範囲で抑え込む事も可能です。
そして病気を見つけたら小さい範囲で抑え込むようにし、病気の葉をちぎったり、
薬剤を噴霧して早期の治療を心掛けましょう。
※殺菌スプレーの使用方法は、パッケージに記載されております内容をきちんと確認してから行いましょう。
薬剤のスプレー量が多すぎると、逆に葉を傷めてしまいますので適量が大事です。
ツルスマイリーフェイスの害虫駆除の方法
バラの栽培では、数々の害虫に悩まされる事も多いです。
その中でも有名な害虫は、
「アブラムシ」「バラシロカイガラムシ」「チュウレンジハバチ」「コガネムシの幼虫」
これらの害虫には注意が必要です。
バラに付く害虫は、放っておいてしまうと著しくバラの成長を阻害します。
アブラムシやバラシロカイガラムシは、バラの養分を吸汁し、
チュウレンジハバチは枝に卵を産みこんでその幼虫が葉を食べつくし、
コガネムシの幼虫は、根を噛み切ってしまいます。
これらのバラに寄生する害虫には駆除剤が効果的です。
住友化学園芸の「ベニカXファインスプレー」は、一般的なバラに付く害虫のほぼ全てに効果を発揮してくれます。
アブラムシなんかは、直接スプレーを噴霧するとみるみる絶命していきます。
害虫の駆除は、病気の早期治療と同じように、早期の発見と対策が大切になります。
住友化学園芸のカイガラムシエアゾールは、バラシロカイガラムシなどバラの枝に寄生するカイガラムシの駆除に、効果を発揮するスプレー剤になります。
スプレーを噴射すると、カイガラムシエアゾールの薬剤が幹や枝に浸透し、カイガラムシを駆除できます。
また、殺虫成分の効果が約1カ月程度持続しますので、薬剤を散布後に発生した害虫も退治してくれます。
※農薬になりますので、バラを無農薬で栽培したい場合は使用は控えましょう。
オルトランDX粒剤は、用土に蒔くタイプの害虫駆除剤になります。
あらかじめ株元の用土に適量を撒いておくと、害虫を寄せ付けなくする予防効果もありますので、害虫が発生する前に、前もって撒いておくことが大事です。
オルトランDX粒剤は、アブラムシやコガネムシの幼虫に効果を発揮します。
その為、アブラムシが本格的に発生する時期を見計らってあらかじめ株元に撒いておくと、アブラムシが発生することがほぼ無くなります。
また、コガネムシの幼虫にも強い効果を発揮してくれますので、コガネムシの幼虫が居るのが気になるようでしらば、撒いておくことが賢明です。
そしてあらかじめ撒いておけば予防効果も発揮しますので、コガネムシの季節になる前に前もって本剤を撒いて予防することも大事です。
ツルスマイリーフェイスの蕾の食害
ツルスマイリーフェイスの蕾を食べる厄介な害虫がいます。
名前は「ホソオビアシブトクチバ」という蛾の幼虫になります。
写真のように、せっかく蕾を付けたのに、ホソオビアシブトクチバは穴を開けるようにしてツボミを食べるのが特徴になります。
このように穴を開けられた蕾は、綺麗に咲くことはありません。
そのため、早めに摘蕾して蕾を落とすようにします。
ホソオビアシブトクチバは、擬態して枝そっくりに隠れるのが得意です。
その為、食害を見つけてから探すのも、なかなか大変です。
上手く見つけることが出来たら、捕殺することも出来ますが、見つけられない場合は薬剤で退治するようにします。
樹形全体に満遍なく「ベニカXファインスプレー」を噴霧すれば、どこかに潜んでいる幼虫を退治することが出来ます。
また、「オルトランDX粒剤」も、時間はかかりますがじわじわと幼虫を退治してくれます。
ホソオビアシブトクチバの幼虫にはこのような対策が有効ですが、
前もってベニカXファインスプレーを噴霧しておいたり、オルトランDX粒剤を撒いておくことによって、害虫が付くことを予防することも出来ますので、
害虫対策には予防から始めることが大切です。
ツルスマイリーフェイス 台風対策
バラの株の風対策と予防
台風の時期が迫ると、毎年バラの鉢植えの様子が気になりますよね。
強い風雨に株がさらされると、枝が折れてしまうこともよくあります。
バラの台風対策は、あらかじめきっちり行うことが大切です。
写真のように、支柱などを利用して、枝や幹をビニール紐で縛り、台風による強い雨風からバラの株を守ることが大切です。
特につるバラは、長い枝が途中で折れてしまうと、せっかく伸ばした枝が台無しになってしまいますので、ビニール紐を使って枝が折れてしまわないように、しっかり縛って風対策を行いましょう。
また、鉢植えをあらかじめそっと倒して、株を寝かした状にして台風をやり過ごす方法もあります。
それほど株が大きくなく、鉢植えが小さい場合は寝かせる方法が手軽でお勧めですが、株がそこそこ大きく成長していて鉢を寝かすことが難しい場合は、鉢ごと強い風で倒されてしまわぬように、フェンスなどを利用して株全体をしっかりとビニール紐で縛って台風対策を心掛けましょう。
台風が過ぎ去った後は、ビニール紐を外して枝を元に戻します。
また、塩害による被害が出てしまうこともありますので、枝や葉に付いた塩分を、ホースの流水を使ってしっかりと塩分を洗い流すようにしましょう。