黒真珠 薔薇の品種紹介
黒真珠は、日本で作出された薔薇の品種になります。
作出年は、1988年、作出会社は京成バラ園芸になります。
系統は、ハイブリッドティーローズ HT になり、花形は半剣弁咲きで咲きます。
特徴は、何と言っても赤黒い花弁が印象に残ります。
その為、黒真珠は日本を代表する黒薔薇(黒バラ)の名花として人気のあるポピュラーなバラ品種のひとつになります。
このページでは、黒真珠の育て方のポイントを項目ごとに掲載しております。
まずは植え付けの方法であったり、花の切り戻しのやり方、または追肥を与える時期などを、
栽培のポイント写真と共に掲載しておりますので、黒真珠の栽培の一助としてご参照下さい。
目次
- 黒真珠 バラの苗の植え付け
- 黒真珠 バラの株の植え替え
- 黒真珠 バラの花
- 黒真珠 バラの花の切り戻し
- 黒真珠 バラの一輪挿し
- 黒真珠 バラのドライフラワー
- 黒真珠 バラに固形肥料を与える
- 黒真珠 バラに液体肥料を与える
- 黒真珠 バラに活力剤を与える
- 黒真珠 枝の誘引
- 黒真珠 バラの害虫予防
- 黒真珠 バラの病気の予防
- 黒真珠 バラの台風対策
黒真珠の植え付け
バラの新苗の植え付け方
黒真珠の新苗をガーデンセンターにて購入して早速、素焼きの鉢に植え付けました。
春の新苗ですので、株がまだ小振りで可愛らしいですね。
植え付けの際に注意する点は、接ぎ木の部分は地中に埋めないようにします。
また、接ぎ木部分にはねた土が被りやすい程の深さも宜しくは有りません。
特にこれといった決まりは有りませんが、土の表面より3センチくらい接ぎ木部分が上に出ていれば問題は無いと思います。
さて、春に出回る新苗は、秋に出回る大苗よりも価格が安いので、
バラの植え付けは春がコスト的に助かります。
秋の大苗は、春の新苗よりも株が大きく成長している苗になりますので、
秋の大苗からの栽培は、春から始めるよりも手間が省ける面もありますが、
そのぶん価格も春よりは上がってしまいます。
黒真珠の苗の植え付けには8号のテラコッタ(素焼きの鉢)を使いました。
鉢の底には適量、鉢底石をあらかじめ入れておきます。
鉢底石は、水やりの際に水はけが良くなり根腐れ防止に繋がりますので、バラの栽培には必須と言えるほど重要なポイントになります。
鉢底石は、鉢に対してこの程度の分量を入れておけば宜しいかと思います。
そして、苗の植え付けに使用した用土は、バラ専用の土を用いました。
バラ専用の土はガーデンセンターでは大抵、販売されていますので、
バラの植え付けにはバラ専用の土を用いた方が無難です。
無事に苗の植え付けが終了しましたら、たっぷり水を与え、後は日当たりが良く風通しの良い環境で栽培を続けていきます。
毎日の水やりは、毎朝、決まった時間に行うことが重要ですが、なかなか難しい日もありますよね。
また、前日に雨が降っていた場合は、当日は土の乾き具合を見て水を与えるか、
今日は与える必要が無いかを判断することになります。
そして、当日、雨が降ることが予想させる場合は、水を与える必要はありません。
このように水やりひとつでも、案外、気を使う場面もあります。
水やりの習慣は、栽培経験が長くなればなるほど、習慣として毎日の生活サイクルに組み込まれて行きますし、水やりのコツも掴めて来るかと思います。
まずは、なるべく決まった時間に水やりを行うことが、バラの成長の助けになりますよ。
黒真珠 バラの株の植え替え
黒真珠のバラは鉢植えで栽培していると、やがて根が鉢の大きさに沿うようにしてびっしり根が張ってしまいます。
このようにして根詰まりを起こした株は、成長が阻害されて病気が発生しやすくなるなど株の健康状態が悪くなってしまいます。
株の成長を更に促すには、根詰まりを起こした鉢は、新たに大きな鉢に植え替えを行うことが必須になります。
黒真珠の薔薇の株の植え替えを行った時期は、4月下旬になります。
テラコッタの8号鉢の栽培では、かれこれ数年が経過して根詰まりもピークになり、
そろそろ植え替えが必要な時期となりました。
写真は、8号鉢から株を引き抜いた株になります。
鉢の形に沿ってびっしりと根がはっている根鉢になります。
根鉢は植え替える前に軽くほぐして、新しく根が生えやすいように古い根はむしり取っておくようにします。
植え替えは、8号のテラコッタから、丸型のプラスチックプランターに植え替えました。
丸型のプラスチックプランターの大きさは、土の容量は17リットルで、
直径35cm、高さは34cmになります。
植え付けていた8号のテラコッタの鉢は、土の容量が約5リットル程度で、
植え替えに使用したプランターの容量は17リットルになりますので、
株と鉢の隙間にゆとりが出来て、新しい根が生えやすい環境になります。
バラの株の植え替えに使った用土は、苗の植え付けに使った用土と同じバラ専用の用土を使いました。
バラ専用の用土は、バラの栽培に適した用土になりますので、バラの栽培では安心して使うことが出来ます。
また、プランターには水はけがよくなるように、初めに鉢底石を適量入れておきます。
バラの株の植え替え作業では、植え替える前に樹形を整えるように剪定作業を行っておくようにすると、
作業がしやすくなりますので、余計な枝を落とすなど、樹形を整えておくようにします。
黒真珠の花
半剣弁咲きのバラの花
黒真珠の花形は、半剣弁咲きで咲き、ビロードの様な美しい花弁の艶が特徴になります。
赤黒く咲く、日本を代表する黒薔薇の名花になります。
花弁の色は、赤黒く咲き、春よりも秋に咲く花はより赤黒く咲きます。
芳香は微香ですので香りはあまりしません。
それでもビロードの様な花弁の美しさは、とても印象に残ります。
また、黒真珠は花付きも良い品種になりますので、複数輪が同時期に咲くことも多いので、黒薔薇の開花をより楽しむことも出来ます。
株が充実して来ると、更に花付きが良くなり、一斉に咲く黒薔薇の景観を堪能できますので、植え付けから数年は、株を大きくすることを優先して栽培をしていきます。
黒真珠の花の切り戻し
黒真珠の花の剪定
黒真珠の花は、花弁が散ってしまう前に花を摘むようにします。
黒真珠に限らず、バラの花は、咲ききって花弁が散ってしまう前に切り落とすことが大切です。
切り戻しのやり方としては、花の下の葉を含めてそのすぐ下のあたりで枝を切り落とすことが一般的です。
また、花のすぐ隣に蕾が付いている場合は、花のすぐ下の茎をカットして花を落とすこともあります。
切り戻しの位置は、上記の写真を参考にしてください。
花を切り戻すタイミングは、花弁が散りだしてしまう前に行うようにします。
咲ききった花をカットすることによって、他の枝に付いている蕾の開花を促すことに繋がりますし、花弁が株元に落ちることによって、そこから新たな病気が発生することを未然に防ぐ効果もあります。
また、花の切り戻しを行うことによって、花が結実する為のエネルギー(ローズヒップを作ること)を消費しなくなりますので、結果的に株の余力が増し、樹形全体に蕾が増えて、開花数が増えることにも繋がります。
黒真珠の一輪挿し
黒真珠を室内で観賞する
黒真珠は、一輪挿しでテーブルなどに飾ると華やかで綺麗ですよ。
一輪挿しに使う黒真珠の花は、切り戻しでカットした花を使うと効率的です。
一輪挿しでバラの花を楽しむには、開ききった花を挿すよりも、
八分咲きほどの花を選んで切り戻すと良いです。
そしてカットした花を、小瓶に挿して暫く育てていると、時間と共に花弁が段々開いてきますので、バラの花が満開になる様子を観察することも出来ます。
黒真珠のドライフラワー
黒真珠の花を乾燥させる
黒真珠の花は、乾燥させてドライフラワーとして楽しむことができます。
写真は、乾燥させた黒真珠の花になります。
ドライフラワーに使うバラの花は、八分咲き程度の花を乾燥させるようにします。
満開に開ききったバラの花では乾燥させるにつれて、花弁がぽろぽろ落ちてきてしまいますので、満開のバラの花はドライフラワーには向きません。
八分咲き程度の花をある程度の長さで茎ごとカットして、余分な葉は落とします。
そして逆さ吊りにして室内の風通しが良く直射日光の当たらない場所で乾燥させます。
逆さ吊りにする際は、洗濯ハンガーなどを使って茎を洗濯ばさみで挟んで乾燥させる方法が扱いやすくてお勧めです。
ドライフラワーの乾燥の目安は、花を触ってみてパリパリになっていれば大丈夫です。
十分に乾燥させたバラの花は、瓶に詰めてポプリなどに利用して楽しめます。
黒真珠に肥料を施す
黒真珠に固形肥料を追肥で与える
黒真珠に限らずバラには定期的に追肥を与える必要が有ります。
追肥には固形の肥料を与えるようにします。
写真の固形肥料はバラに最適な肥料成分になりますので、
追肥には住友化学園芸マイローズの肥料をよく利用しています。
追肥を与える時期は、3月、6月、9月が目安になります。
3月、6月、9月は、バラ栽培にとっては節目の時期になりますので必ず固形タイプの肥料を与えるようにします。
追肥として与える量は、一般的な素焼きの8号鉢には用土が5リットルほど入りますので、固形肥料は40グラム程度が最適な量になります。
追肥の与え方は、写真のように土の表面に適量の固形肥料を蒔きます。
後は肥料に土を軽く被せて施肥は完了です。
住友化学園芸マイローズの固形肥料は、約3カ月ほど有効成分が持続しますので、
肥料を与える間隔は3カ月程度だと覚えておきましょう。
黒真珠の株に液肥を与える
液肥は速効性があります
マイローズばらの液体肥料は、住友化学園芸のバラ用の液肥になります。
液体肥料はあくまで固形肥料の補助として使うようにし、メインの肥料は固形肥料で賄うようにします。
液肥による追肥は固形の追肥に比べ、持続性には期待が出来ませんが速効性があり、短期間で栄養を根から吸収させることができます。
液肥を与える時期や頻度は、株の状態(枝や葉の健康状態)を見て、判断するようにしますが、
基本的には生育期には週に1回程度、また冬季の休眠時には月に2回程度、与えるようにすると効果的です。
黒真珠に活力剤を与える
活力剤をバラの株に与える
黒真珠のばら栽培では、固形肥料や液体肥料とは別に、活力剤を栽培の補助として与えることも有効な栽培方法になります。
住友化学園芸のマイローズばらの活力剤は、バラ栽培に適した活力剤になります。
ばらの活力剤には、土壌中の有用微生物を活性化したり、
植物活力成分が根に活力を与え、光合成を盛んに促す効果があります。
マイローズばらの活力剤は、水で希釈して使用する為、水1リットル当りキャップ1/2杯(10ml)に薄めて使用します。
鉢植えでの栽培では、鉢底から流れ出る程度の量を株元に与えるようにします。
活力剤を与えるのに適した時期は、梅雨時や夏バテ時、そして開花のシーズンが過ぎた後など、株が疲弊して体力が落ち、樹勢が弱まってしまっている時期に与えることが望ましいです。
活力剤を株に与えると、株は再び体力を取り戻して株が丈夫に育つようになりますので、固形肥料や液体肥料とは別に、栽培の手助け、補助として扱うようにします。
黒真珠の枝の誘引
バラの仕立て
新苗で植え付けた黒真珠もやがて枝が伸びてどんどん株が大きくなります。
まったく手を加えずに自由に枝を伸ばしていくと、段々と樹形が崩れてきます。
そこで、麻の紐などを使って、樹形を整えるように枝を誘引していきます。
黒真珠は木立ち性のバラになりますので、理想的な樹形は逆三角形の形が適しています。
なぜ樹形を逆三角形にするかと言うと、株全体に日が当たりやすくなる為と、株元の風通しを良くする為です。
また、鉢植えでの栽培は鉢の大きさに見合った樹形にするように、株の大きさをコントロールしながら栽培しますので、枝の誘引はとても大事な作業になります。
取り敢えずは、挿した支柱に添うように幹を伸ばしていき、段々と樹形全体を考慮しながら逆三角形を目安に枝を誘引していくようにします。
黒真珠 薔薇の害虫予防
バラの害虫駆除
バラの栽培では害虫の駆除が付き物です。
住友化学園芸のベニカXファインスプレーは、害虫の駆除に効果を発揮します。
アブラムシ、芋虫、チュウレンジハバチの幼虫などには絶大な駆除力があります。
害虫は見つけ次第、スプレーを噴霧して駆除するようにしましょう。
また、ベニカXファインスプレーは、害虫予防の効果もありますので、
あらかじめ株全体にスプレー剤を適量噴霧しておけば、
大方の害虫を寄せ付け無くする効果も発揮します。
バラの枝に寄生するアブラムシ
こちらの写真はバラの新芽に寄生しているアブラムシの写真になります。
初めは数匹でも放っておくと段々と数が増えていき、最終的には群れを成しているかのように大量に発生しだします。
アブラムシは、枝から養分を吸汁し、枝の成長を妨げるようになります。
数匹なら大した被害は有りませんが、数が増えると大量の養分が吸われ奪われてしまいますので、株の健康を脅かす存在となります。
ベニカXファインスプレーは、アブラムシに直接スプレーすると、あっという間に絶命しますので、数が増える前にささっとスプレーして駆除しましょう。
カイガラムシエアゾール
住友化学園芸のカイガラムシエアゾールは、黒真珠の枝に寄生するバラシロカイガラムシなどの、カイガラムシの駆除に効果を発揮するスプレー剤になります。
カイガラムシエアゾールをスプレーすると、成分が幹や枝に浸透して殺虫効果が約1カ月持続するので、散布後に発生したバラシロカイガラムシも退治してくれます。
※農薬になりますので、バラを無農薬で栽培する場合は使用は控えましょう。
黒真珠の病気の予防
バラの病気を治す
バラの栽培を年間を通して継続していくと、色々な病気にかかることが分かると思います。
住友化学園芸のマイローズ殺菌スプレーは、バラの病気に効果を発揮します。
黒星病、うどんこ病、べと病、灰色かび病など、一般的なバラの病気に効きます。
病気は早期発見、そして対策が大切です。
バラは病気にかかりやすいので、日頃から株の健康状態を観察するようにして、
葉に病気が見つかったときは、速やかにスプレー剤を噴霧して治療をするようにします。
また、病気の葉が一枚、二枚、三枚程度であれば、そのまま病気の葉をむしってしまう方が手っ取り早いですね。
病気に対して早めに対策を施せば、軽度で済みますが、本格的に病気が進行してしまったら、株全体が病んでしまい、最悪、株ごと枯れてしまうこともありますので、病気の対策は早ければ早い程、治りやすくなります。
マイローズ殺菌スプレーは病気の治療だけではなく、病気の予防にも効果を発揮しますので、あらかじめ株全体にむらなくスプレー剤をかけておけば、葉が病気になるリスクを大いに軽減してくれます。
病気のバラの葉
写真は、病気になったバラの葉です。
葉に病気が発生すると、葉が黄色や茶色に変色しだしますので、
病気が葉に発生したことは見た目で分かります。
初めの内は数枚の葉だけに病気が発生していたとしても、
放っておくと段々と他の葉や枝にも病気が広がることもありますので、
病気の葉は見つけ次第、マイローズ殺菌スプレーを適量スプレーして、早めに病気の治療を施すように心掛けましょう。
黒真珠 バラの台風対策
バラの株の風対策と予防
毎年台風の時期になると、バラの株の台風対策が必要になります。
台風による強い風雨から幹や枝を守る予防が大切です。
写真は、支柱に枝をビニール紐を使って縛り、台風の風対策をしているバラの鉢植えになります。
台風の強い風を受けてしまうと、バラの枝は折れてしまうこともありますので、
写真のようにビニール紐を使って支柱に枝をしっかりと縛り、前もって風対策をすることで、台風の風予防が出来ます。
また、鉢植えでは台風が来る前に、前もって鉢をそっと倒して株を寝かして、
強い風の直撃を防ぐ方法もありますが、鉢や株がそこそこ大きい場合では、鉢植えを倒して株を寝かすことが難しいケースも有ります。
そのような場合は、フェンスなどを利用して、株全体を均等にビニール紐を使ってフェンスに縛り付け、鉢植えが転倒しないように工夫することも大切です。
強い台風が過ぎ去った後は、予防で縛っていたビニール紐を外します。
そして台風による塩害を防ぐ為に、枝や葉に付いたべとべとした塩分を、ホースの流水を使って綺麗に洗い流すようにします。