アンナプルナの栽培方法
アンナプルナ 薔薇の品種紹介
アンナプルナは、フランスで作出された白い花の咲くバラの品種になります。
作出会社はフランスの「ドリュ」で、発表年は2000年になります。
系統はFL「フロリバンダ」に属し、中輪の花が房咲きで良く咲きますので、
ブーケのように複数輪が同時に咲く光景を楽しむことができます。
花形は丸弁高芯咲きで、花色は真っ白なシルキーホワイトと呼ばれています。
アンナプルナの品種名の由来は、ヒマラヤ山脈に属する雪山の名前が採用されています。
おそらく花の色が、雪のように白いと言うことを表しているのだと思います。
また、芳香は強香ですので、香りも十分に楽しめる優秀なバラの品種になります。
目次
- アンナプルナ バラの苗の植え付け
- アンナプルナ バラの株の植え替え
- アンナプルナ バラの花
- アンナプルナ バラの花の切り戻し
- アンナプルナ バラの一輪挿し
- アンナプルナ バラのドライフラワー
- アンナプルナ バラに固形肥料を与える
- アンナプルナ バラに液体肥料を与える
- アンナプルナ バラに活力剤を与える
- アンナプルナ バラの害虫予防
- アンナプルナ バラの病気の予防
- アンナプルナ バラの台風対策
アンナプルナの植え付け
アンナプルナの新苗を購入
バラの栽培もかれこれ年月を重ねてきて、栽培方法も育て方もそれなりに経験を積んできましたので、そろそろ高級品種に手を出そうかと思っておりました(笑)
そこで私が選んだバラのブランドは、フランスの「Dorieux ドリュ」です。
ドリュと言えば、薄紫色のプラスチックの鉢を使って苗を陳列しているのが大きな目印になりますね。
アンナプルナの苗は、新苗の割には株が少し大きく育っていて、蕾が付くほどでしたので、栽培の手間が少し省けてラッキーでした(笑)
「ドリュ」ブランドのバラは、どの品種もこだわり選び抜かれた素晴らしいバラになりますので、価格も一般的なバラ品種より少し高めです。
その分、花の美しさも芳香の良さも、納得のいく素晴らしい品種が「ドリュブランド」には多いですよ。
という訳で、早速テラコッタ(素焼きの鉢)に植え付けました。
植え付けは素焼きの鉢8号のサイズを用意しました。
バラの新苗の植え付けには8号程度の鉢の大きさが丁度良いです。
また、鉢底には予め鉢底石を適量入れていけば、水やりの際に水はけが良くなり根腐れが起きにくくなりますので、鉢底石も用意しておくと良いでしょう。
鉢底石を入れる量は、これ位で大丈夫です。
植え付けに使用した土は一般的なバラ専用の土を使いました。
バラ専用の土には予め肥料成分が入っている種類が多いので、
植え付けから2週間程度は肥料を与える必要が有りません。
さて、無事に苗の植え付けが完了したら、後はたっぷり水を与え日当たりが良く風通しの良い場所で栽培を続けていきます。
植え付け後のアンナプルナの育て方のポイントは、下記の項目ごとに記載しておりますので、項目ごとの育て方のポイントをご覧ください。
アンナプルナの株の植え替え
バラは鉢植えで栽培していると、やがて根詰まりを起こします。
根詰まりを解消させるには、大きめの鉢に植え替える必要が有ります。
根詰まりを起こすと成長の速度が遅くなり、株が病気になりやすくなるなど、
健康が損なわれてしまうこともありますので、植え替えが必要になります。
アンナプルナのバラの株の植え替えを行った時期は、4月中旬になります。
テラコッタの8号鉢での栽培では、そろそろ根詰まりを解消させる必要がありましたので、
思い切ってバラの株を新しい鉢に植え替えることにしました。
写真は、鉢から引き抜いたアンナプルナの株の根鉢をほぐした写真です。
根鉢はある程度ほぐしておき、植え直した際に根が伸びやすくなるように手助けを行うようにします。
植え替えは、8号のテラコッタから、丸型のプラスチックプランターに植え替えました。
丸型のプラスチックプランターの大きさは、土の容量は12リットルで、
直径30cm、高さは31.3cmになります。
植え付けていた8号のテラコッタの鉢は、土の容量が約5リットル程度で、
植え替えに使用したプランターの容量は12リットルになりますので、
株も隙間にゆとりが出来て、より大きく育ってくれるだろうと思います。
植え替えを行う際は、少し枝の剪定をして樹形を整えておくと、
植え替えがスムーズに行えますので、剪定と植え替えはセットで行うようにしましょう。
アンナプルナの花の特徴
アンナプルナの花を撮る
アンナプルナの栽培の目的は、何と言ってもシルキーホワイトと呼ばれる白い花弁を、綺麗に写真に収めたかったのも目的のひとつです(笑)
以前、バラ園に赴いてアンナプルナの可憐な白い花を目の当たりにしたわけですが、撮影した写真は、見事に花が白飛びしてしまいまして実に悔しい思いをしました(笑)
白い発色の強い花は、撮影時に露出に気を付けないと、白色が明るすぎて花弁の重なりが解らなくなってしまうことが多いですよね。
その様な白飛びを防ぐ為にも、露出を少し落としながら、撮影した画像に白飛びが起きていないかを確認し、最適な露出になるように調整しましょう。
さて、アンナプルナは中輪の丸弁高芯咲きで、房咲きで良く咲きます。
系統はFL「フロリバンダ」に属しますので、ブーケのように沢山の花が集まって咲いた光景は見応えがあります。
そして栽培年数を重ね、株が充実して来るとさらに花付きが良くなりますので、
花弁が散ってしまう前に、切り戻しや花がら摘みをまめに行うことが大切です。
また、芳香性にも優れていますので、アンナプルナが沢山咲いた日は、香りが辺りにまで広がりますので、漂うバラの香りを十分に楽しめます。
多花で、香りもよく花形も綺麗なアンナプルナは、とても素晴らしいバラ品種だと言えますね。
アンナプルナの花の切り戻し
花が散ってしまう前に花をカットする
バラの切り戻しとは、花が咲ききって花弁が落ちだす前に、花をカットして落とす手入れ作業のことを言います。
切り戻す位置は、花の下に付く葉のすぐ下の辺りをカットします。
花の切り戻しをする理由は、花弁が散ってバラバラに落ちてしまう前に花の処理をする為です。
花弁が散ってあちこちに落ちてしまうと、掃除も大変ですし、株元に花弁が落ちたまま放置してしまうと、そこから新たな病気が発生してしまうこともあります。
また、花の切り戻しをすることによって、他の蕾の開花が促されることにも繋がりますので、結果、花付きが良くなり、開花数が増えることに繋がりますので、花の切り戻し作業はなるべく毎回、行うようにしましょう。
アンナプルナの一輪挿し
花瓶でバラを観賞する
切り戻しをしたアンナプルナの花は、花瓶で楽しむことができます。
一輪挿しを用意すれば、切り戻しでカットした花を丁度良い大きさの小瓶で楽しむことができます。
前々から、切り戻しをして落とした花を、そのまま捨ててしまうことに少し抵抗を覚えていました。
それでも全ての花を一輪挿しに挿すことも現実的とは言えませんので、
切り戻しを行った際に、綺麗に咲いてくれた花を選んで、一輪挿しに挿すようにしています。
また、切り戻しを行う際に、八分咲き程度の花を選んで切り戻し、
落とした花を一輪挿しで栽培を続けていけば、満開になる様子を観察できますので、花弁が開いていく様子を楽しむことができますよ(笑)
アンナプルナのドライフラワー
バラの花を乾燥させる
アンナプルナの花は、芳香が強香になりますので、ドライフラワーで楽しむことができます。
写真のアンナプルナの花のドライフラワーは、切り戻し作業でカットした花をそのまま乾燥させました。
バラの花の乾燥方法は、洗濯ハンガーなどを使って茎の根元を洗濯ばさみで挟み、
花を逆さ吊りにして屋内の直射日光が当たらない風通しの良い場所で乾燥させます。
乾燥の目安は、花を触ってみてパキパキと音がして崩れてしまう程度になっていれば、十分に乾燥していると言えます。
後は瓶に入れてポプリとして楽しんだりすることが出来るようになります。
アンナプルナの肥料
バラの株に固形肥料の追肥を与える
アンナプルナのバラ栽培は、定期的に追肥を与えることが大切です。
住友化学園芸マイローズの肥料の有効成分は約3か月間持続しますので、3カ月おきに肥料を与えるようにします。
追肥として与える量は、一般的な素焼きの8号鉢には用土が5.1リットルほど入りますので、固形肥料は40グラム程度が最適な分量になります。
追肥の与え方は、写真のように土の表面に適量分の固形肥料を蒔きます。
後は肥料に土を軽く被せて施肥は完了です。
住友化学園芸マイローズの固形肥料は、約3カ月ほど有効成分が持続しますので、
肥料を与える間隔は3カ月程度だと覚えておきましょう。
3月に新苗を植え付けた場合、初めて追肥を与える時期としては6月辺りが追肥の時期になります。
そして6月に追肥を与えた後は、3か月後の9月に追肥を与えるようにします。
12月は冬越しの時期に入りますので、株は越冬の為に休眠状態にありますので固形肥料による追肥の必要はありません。
このように肥料を与えるサイクルは、市販されている肥料の持続力によって変わりますが、3カ月を目安にして行きます。
また、植え付けに利用したバラの専用用土には、あらかじめ肥料成分が含まれている物が多いので、植え付けから半月程度は追肥の必要はありません。
アンナプルナの株に液体肥料を与える
液肥は速効性があります
マイローズばらの液体肥料は、住友化学園芸のバラ専用の液肥になります。
液体肥料はあくまで固形肥料の補助として使うようにし、メインの肥料は固形肥料で賄うようにします。
液肥による追肥は固形タイプの追肥に比べ、持続性には期待が出来ませんが速効性があり、短期間で栄養を根から吸収させることができます。
液肥を与える時期や頻度は、株の状態(枝や葉の健康状態)を見て、判断するようにしますが、
基本的には生育期には週に1回程度、また冬季の休眠時には月に2回程度、与えるようにすると効果的です。
アンナプルナに活力剤を与える
バラの株に活力剤を与えよう
アンナプルナのバラ栽培では、栽培の補助として活力剤を与えることも有効な栽培方法になります。
マイローズばらの活力剤は、バラ栽培に適した住友化学園芸の活力剤になります。
園芸用活力剤の効果としては、土壌中の有用微生物を活性化したり、
植物活力成分が根に活力を与え、光合成を盛んに促す効果があります。
マイローズばらの活力剤は、水で希釈して使用する為、水1リットル当りキャップ1/2杯(10ml)に薄めて使用します。
鉢植えでの栽培では、鉢底から流れ出る程度の量を株元に与えるようにします。
バラの活力剤は、梅雨時や夏バテ時、開花のピークが過ぎた後など、
株が疲弊して体力を落とし、樹勢が弱まっている時期に与えることが効果的です。
薔薇に活力剤を与えると、株が再び体力を取り戻し、株が丈夫に育つ手助けをしてくれますので、固形肥料や液体肥料とは別に、活力剤を栽培の補助として有効に使うことがバラ栽培では大切です。
アンナプルナの害虫予防
バラに付く害虫対策
バラの栽培は、害虫との戦いが付き物です。
アブラムシ、チュウレンジハバチの卵から孵った芋虫、コガネムシの幼虫、など、
バラは害虫にとても狙われやすい植物です。
住友化学園芸のベニカXファインスプレーは、バラの害虫対策にとても重宝します。
アブラムシなどの害虫は、見つけ次第、駆除することが大切です。
害虫めがけてスプレー剤を噴霧すれば、大抵の虫はあっという間に絶命していきます。
また、「ベニカXファインスプレー」は、害虫予防にも効果を発揮しますので、
あらかじめ樹形全体にスプレーしておけば、害虫が付くことをある程度は抑制してくれますので、害虫対策は、まず予防から始めるのが基本です。
バラの新芽に寄生アブラムシ
写真はバラの枝に寄生するアブラムシになります。
アブラムシは、バラの枝から養分を吸汁して育ちます。
特に若い新芽付近に集中して発生することが多く、その為、十分な栄養が新芽に届かなくなり、成長を阻害するようになります。
ベニカXファインスプレーは、アブラムシに対して即効で効きますので、アブラムシが大量に発生してしまう前に、スプレーして早めに駆除するようにしましょう。
また、オルトランDX粒剤もアブラムシ対策としては大いに効き目があります。
オルトランDX粒剤は、アブラムシが発生する季節の前に、前もって用土に適量をばら蒔いておくタイプの駆除剤になり、効果は約一カ月ほど持続します。
オルトランDX粒剤の駆除成分が株に浸透してくると、アブラムシが大量に湧くことがほぼ無くなりますので、アブラムシが発生しだす時期に合わせて、前もって対策を講じることも有効な駆除の方法と言えます。
カイガラムシエアゾール カイガラムシの駆除
住友化学園芸のカイガラムシエアゾールは、バラシロカイガラムシなどアンナプルナの幹や枝に寄生したカイガラムシの駆除に効果を発揮するスプレー剤になります。
スプレーを噴霧すると、成分が幹や枝に浸透して殺虫効果が約1カ月ほど持続するので、散布後に発生したカイガラムシも退治してくれます。
カイガラムシは、早期の発見と対策、早期の駆除が大切ですので、カイガラムシが大量に発生して枝に寄生される前に薬剤をスプレーして駆除するようにしましょう。
※カイガラムシエアゾールは農薬になりますので、バラを無農薬で栽培したい場合は使用は控えましょう。
アンナプルナの病気予防
バラの病気対策
バラの栽培は、病気を未然に抑えることが重要になります。
黒星病、うどんこ病、べと病、灰色かび病など、
バラに発生する病気は色々とありますので、それぞれの病気には早期の発見と治療が大切です。
住友化学園芸のマイローズ殺菌スプレーは、それらの病気に対して効果を発揮してくれますので、バラ栽培には必須のスプレー剤になります。
黒星病などの病気の葉を見つけた際は、なるべく早めにスプレー剤を噴霧して、
病気が更に他の葉へと広がらないように様子を見ましょう。
また、数枚ほどの葉のみに病気が見られる場合は、葉をその場でむしり取ってしまう言ことも有効です。
バラの病気は小さい範囲ならば早めの対応で完治することが出来ますが、
病気が広がってしまうとなかなか病気が治らないこともあります。
そして最悪のケースでは、病気が酷くなると、株が枯れだしてしまうこともありますので、
病気は範囲がまだ小さいからと言って油断することなく、早期の治療を心掛けましょう。
アンナプルナの台風対策
バラの株の台風による風予防
台風の時期になると、バラの枝が風によって折れてしまったり、塩害によって葉が萎れて枯れてしまうこともあります。
写真のように、台風の強い風を受けても枝が折れてしまわないように、支柱を使ってしっかりと幹や枝をビニール紐で縛り、固定しましょう。
ビニール紐は、株全体に均等になるように縛り、バラの株を台風による強い風から守る予防対策が大切です。
また、鉢をそっと倒して株を寝かし、台風による鉢植えの転倒を防ぐ方法もありますが、鉢が大きかったり樹形がそこそこ大きい場合は、株を寝かすことが難しいケースも有ります。
そのような場合は、フェンスなどを利用して、株全体を均等にビニール紐を使ってフェンスに縛り付ける台風対策も有効です。
台風が過ぎ去った後は、ビニール紐を外し、枝や葉に付いた塩分を洗い流して、台風による塩害を防ぐようにします。
べとべとした塩分が葉に付いたまま放置してしまうと、塩分の程度にもよりますが、葉が枯れだしてしまうこともありますので、ホースによる流水を使って株全体についた塩分を綺麗に洗い流すようにしましょう。