ステビアの育て方

ステビアの育て方 | ハーブの栽培方法

ステビアは、キク科ステビア属の多年草になります

ステビアと言えば、甘い味のするハーブ品種として知られています。
ステビアの葉から採れる甘味成分は、砂糖のおよそ300倍とも言われ、ハーブティーの甘味料として利用されることも多いです。
また、食品や飲料などの甘味料として、ステビアは幅広く利用されていることでも有名です。

このページでは、そんなステビアの栽培方法を、新苗の植え付けから年間を通した育て方まで詳細な栽培記録写真とともに、細かく掲載しておりますので、ステビアの育て方の一助としてご参照下さい。

 

目次

ステビアの植え付け

ステビアの新苗をプランターに植え付ける

ステビアの苗を、プラスチック製の細長プランターに植え付けた写真です。

ステビアの植え付け
ステビアの植え付け

写真の苗は、すこし苗の手入れがおろそかになってしまった為、茎の先端付近の数枚の葉が少し枯れていますが、まあ特に問題は無いレベルです。
細長タイプのプラスチック製プランターに苗を植え付けました。
ステビアの植え付けを行った時期は、春、4月の中頃になります。

植え付けに使った用土は、一般的な野菜用の園芸用土になります。
また、プランターの下には予め少量の赤玉土を入れておき、その上に園芸用土を入れます。
赤玉土を入れることによって、水やり時の水はけが断然よくなりますので、赤玉土は何気に重要なポイントです。

さて、土の準備が整った段階で、苗がすっぽり入る程度の穴を掘り、そこへステビアの苗を植え付ければ作業は完了です。
植え付けの際には、ステビアの根に付いている土はほぐさずにそのまま植え付けるようにすれば、根が傷むのを防ぐ事が出来ますので、根に絡んだ土は、基本的に取り除かずにそのまま植えつけます。

しかし、育苗ポットから苗を取り出した際に、根がびっしり廻るようにして伸びて詰まってしまっているような苗ならば、根を軽く少しほぐしてから植え付けを行うようにした方が、その後の生育には好ましいです。

そして無事に植え付け作業が完了しましたら、後は日当たりが良く風通しの良い場所で育てるようにします。
ステビアは、南米原産のハーブになりますので、日射しを大変好む植物になりますので、十分な日当たりを確保できる場所で栽培を心掛けましょう。
ステビアの栽培は、日当たりの良さが生育具合に直結するといっても過言ではないです。

そして、早速ですが、順調に育って行けば、翌年にはこれほどの大きさに成長します。

ステビアのプランター
ステビアのプランター

プランター栽培の場合、草丈はおよそ60cm位まで成長します。
あれだけ小さかった苗が、約一年ほどで、これほどの大きさに成長します。
ここまで大きくなれば、たくさんの葉を収穫できるようになりますね。
葉の収穫は、株がある程度大きく育った段階で収穫するようにします。
まずは、株を大きくして成長を促すことが賢明です。

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ステビアの葉

ステビアの葉はギザギザが特徴

ステビア葉の参考写真です。
ステビアの葉の縁は、少しギザギザしているのが特徴になります。

ステビアの葉の形
ステビアの葉の形

そして茎には産毛の様な細かい毛がびっしり生えているのも特徴になります。
ステビアの葉には、ステビオサイドという甘みを持つ物質が含まれています。
葉から抽出された甘味料は砂糖のおよそ300倍ともいわれ、色々な食品や飲料に、天然由来甘味料として古くから利用されています。
その為、葉はブレンドしたハーブティーの甘味料としてもよく利用されます。

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ステビアの花

ステビアの花は白くて小さい

ステビアの花は白くて小さい花で、茎の先端に密集するようにして咲きます。

ステビアの花
ステビアの花

開花の時期は、夏の終わり頃から咲き出し、9月から10月が開花のピークになります。ステビアの花は、可愛らしい小さな花を大量に付け、見た目にも綺麗ですが、栽培のポイントとしましては、花は咲かせずに切り落とすようにします。

ステビアは、この時期になると茎の先端にたくさんの蕾を付けだし、やがて開花させるために栄養エネルギーを花の開花に集中するようになります。
そうして開花した花は、やがて結実すると種が出来ます。
このように結実して種を作り出す行為にも株は多大なエネルギーを消費してしまいます。
ステビアの立場になってみれば、種を残して子孫を増やすという自然であたりまえな行為を行っている訳ですが、ステビアの葉の収穫が目的の栽培の場合では話は変わります。

ステビアに限らず一般的な植物は、蕾、開花、結実、そして種を作り出すという自然的な行為に株は多大なエネルギーを消費します。
その為、茎や葉の成長は阻害され、葉の収穫量が減ると共に、株自身もとても疲弊します。
場合によっては、株が開花に膨大なエネルギーを費やしてしまい、株自体がとても疲弊してしまい、結果、枯れだしてしまうケースもあるほどです。

そのような葉の収穫に関係のない余分なエネルギーを、株に消費させないようにするには、花を咲かせないようにする為の手入れを施す必要が有ります。
花を咲かせないようにするには蕾が出来た段階で、その下の茎ごと蕾を切り落とすようにします。
また、開花が進んでしまったとしても、花の下の茎ごと花を切り落とすようにして、開花にエネルギーを廻さないようにします。

ステビアの花の開花のシーズンでは、こまめに花を切り落とす剪定作業を怠らないようにする事が、葉の安定的な収穫に繋がりますし、株も茎や葉の成長にエネルギーを廻すようになりますので、更に樹形が大きくなるように成長してくれます。
開花の時期は、樹形を整える為の絶好の剪定の時期とも言えます。

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ステビアの葉の収穫

ステビアの葉は、茎ごと刈り取るのが効率的です

ステビアの葉は、収穫してハーブティーなどに利用する事が出来ます。
収穫時期は、春から夏の終わりまで行えます。

ステビアの葉の収穫
ステビアの葉の収穫

写真のように、ステビアの葉は、茎ごと収穫する方法が楽で効率的になります。
葉を、必要分一枚一枚収穫することも出来ますが、効率的とは言えません。
何故、茎ごと収穫するかと言うと、樹形を考慮した剪定も兼ねた収穫を行うことが出来る為です。

ステビアの株は、大きく成長するにつれて、株元が混み合う傾向があります。
株元が混み合ってくると、風通しが悪くなり、株元から病気や害虫が発生する確率が高まります。
その為、葉を収穫する際は、株元の風通しが良くなるように、数本の茎を株元より間引くようなイメージで刈り取って収穫するようにして、収穫と剪定とを兼ねた方法を取る事が効率的になります。

また、草丈は十分に伸びてはいるが、茎の本数は全体的にそれほど多くはないステビアの株の場合は、それぞれの茎の背丈を摘めて揃えるような収穫の方法も有効と言えます。

茎ごと収穫したステビアの茎と葉は、必要分の葉を茎からちぎってハーブティーなど目的ごとに利用し、残った茎と葉はこのまま逆さ吊りにして、風通しの良い場所で乾燥させて保存する事も出来ます。

また、栽培年数がそれほど経過していない為に株が大きくはなく、茎も数本しか生えていないような場合では、茎ごと収穫するよりも、必要分の葉のみを収穫するようにして、株の成長を優先させる方が賢明です。

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ステビアの葉の乾燥

ステビアの葉は、乾燥させてドライで長期保存する事ができます

採りたてのフレッシュな生の状態のステビアの葉は、春と夏にしか味わえません。
その為、冬季では乾燥させたステビアの葉を利用する形になります。

写真のステビアは、乾燥させたドライの葉になります。
乾燥のやり方は、茎ごと収穫したステビアを、数本まとめてそのまま逆さ吊りにし、直射日光の当たらない風通しの良い屋内で乾燥させます。

乾燥させたドライのステビアの葉
乾燥させたドライのステビアの葉

乾燥に適した時期は、雨があまり降らない湿度がなるべく低い時期が最適です。
梅雨時や、台風の時期などは、乾燥にはあまり好ましくはありません。
また、人の出入りの多い場所ではホコリなどが、葉に積もってしまう事もありますので、人の出入りの少ない静かな場所を選ぶことも大切です。

逆さ吊りにして十分に乾燥させたステビアは、次に茎から葉を取り除きます。
取り除いた葉は、煮沸消毒したジャム瓶などに、食品保存用の乾燥剤と共に入れて保存するようにします。
保存したドライのステビアの葉は、必要な時に必要な分取り出して使う事が出来ますので、長期保存ができ、冬季でもステビアの葉を使ったドリンクなどを楽しむ事が出来るようになります。

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ステビアの茎の剪定

収穫がてら茎を剪定して樹形を整える

ステビアは、定期的に剪定を行って樹形を整えるようにします。

剪定前のステビアのプランター
剪定前のステビアのプランター

夏の最盛期のプランターの様子です。
茎が伸び放題になって、朝に与えた水も暑さのせいか少し切れているようです。
ここまで背丈を高くする必要は有りませんので、早速、葉の収穫も兼ねて茎を剪定して樹形を整えようと思います。

剪定後のステビアのプランター
剪定後のステビアのプランター

伸びきった茎を切り詰めて、株がすっきりしました。
切り落として収穫した茎は、そのまま屋内の涼しい場所で逆さ吊りにして、葉を乾燥させました。
このようにして、伸びた茎は収穫も兼ねて剪定するようにします。

株元にも新鮮な空気が流れやすくなりますし、株の蒸れ防止にも繋がりますので、伸びきった茎は定期的に切り詰めるようにします。
また、栽培年数が経過して株が充実して大きい場合は、もっと強く茎を詰めても再生して来ますので、強めに茎を剪定して詰めてしまっても大丈夫です。

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挿し木してステビアを増やす

ステビアの挿し木のやり方

ステビアは、挿し木で株を増やすことが出来ます
ステビアはカットした茎を土に直接、挿して挿し木で増やすことが出来ますが、
挿し木をする前に水挿しで栽培して十分に発根させてから挿し木を行えば、挿し木の成功率が格段に上がります。
水挿しの水は、毎日変える必要は有りませんが、数日おきには変えてあげましょう。

このようにして発根させたステビアを小鉢に挿し木します。

ステビアの挿し木
ステビアの挿し木

以上のような挿し木の方法を用いれば、挿し木の成功率が飛躍的に上がります。
私も以前は土に直接カットした茎を挿し木していたのですが、成功率が悪く効率的とは言えませんでした。
その為、発根させてから挿し木を行うように方法を変えました。
発根させてから挿し木を行えば、ほぼ挿し木は成功しますので、オススメの株の増やし方になります。

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ステビアの固形肥料

ステビアに固形追肥を与える

ステビアには毎年三回、決まった時期に緩効性の固形肥料を与えています。
追肥を与える目安の時期は、3月、6月、9月が適した時期になります。
3月に追肥を与えれば、春の生育期に前もって肥料成分を届ける事が出来ます。
6月の追肥は夏を前に株に体力を付けさせるために与えています。

9月に追肥を与えれば、夏バテした株に栄養分を与えられますし、冬越しに備えて栄養分を株に蓄えさせることが出来ます。
このように、追肥を与える時期にはある程度の目安の月がありますので、3月、6月、9月辺りを目安として、追肥を与えるようにしましょう。

また、苗の植え付けに利用した園芸用土には、あらかじめ肥料成分が混ざった物が多いので、苗の植え付けの際には追肥は行う必要は有りません。
園芸用土にあらかじめ入った肥料成分は、約2カ月ほどで切れてきますので、植え付けから2カ月ほど経過した段階で、追肥を行うようにします。

例えば、園芸用土を用いて5月に苗の植え付けを行った場合は、7月に追肥を行い、再び10月までにはもう一度、追肥を与えるようにします。
このように追肥を与える月の間隔が短くなってしまう場合は、追肥を与える分量を少なくして、肥料をコントロールしながら与えるようにしましょう。
ちなみに冬季に入ってしまうと、肥料を与えても株は栄養分をあまり欲しませんので、おそくとも11月の初めまでには追肥は行うようにします。

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ステビアに液肥を与える

液体肥料をステビアの株に与える

ステビアの栽培では、固形肥料の他に補助的に液体肥料を与えることも有効な栽培方法になります。

固形肥料は、効果に持続力がありますが、即効性は無く、シーズンを通した用途で使われる肥料となります。
液体肥料は、効果に持続力は有りませんが、即効性がありますので短期間でも株に手早く栄養分を届けることが出来ます。

液肥を与える時期は、梅雨明けの時期や、夏バテの時期に、株が疲弊して樹勢が弱まっている頃に与えるようにして、株に短期間でも確実に栄養分を届けるようにします。
特に長雨の後や、猛暑の夏を過ぎる頃には株は体力を消耗していますので、液肥を与えることで疲弊した株に栄養分を与えるようにして体力を回復させるようにします。

液体肥料を与える目安はあくまでも、株の健康状態を確認してから行うようにして、固形肥料の補助として与えるようにし、メインの肥料としては固形肥料を扱うようにします。

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ステビアの冬越し

ステビアは多年草なので越冬します

ステビアは、秋が深まるにつれて、平均気温が下がりだすと段々と地上部は枯れていきます。
そして寒さの厳しい冬の時期になると、茎も葉もほぼ枯れ果てます。

ステビアの冬越し
ステビアの冬越し

写真のように、ステビアの株は冬季には地上部がほぼ枯れ果てますが、根は健在です。
たとえ茎や葉が枯れていようとも、地中で根は白さを保ち、春の訪れをじっと待つ休眠状態に入っています。

その為、株が枯れてしまったと勘違いをして、土を捨てて鉢を空け、栽培を終わらせないように気を付けましょう。
地上部が枯れてしまっていても、根は真白く冬季でもしっかりと生きておりますので、当然水やりは必要になります。
冬季の水やりの方法は、土の表面が乾燥しきる前に与えるようにして、水の分量は鉢底から少し流れて来る程度の水を与えるようにします。
夏季のように、毎日たっぷりと与える必要はありません。

やがて、冬越しを終えて春を迎えると株元より新たな新芽が出てきます。
新たに生えてきた新芽は、5月に入る頃には茎もある程度伸びてきて葉も緑豊かに成長して来ます。

このようにしてステビアの株は、冬季には地表部分はほぼ枯れ果てます。
しかし、地中では根は生きていて、春の訪れを待っています。
そして、春になると、株元より新芽が出始め、再び成長の速度が高まります。

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ステビアの害虫駆除と病気の治療

害虫と病気の予防

ステビアの栽培では、病気や害虫の被害にあうということはあまりないように思えます。

それでも、葉が病気にかかってしまったり、アブラムシなどの害虫の被害に遭うこともあるかと思いますので、病害虫の予防と対策は、日当たりが良く風通しの良い環境で栽培をすることが基本です。

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ステビアのハーブティー

天然の甘味料

ステビアの葉は、ハーブティーにして楽しむことが出来ます。
ハーブティーで楽しむ場合は、ステビアの葉を単体で使うと言うよりは、ハーブティーの天然甘味料としてステビアの葉を使うことが多い印象です。

例えば、ミントのハーブティーにステビアの葉を加えることによって、清涼感のある風味に甘みを加えることが出来ます。
または、カモミールティーに加えることによって、フルーティーな風味に甘みを加えることが出来ます。

このようにして、ステビアの葉は単体でハーブティーにするよりも、甘味料としてハーブティーのブレンドに加えることが多いです。
ステビアの甘みは独特な風味がありますので、ハーブティーを楽しむ場合には、ステビアの葉もオススメのブレンドになります。

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