ペパーミントの育て方

ペパーミントの育て方 | ハーブの栽培方法

ペパーミントの品種紹介

ペパーミントは、スペアミントとウォーターミントの交雑種になるようで、スペアミントと並び、数あるミント品種の中でも、特に人気のあるミント品種になります。

ペパーミントの栽培は、たくさんのハーブの種類の中でも育て方は簡単なことで知られています。
育て方で注意する点は、株が小さい内は日当たりを十分に確保して光合成を促すことと、定期的な水やりを欠かさずに行えば、どんどん成長してくれます。
ミント品種はもともと生育力があり、繁殖力も強いので、株が大きく育つほど、葉の収穫の喜びが味わえます。

収穫した葉は、ハーブティーに利用したり、お菓子などの料理の飾り付けなどでも利用することが出来ます。
このページでは、そんなペパーミントの栽培方法を細かく掲載しておりますので、栽培の記録写真と共にご参照下さい。

 

目次

ペパーミントの植え付け

ペパーミントの苗をプランターに植え付ける

早速、ハーブガーデンで購入したペパーミントの苗を、横長タイプのプラスチックのプランターに植え付けました。
植え付けは、7月に行いました。

ペパーミントの苗の植え付け
ペパーミントの苗の植え付け

ミントの植え付けに利用した用土は一般的な花や野菜用に販売されている園芸用土です。
また、プランターにはあらかじめ、赤玉土を適量入れておくようにします。
赤玉土は、水やりの際に水はけがよくなりますので、根腐れ防止に繋がります。
植え付けが終了したら、後は日当たりが良く風通しの良い場所で栽培を継続していきます。

ペパーミントに限らず苗として販売されているミントの苗は、まだ十分に根がはっておらず、生育力はまだ旺盛とは言えませんので、植え付けから暫くの間は十分に日光を与えて、過保護気味に育てる方が賢明です。

植え付けから暫くすると、根を段々と伸ばして生育力が付いて来ますので、植え付けから暫くの間は剪定をしたり、葉の収穫もせずに、まずは株を大きくすることを優先して栽培をしていきます。

例えミント品種は繁殖力が強くてどんどん成長すると言っても、それは株が充実した後の話であって、まだ株が小さく苗と呼べるような段階では、十分な陽射しが得られなければ、枯れてしまうこともありますので注意が必要です。

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ペパーミントの葉

ペパーミントの葉の特徴

葉は、先端が少し尖り気味に成長します。
また、新芽の段階では葉は少し丸みを帯びることがありますが、だんだんと葉は尖り気味に成長していきます。

ペパーミントの葉の特徴
ペパーミントの葉の特徴

スペアミントとの葉の違いは、葉の形はもちろんですが、ペパーミントの方が葉脈が少ないのが大きな違いになります。

ペパーミントの葉は、収穫して料理やポプリなどに利用することが出来ます。
ペパーミントの栽培は、葉を収穫して楽しむことが醍醐味になりますので、栽培環境を整えて、たくさんの葉を収穫できるように株を大きく育てましょう。

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ペパーミントの葉の収穫

ミントの収穫方法

ペパーミントの葉の収穫は、茎ごと刈り取るようにして葉を収穫します。

ペパーミントの葉の収穫
ペパーミントの葉の収穫

写真のように、葉を茎ごと刈り取って、必要な葉はそこからちぎって使うようにします。
また、葉を数枚しか使わない場合は、そのまま植えている状態で葉をカットして収穫する場合もありますが、ミントの葉の収穫は、樹形を整える為にも剪定がてら茎ごと葉を収穫する方が効率的です。

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ペパーミントの剪定

ミントの茎をカットして樹形を整える

ペパーミントの葉を収穫するには、剪定がてら茎ごと葉を収穫するようにします。
茎ごと収穫するようにすれば、同時に樹形を整えることに繋がりますので、株の状態を考慮しつつ葉を収穫していきます。

ペパーミントの葉の収穫前
ペパーミントの葉の収穫前

苗の植え付けから約一年が経過した株の様子です。
プランターからはみ出るほどに大きく成長している状態です。
本来は、ここまで成長する前に茎を剪定して樹形を整えることが望ましいですが、今回は剪定の様子がはっきりわかるように大きめに育ててみました。

ペパーミントのプランターの剪定後
ペパーミントのプランターの剪定後

写真は、剪定を行った後のペパーミントのプランターです。
見えなかったプランターの形が見えるようになりました。
ミントの剪定の方法は、まずはプランターからはみ出た茎は全てカットして落とします。
次に背丈が揃うようにペパーミントの草丈をある程度、そろえるようにして剪定します。

そして、株元の風通しを良くするために、茎を何本か根元から間引くようにしてカットします。
株元の茎の本数を減らすことによって、混みあっていた茎が解消されて、株元が蒸れなくなります。
茎や葉が混みあって株が蒸れてしまうと、病気や生育に大きな影響を与えますので、新鮮な空気が流れやすい環境をととのえてあげることが大切です。

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ペパーミントの強剪定

鉢植えで栽培しているペパーミントは、株が充実して大きく成長をしていれば強剪定を行うことができます。
強剪定とは、枝や茎を短めに剪定をし、樹形を整える剪定のことを言います。
強めに剪定をすることによって、草丈を整えると同時に葉を大量に収穫することができます。

ペパーミントの鉢植え
ペパーミントの鉢植え

写真は、6号の素焼きの鉢で栽培しているペパーミントの鉢植えです。
時期は5月の中旬で、春に芽吹いた茎がすくすくと伸びて、一部の茎は鉢から飛び出しています。

このまま伸びた茎をつめなかったり、葉を収穫せずにいると、茎が更に成長して伸びた茎の先端付近ばかりに葉が茂るようになります。
そして株元には陽射しが届きにくくなり、株元付近では葉が茂りにくくなってしまいますので、茎の剪定をして樹形を管理することが必要になります。

ペパーミントの強剪定
ペパーミントの強剪定

写真は、伸びた茎を強めにつめたペパーミントの鉢植えになります。
葉の収穫も兼ねて、茎の背丈を揃えました。
このように強めに剪定をすることによって、株元の茎にまで日光が届くようになりますので、株元から新たに芽が伸びやすくなります。

また、株元の風通しが良くなりますので、害虫の防止や病気の予防にも効果的ですので、茎が伸び放題になる前に、強剪定を行って樹形を整えることが有効です。

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ペパーミントの葉の乾燥

収穫したペパーミントの葉をドライで保存する

ペパーミントの葉は、乾燥させて保存することが出来ます。

乾燥させたペパーミントの葉
乾燥させたペパーミントの葉

写真は、茎ごと収穫した葉を数本まとめて、乾燥させた状態のペパーミントになります。
乾燥方法は、茎ごと葉を収穫したペパーミントを、ホースなどを使って優しい水流で泥などの汚れを洗い流します。
次に新聞紙を敷いてその上に洗ったペパーミントを置き、水分を飛ばします。
またはキッチンペーパーを使って茎や葉に付いた水分を拭きとります。

そして水分を飛ばした茎を数本分まとめて縛り、室内の風通しが良く日の当たらない場所で、逆さ吊りにして乾燥させます。
逆さ吊りには洗濯ハンガーを使って洗濯ばさみで茎を掴ませて、逆さ吊りにする方法が効率的です。

葉の乾燥の目安は、葉を触ってみてパキパキ音がして、ぽろぽろ葉が落ちるほど水分が飛んでいれば十分です。

乾燥させた葉は、煮沸消毒をしたガラス瓶に食品保存用の乾燥剤を入れて保管するようにします。
ドライの葉は、必要な時にいつでも取り出して、ハーブティーなどに利用することが出来ますので、葉はドライで保管するようにすれば、葉の収穫が行えない冬季でも、ミントの葉を楽しむことができます。

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ペパーミントの花

ペパーミントの花の開花の時期

ペパーミントの花は、初夏の頃から咲き出します。
その年の気温などにもよりますが、春を過ぎて気温が段々高まるにつれて、花芽が付き出し数日後にはぽつぽつ開花しだします。

ペパーミントの花
ペパーミントの花

ペパーミントの花は、茎の先端に小さな花が密集するようにして咲きます。
花はやがて、結実して種が出来ますが、ミント栽培では通常は花を結実させることは避けるようにします。
その為、花芽が付いた段階か、若しくは開花した状態で、花が付いた部分を切り落とすようにします。
花を切り落とす位置は、茎の半分くらいの位置でばっさりカットするようにすれば、新たな花芽が付きにくくなります。

何故、種を作らせないかと言うと、ミントは非常に交雑しやすい植物で、違ったミント品種同士が交雑してしまうと新たなミント品種が生まれてしまう可能性が高くなります。
その為、花が結実してやがて種ができ、その種がこぼれ種として株元に落ちてしまうと、そこから発芽した新芽は元の品種と同じミント品種とは言えない可能性がありますので、品種を維持したままミントの栽培を継続したい場合は、花は結実して種が出来る前に早々に切り落としてしまうことが重要です。

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ペパーミントの固形肥料

ペパーミントに追肥を与える

ペパーミントは、毎年決まった時期に追肥で固形肥料を与えるようにします。
追肥を与える時期は、3月と6月と9月が、最も適した時期になりますので、これらの時期を目安に追肥を与えるようにします。

肥料を与えたペパーミントは、すくすく育って葉の収穫量も増えますので、追肥を必ず与えるようにしましょう。

ペパーミントの鉢植えに固形肥料を与える
ペパーミントの鉢植えに固形肥料を与える

写真は、ペパーミントの鉢植えに緩効性の固形肥料を実際に追肥で与えている様子です。
ペパーミントに追肥を与えることによって、株はますます大きく健康的に育ち、葉の収穫量も増えてきますので追肥は計画的に行うようにしましょう。

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ペパーミントに液肥を与える

液体肥料をミントの鉢植えに与える

ペパーミントの栽培では、液体肥料を与えることも有効な栽培方法のひとつになります。
住友化学園芸のベジフル液肥は、野菜やハーブ、果樹などの栽培に適した液体肥料になります。

固形肥料は、持続性はありますが速効性はありません。
液体肥料は、持続性はありませんが、即効性に優れています。
このように肥料は固形タイプと液体タイプとで、効き具合に違いがあります。

液肥を与える時期は、梅雨時や夏バテ時など株が疲弊して樹勢が弱まっている時期に与えることが効果的です。
長雨の後や猛暑の後では、株が疲弊して体力を奪われていることが多いので、株の健康状態を確認しながら効果的に液体肥料を与えることが大切です。

あくまで年間を通した肥料は固形肥料を扱うようにし、液体肥料は株が疲弊している時に補助的に与えるようにして、株の健康状態に気を配りながら栽培を継続するようにしましょう。

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ペパーミントの害虫対策と病気治療

アブラムシとうどんこ病の予防

ペパーミントは、その他のミント品種と同じように、害虫が付きにくく病気にも強く、とても育てやすいハーブの種類のひとつとして人気があります。
それでも、ペパーミントの栽培ではアブラムシの被害に遭ったり葉に病気が発生してしまうこともありますので、日当たりが良く風通しの良い環境で育てることが有効です。

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ペパーミントの冬越し

ペパーミントのプランターの越冬

ペパーミントは、多年草になりますので、冬を越えて何年でも栽培を継続することが出来ます。

ペパーミントの冬越し
ペパーミントの冬越し

写真は、苗を植え付けしてから初めての冬越しになります。
写真のように、冬季では地上部の茎や葉は枯れていき、少しの茎と葉が残るだけの状態なります。
また、元の株の大きさにもよりますが、地上部がほぼ枯れてしまって茎も葉もほとんど見えなくなることもあります。
このような状態は、株が休眠状態となっている目安になります。
気候が暖かくなるまで、冬の間は株は成長することなく、じっと気温が暖かくなるのを待っている状態になります。

それでも、地中では白い根は健在で、株は枯れ果ててしまっている訳ではありませんので、間違って株を掘り起こしたりしないように注意が必要です。

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ペパーミントの根詰まりと植え替え

ペパーミントの株分け方法

ペパーミントの栽培も年数が経過してくると、段々と根詰まりを起こすようになります。

植え付けから数年が経過したペパーミントのプランター
植え付けから数年が経過したペパーミントのプランター

写真のプランターは、苗の植え付けから数年が経過したペパーミントの株になります。
プランター全体に広がるように成長している為、根詰まりを起こしていることが伺えます。
このままの状態でもあと一年くらいは、栽培を続けることも出来ますが、
そろそろ根詰まりを解消してあげる方が、株を更新して長生きさせることに繋がります。

ペパーミントの株分け
ペパーミントの株分け

早速、プランターの半分を株分けする為に掘り起こしました。
やり方は、丁度半分くらいの位置に移植ごて(小型のスコップ)を挿して、根を切るようにして土に挿していきます。
ある程度根を切ることが出来たら、次は土ごと分けた株を引き抜きます。

半分を残した状態の株は、プランターの中心に土ごと移動させて、左右の開いたスペースに新たに土を足してあげれば、新たに根がはりやすくなりますので、そのまま栽培を続けられます。

引き抜いたペパーミントの株
引き抜いたペパーミントの株

引き抜いたペパーミントの株は、根がびっしり張っていて、根詰まりを起こしていることが伺えます。
掘り起こした株は、植え替えた後に新しく根がはりやすいように根を軽くほぐします。
その際に、根についた泥は根をほぐした時に落ちた土以外は、あえて綺麗に落とす必要はありません。
根は非常に傷みやすいので、この間も作業は手早く行うようにします。

ペパーミントの株の植え替え
ペパーミントの株の植え替え

株分けしたペパーミントの株を、8号の素焼きの鉢に植え替えを行った写真になります。
今まではプラスチックのプランターで栽培を行っていましたが、
株分けした株は素焼きの6号の鉢で栽培することにしました。

このようにして株分けの作業は終了です。
ペパーミントの株分けは、それほど難しい作業ではありませんので、根詰まりを起こした際は、推奨の手入れになります。
株分けを行うことによって株数を増やすことができ、更に株の更新を行うことに繋がりますので、株が長生きできるようになります。

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ペパーミントの増やし方

ペパーミントの挿し木

ペパーミントは、挿し木で増やすことが出来ます。
ペパーミントの挿し木は、水挿しを使って挿し穂を栽培して、発根した状態の挿し穂を使うようにします。
水挿しでの挿し穂の栽培は、二週間程度行えば、それなりに根も伸びてくると思いますので、挿し木には最適と言えます。

ペパーミントの挿し木
ペパーミントの挿し木

写真は、水挿しで育てた挿し穂を、3号の小鉢に挿し木した写真になります。
根が十分に伸びた状態の挿し穂を挿し木することによって、挿し木の成功率が高まりますので、挿し木を行う際は、根が伸びた状態の挿し穂を使うようにします。

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ペパーミントティー

ペパーミントのハーブティー

ペパーミントは、摘みたてのフレッシュな葉でも、乾燥させたドライの葉でも、ハーブティーとして淹れて飲むことが出来ます。

さて、ハーブティーには耐熱ガラス製のティーポットとティーカップ&ソーサーを使います。
なぜ、耐熱ガラス製の物が良いかというと、ハーブティーは目で見て楽しむことも重要だからです。
乾燥させたペパーミントの葉を使ってティーにする場合は、ティーの色が薄い茶色になります。
逆に、摘みたてのフレッシュなペパーミントの生の葉を使ってティーにするときは、色は薄い緑色になります。

ミントティーの淹れ方としては、紅茶と同じくミントティも、お湯で蒸らす時間でティーの濃さが変わりますし、風味も大きく変わってきますので、適度な蒸らし加減が大切です。
特に、香りの強いミント系のハーブの場合、濃い目に入れてしまうと葉のえぐみが出てしまったり、メントール感がより強くなってしまうこともありますので、好みの淹れ加減が分かるまでは、初めの内は少し薄めに淹れてみることも有効な淹れ方であると言えます。

さて、ミントティーはひと口飲むたびに、すぅーっとしたメントールの風味を楽しめます。
それでもペパーミントの葉のみでは少し味気ないので、砂糖を少し加えてみると、甘みが増して少し飲みやすくなります。
あとはミルクを加えると、風味が丸く豊かになりますのでおすすめです。

またペパーミントの葉は、煮てミントシロップを作ることも出来ますので、ハーブティーの甘味の材料としてミントシロップを用意することも、ハーブティーのバリエーションが増えて楽しめます。

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ミントシロップの作り方

Mint Syrup Recipe

ミントシロップの作り方
ミントシロップの作り方
調理器具

保存容器:煮沸消毒をしたガラス容器とフタ
作りやすい分量
ミントの葉 1カップ(約20g)
水 1カップ(200ml)
グラニュー糖 1カップ(200g)
※上白糖(200g)でも代用できます。

【1】ミントは茎から葉を取り、流水で丁寧に洗って土などの汚れを取り除く。
【2】鍋に水を入れ、グラニュー糖、ミントの葉を入れ、中火で軽くかき混ぜながら沸騰させます。
【3】沸騰後、弱火にて5分ほど煮た後、火を消して粗熱を取ります。(20分程度冷まします)
【4】消毒済みのガラス容器に、目の細かいザルや茶こしなどを使って葉をこしたシロップを入れて、シロップが冷めたら消毒済みのフタをして冷蔵保存する。
※出来上がったシロップは冷蔵庫で保存し、生物ですので早めに消費しましょう。

ミントシロップを美味しく作るコツは、葉を煮すぎたり、蒸らす時間を長くとると、葉のえぐみが出やすくなります。
葉っぱ以外の茎は取り除くようにして、葉のみ使用します。
また、糖度50%以上を目安にすると、糖度が高くなり日持ちが良くなりますが、季節によって日持ちの日数も変化しますので、シロップは生物ですので早めに使い切るようにしましょう。

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