オレガノの育て方

オレガノの育て方 | ハーブの栽培方法

オレガノの栽培

オレガノは、シソ科に属するハーブの仲間になります

多年草なので、一度植え付けてしまえば、栽培の環境や方法によっては何年でも栽培が持続可能です。
また、オレガノは「ワイルドマジョラム」とも呼ばれています。

オレガノの特徴としては、葉からはこすったりしても香りがほぼしませんが、食用として口に含むと、ピリッとした風味が特徴的になり、スパイスの仲間として紹介されるケースも多いです。
しかし、スパイスの定義は一般的に木になる実や結実した種を使います。
対してオレガノは葉を利用する為、正確にはハーブ品種の部類に属するのが正しいです。

オレガノの葉は、イタリア料理で有名なピザに振りかけたり、焼いたステーキ肉に添えられたりして利用される事が多く、西洋では古くからお馴染みのハーブのひとつとして知られています。

 

目次

オレガノの苗の植え付け

プラスチックプランターにオレガノを植え付ける

オレガノの新苗は、春先からホームセンターやハーブ園芸店などで見かけるようになります。
新苗の植え付けに最適な時期は、やはり春が植え付けのシーズンになりますので、4月、5月、6月辺りまでには植え付けが終了している事が無難です。

オレガノの新苗の植え付け
オレガノの新苗の植え付け

写真はオレガノの新苗を初春に植え付けた画像です。
プラスチックのプランターに、赤玉小土を適量敷いて、野菜用の一般的な用土を入れて植え付けを行いました。
植え付けた後は、プランターの底から流れ出る程度の水を与えてあげれば作業は終わりです。
後は日当たりが良く風通しの良い場所に置いて栽培を続けていきます。
毎日の水やりは、オレガノは水分が不足すると萎れて項垂れやすい傾向がありますので、土が乾燥しきる前に毎日与えてあげる事が大切です。
オレガノの苗が順調に育てば翌年の夏までには草丈は60cm程にまで成長します。

また、オレガノは病害虫に強く、栽培はそれほど気を使う点もなく案外育て方は簡単な部類のハーブになります。
しかし、オレガノの葉は、真夏の強い陽射しには弱いので、炎天下での栽培は避けて、夏のシーズンは半日陰で栽培を行う事も有効な栽培方法になります。
また、日中の陽射しが強すぎると葉が陽射しからの抵抗力をつける為に固くなる性質がありますので、柔らかい葉を食用で利用したい場合は、夏季に限っては半日陰で栽培する事をおススメします。
その為、家庭菜園でのオレガノの栽培は、プランターなどの鉢植えでの栽培が何かと融通が利きます。

早速ですが植え付けから約一年後の春にはここまで成長しました。

オレガノの植え付けから一年後
オレガノの植え付けから一年後

オレガノの株も適度に成長して充実して来ました。
このまま順調に育っていけば、夏には草丈60cm程に大きくなります。
葉を収穫するには写真のように株がほどよく充実して健康的な葉が増えてきた段階で行う事が重要です。
その為、植え付けから一年ほどは、株の成長を促すために葉の収穫は我慢して控える方が無難です。
しかし、少量の葉の収穫に限っては、それほど株の成長を阻害する訳ではありませんので、料理に添える程度の葉の収穫量に収めるようにしましょう。

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オレガノの葉

オレガノは、葉を食用として利用します。

オレガノの葉の写真
オレガノの葉の写真

オレガノの葉は、少し丸みを帯びていて細かい産毛が沢山生えているのが特徴になります。
食用に適しているフレッシュな葉を利用する場合は、茎の先端付近の柔らかい若い葉を必要分収穫して利用するようにします。

フレッシュな葉をそのまま料理に添えて利用する事が多いですが、葉を包丁などで細かく刻むとより風味を楽しむ事も出来ます。
例えるならば、ネギを細かく刻むのと風味が増すのと要領は同じという事です。
また、オレガノの葉は、収穫した後、乾燥させてドライで利用する事も出来ます。
ドライで利用するケースとしては、ピザなどに振りかけて利用する事がポピュラーですね。

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オレガノの花

オレガノの花の写真
オレガノの花の写真

オレガノの花はピンク色の小さな花を密集するようにして沢山咲きます。
開花の時期は、6月の後半頃から咲き始めます。

開花しだす頃は、綺麗な桃色の小さな花が一斉に咲きますので見た目にも綺麗で観賞にも向いていますが、
葉を収穫する事がメインの栽培では、花を咲かせる事は好ましくは有りません。

オレガノに限らず、一般的な植物は開花に多くのエネルギーを費やします。
花を咲かせるという事は、株が蓄えているエネルギーを優先的に開花に廻すという事です。
その為、本来の株の成長を妨げてしまう傾向があります。
株の成長が鈍くなるという事は、当然、茎や葉の生育具合も悪くなってしまいます。
また、開花している茎に付いている葉の食感や風味も損なわれてしまう事も多いです。

そのような事もあり、葉の収穫をしつつ栽培を楽しみたいのであれば、開花はさせずに蕾が付いた段階で、蕾部分を茎ごと剪定して落としてしまう事が有効な手入れの方法になります。
また、花が咲いてしまったとしても、花の部分は早めに茎ごと強めに剪定して落とすようにします。

このように蕾や花を剪定して落としてしまえば、株は茎や葉の成長にエネルギーを廻すようになりますので、葉の収穫量のアップに繋がります。
蕾や花を剪定して切ってしまうのはかわいそうな気もしますが、葉の収穫を楽しみたいのであれば、必須の手入れになりますので、蕾や花の剪定はまめに行う事が肝心です。

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オレガノの葉の収穫

春から夏が、オレガノの葉の収穫時期です

オレガノの葉の収穫時期は、春から夏の終わり辺りまでがシーズンになります。
季節が秋になり気温が下がってくると、株の成長が緩やかになり葉の風味は段々と食用に向かなくなります。

オレガノの葉の収穫
オレガノの葉の収穫

葉の収穫は、数枚の必要分の葉を茎ごとカットして収穫する事が一般的ですが、
写真のように株元付近から長めに茎ごと収穫してしまう方法がお勧めです。
収穫する際は、剪定も兼ねて株の風通しを考慮しながら全体的に均等になるように収穫していきます。

収穫の際は、株の一部分をまとめてカットするのではなく、株全体を見渡して、株元の風通しが良くなるように茎をカットして収穫するようにして行けば、剪定も兼ねた収穫に繋がりますので、日頃の手入れの軽減になります。

株元の風通しを良くしてあげると、温度も湿度も適度に保たれ、株が病気になりにくくなったり、害虫の食害をある程度、防ぐ事にも繋がり、株が健康的に育ちやすくなりますので、剪定も兼ねた収穫方法は、大変有効な栽培方法になります。

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オレガノの葉を乾燥させて保存する

収穫したオレガノの葉をドライで保存する

収穫したオレガノの葉は、乾燥させてドライで保存する事も出来ます。
収穫したフレッシュな葉をすぐに利用しない場合はドライでキープするようにしましょう。

乾燥させたドライのオレガノの葉
乾燥させたドライのオレガノの葉

葉を乾燥させるには、写真のように茎の根元を複数本まとめて縛って逆さ吊りにし、屋内の風通しの良い場所で日光に当てないようにして乾燥させます。
湿気の多い環境は向きませんので、ご注意。

パリパリに乾燥した段階で、茎から葉を外して煮沸消毒したジャム瓶などに食品保存用の乾燥剤を敷いて、その上に葉を詰めて密閉保存します。
乾燥させた葉は、食用として利用する事が前提になりますので、衛生的にも煮沸消毒した瓶と食品保存用の乾燥剤は必須になります。
食品の保存用のビン詰めも、食品保存用の乾燥剤も最近では100円ショップでも販売されておりますので、興味のある方はお出かけ下さいまし。

乾燥しきった葉は、指でつまめば簡単に粉々になりますので、ピザなどに振りかけて利用する事も出来るようになります。

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オレガノに肥料を与える

固形肥料を追肥でオレガノの鉢植えに与える

オレガノの栽培では決まった時期に追肥を与える事が大切です。
追肥の時期は、4月、10月辺りがハーブの追肥には適した季節になります。

野菜用の用土などを用いてオレガノの苗の植え付けを行ったばかりの段階では追肥の必要はありません。
野菜用の用土には、あらかじめ肥料成分が含まれている物が多いので、約2カ月ほどは肥料成分が持続しますので、その後に追肥を行うようにしましょう。
例えば3月に苗の植え付けを行った場合は、初めての追肥は5月辺りが最適な時期になります。
そして肥料の効力が落ちてくる11月辺りまでにはもう一度、追肥を行うようにして冬越しに備えるようにします。

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オレガノに液体肥料を与える

液肥をオレガノに与える

オレガノの栽培では固形タイプの肥料とは別に、液体肥料を与えることも有効な栽培の方法になります。

固形肥料は効果に持続力がありますが、即効性はありません。
液体肥料は効果に持続力はありませんが、即効性があります。
そのように、効果の特性に違いがありますので、株の樹勢が弱まっていると感じられる時期には、液肥を与えるようにして、株に栄養を素早く届けるようにし、疲弊した株の体力を取り戻すようにします。

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オレガノの株の冬越し

オレガノは越冬します

オレガノは、多年草に属するハーブになりますので、真冬になっても枯れ果てる事は無く、冬を越えて栽培する事が出来ます。

冬越し中のオレガノ
冬越し中のオレガノ

写真は、冬越し中のオレガノの株の様子になります。
地上部は茎や葉が所々枯れていて、草丈も低い状態になります。
冬季では、オレガノの葉は少し赤みを帯びるようになり、これは越冬中であることの目安になります。

このように冬季では、草丈は高く成長する事は無く、用土表面付近に所々葉が茂る程度になります。
このような状態で株はエネルギーを蓄えつつ冬を越えていきます。

冬越し後のオレガノの株の様子
冬越し後のオレガノの株の様子

写真は、越冬後のオレガノの株の様子になります。
無事に冬を越えて気候が暖かくなるにつれて、葉は健康的な緑色を取り戻し、やがて草丈も段々と高くなるように再び成長を加速させていきます。
春本番前の3月には追肥を与えるようにして、これから始まる生育期への備えをするようにします。

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オレガノの挿し木のやり方

オレガノは挿し木で増やすことが出来ます

オレガノは、挿し木をして株を増やすことが出来ます。

オレガノの挿し木
オレガノの挿し木

さて、水挿しで栽培していたオレガノを挿し木しました。
挿し木を使用した鉢は素焼きの3号鉢になります。
この程度の大きさならば、3号鉢位が栽培にはちょうど良いサイズになりますので、挿し木にはお勧めの鉢になります。

後は日当たりが良く風通しの良い場所で栽培を継続します。
茎がひょろひょろっと伸びていて少し見栄えが悪いですが、根がしっかり定着するまではこのままの状態で栽培し、苗が落ち着いたら茎を少し剪定して詰めるようにします。
やがて苗が大きく成長し、3号鉢が窮屈に感じられてきたら再び一回り大きな鉢へ植え付けを行い、株を大きくしていきましょう。

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オレガノの株分け

オレガノは株分けをして株を増やすことが出来ます

栽培年数が経過したオレガノの株は、株分けをすることが出来るようになります。
株分けとは、初めは一株だった株が大きく育つことにより、複数の株に分ける事が出来る状態になり、株を分けることの出来る作業の方法になります。

大きく育ったオレガノのプランター
大きく育ったオレガノのプランター

横長タイプのプラスチックプランターでは写真のように株が横方向にも広がりますので、株分けがしやすくなります。
株も少し根詰まり気味にまで成長して大きくなっていますので、そろそろ株分けが出来る状態になります。

オレガノの株分け
オレガノの株分け

早速プランターから株を引き抜き、株を二つに分けました。
根が複雑に絡み合っている為、根を優しくほどくようにして株を分けるのは難しいので、スコップで根をちぎるように真っ二つに分けました。
ここまで株が充実していれば、根を多少は乱暴に扱ったとしてもそれほど株にはダメージが残りません。

それよりも、根がむき出しの状態の方が株には負担になりますので、株分けの作業は手早く行うようにします。

株分けしたオレガノを植え付ける
株分けしたオレガノを植え付ける

株分けしたオレガノの一株は素焼きの8号鉢へ植え付けました。
鉢には予め適量の赤玉土を入れて置き、後は普通の園芸用土を使って植え付けを行いました。
植え付けの際には、根に絡まった土は軽く落とす程度で十分ですので、無理に土を取らないようにします。
残りのもう一株は、もう一鉢用意して植え付けても良かったのですが、今回は葉をすべて収穫して栽培終了としました。

今回の株分けのように一株は植え付けて、もう一株は葉を収穫して栽培を終わらせる事も出来ます。
その結果、株を小さくして栽培を再び始める事が出来るメリットがありますので、株分けは株数を増やすことも出来るし、株を小さくすることも出来るという訳です。

または、プランターで育てている状態のまま、株を半分にするように用土の表面からスコップを挿し入れて、根を断ち切るようにして株を二つに分け、一株分のみをプランターから引き抜く方法もあります。
引き抜いた株は、上記同様に植え付けを行い、残った株はプランター中央にスライドして、左右に空いた隙間に園芸用土を足せば、元通りに再び栽培を継続する事も出来ます。

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オレガノの害虫駆除と病気の治療

アブラムシとうどんこ病の予防

オレガノは、害虫や病気に強いハーブ品種になりますが、それでも害虫被害や病気にかかることもあります。
病害虫対策は、風通しの良い環境で栽培をすることが有効です。

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オレガノの葉を料理で使う

トマトを使った料理に相性が良いオレガノ

収穫して乾燥させたオレガノの葉は料理で使うことが出来ます。
オレガノは、トマトソースを使った料理との相性が良いので、ピザに振りかけることはもちろん、ミートソースやチリコンカンなどの、トマトソースがベースの煮込み料理に使うことが多い印象です。

オレガノの葉を加えたミートソース
オレガノの葉を加えたミートソース

オレガノの栽培はどちらかというと、育てることが簡単な部類のハーブ品種になりますので、上手に育てればたくさんの葉を一度に収穫することが出来ます。

オレガノの葉を収穫して乾燥させて保存しておけば、料理に使いたい時にすぐ使うことが出来ますので、葉をたくさん収穫出来たら、乾燥保存することをオススメします。

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