レモンバームの育て方
レモンバームの品種紹介
レモンバームはシソ科に属する多年草のハーブになります。
生育力はとても旺盛で、栽培環境が合えば、こぼれ種でもどんどん株が増えるハーブ品種になります。
そして株が大きく育てば葉の収穫量も増えますので、毎年、安定して葉の収穫を楽しめるハーブの種類になります。
レモンバームの葉からは、爽やかなレモンに似た香りがします。
また、バスクリンなどの芳香とも似ていますので、葉の香りはハーブバスやハーブティーなどにとても人気があります。
レモンバームは、数あるハーブ品種の中でも生育旺盛で、非常に育てやすい品種になり、株が大きく育てば葉の収穫もたくさん行えますので、手軽にハーブの栽培を始めてみようと思う方にはぴったりのハーブになります。
目次
- レモンバームの植え付け
- レモンバームの葉
- レモンバームの花
- レモンバームの葉の収穫
- レモンバームの葉を乾燥させる
- レモンバームに固形肥料を与える
- レモンバームに液肥を与える
- レモンバームの冬越し
- レモンバームの根詰まりと植え替え
- レモンバームの増やし方
- レモンバームの害虫対策と病気治療
- レモンバームのハーブティー
レモンバームの植え付け
素焼きの鉢にレモンバームの苗を植え付ける
レモンバームは毎年春先から新苗が出回ります。

写真は、レモンバームの苗を8号の素焼きの鉢に植え付けた写真です。
今回は、浅鉢の素焼きの鉢植えが空いていましたので、取り敢えずその鉢を使って植え付けをしました。
本来は、浅鉢ではなく普通の深さの8号か6号あたりの素焼きの鉢が、苗の植え付けにはちょうど良いのですが、来年に植え替えをすることを前提にそのまま浅鉢に植え付けました。
まあ、苗の植え付けでは浅鉢でも特に問題は有りません。
植え付けには一般的な野菜用の用土を使いました。
また、鉢にはあらかじめ少量の赤玉土を入れておき、その上に野菜用の用土を入れることで、水はけを良くするようにしております。
植え付けが無事に終了したら、後は日当たりが良く風通しの良い場所で栽培を続けていきます。
レモンバームは生育旺盛なので、少しくらいの半日陰でしたら生育には問題は有りませんが、やはり日当たりの良い場所の方が、成長は速まり葉の茂る量にも違いが出ます。
葉の収穫を目的として栽培をする場合は、すこしでも栽培環境を整えてあげることが大切です。
レモンバームの葉
レモンバームの葉の特徴
レモンバームの葉の写真です。

レモンバームの葉は、葉脈がはっきりしているのが特徴になります。
そして葉は、指で少しこするだけでもレモンを思わせる爽やかな香りがします。
このようにレモンバームの葉は、芳香性に優れますので、
ハーブティーや料理などに用いられることが多いです。
また、ハーバルバスとして利用されることでも知られています。
レモンバームのハーバルバスは、まさにバスクリンの香りと同じような香りがしますので、リラックス効果も得られお勧めです。
レモンバームの花
レモンバームの花の開花時期とこぼれ種
レモンバームは、写真の様な白い小さな花をたくさん咲かせます。

花の開花の時期は、梅雨明けから初夏にかけてが開花のシーズンになります。
花が咲いた後に結実して種ができると、種の収穫も行えます。
種は、そのまま放置するとこぼれ種として辺りに蒔かれてしまいますので、
気が付くとレモンバームがどんどん発芽して、知らないうちに子株が大量に増えていた、ということも珍しくは有りませんので、こぼれ種には注意が必要なケースもあります。
地植えでのレモンバームの栽培では、こぼれ種によってレモンバームがどんどん繁殖して広がってしまうこともありますので、花芽が出来たら早めに花芽を摘んで結実させない方法も有効です。
鉢植えでの栽培においても、花芽は早めに摘むようにして、結実のために株がエネルギーを消費しないようにすることも大切です。
花芽を摘んだり花を切り落とすことによって、種が出来ることを防ぐことも出来ますし、株が開花と結実のためのエネルギーを消費することが無くなりますので、株は茎を伸ばしたり葉を茂らせることにエネルギーを廻すようになります。
レモンバームの葉の収穫
レモンバームの葉の収穫方法
レモンバームの葉の収穫は、葉を一枚一枚摘むようにちぎって収穫するようなことはあまりしません。
葉の収穫は、茎ごと一気に葉を収穫する方法が一般的です。
樹形の剪定を兼ねて、茎を株元より複数本、刈り取るようにすれば、
株元の蒸れ防止にも繋がると同時に葉の収穫も行えるという訳です。
または、草丈を整えるように樹形をバッサリ半分ほどの高さでカットする方法も有効です。
カットした茎には若い新鮮な葉も多く付いていますので、そのまま葉の収穫に繋がります。
そして草丈を揃えることで、株元にも陽射しが届くようになりますので、株がリフレッシュされます。
茎ごと収穫した葉は、ホース等を使って茎や葉に付着した泥などの汚れを優しい水流で洗い流すようにします。
そして葉を乾燥させる場合は、泥を流水で洗い流したら、新聞紙の上に広げて余分な水分を飛ばし、ある程度水分を飛ばしたら、室内の風通しが良い場所で逆さ吊りにして乾燥させるようにします。
レモンバームの葉を乾燥させる
収穫したレモンバームの葉をドライで保存する
レモンバームの葉は、乾燥させて保存することが出来ます。
葉の乾燥方法は、収穫した茎を複数本まとめて縛り、逆さ吊りにして日の当たらない風通しの良い軒下や室内で乾燥させるようにします。
葉が十分に乾燥したら、茎から丁寧に葉を取り除いて葉のみを保存します。
乾燥した葉は、煮沸消毒をしたジャム瓶などに食品用の乾燥材と共に保管するようにします。
乾燥した葉は、フレッシュな葉の収穫が行えない冬季においても、ハーブティーなどに利用することが出来ますので、季節を問わず葉の香りを好きな時に楽しめます。
レモンバームに固形肥料を与える
レモンバームの追肥
レモンバームの株には毎年決まった時期に肥料を与えることが大切です。

写真は、固形肥料を追肥として与えている様子です。
土を少し掘って適量の固形肥料を撒き、その上に軽く土を被せる施肥の方法もありますが、
ただ土の表面にばら蒔くだけで追肥が行える物も有りますので、固形肥料はお好みの製品をお選びください。
レモンバームの株に追肥を与える時期は、3月、6月、9月、あたりが最適な時期になります。

写真の固形肥料は、住友化学園芸の「マイガーデンベジフル」という固形肥料になります。
肥料の有効成分は約3カ月から4カ月、効果が持続します。
追肥を与える時期は、3月、6月、9月辺りが施肥には最適な時期になりますので、年に三回、追肥を施すようにします。
また、追肥の量は製品の取扱い欄を参考にして、与える分量を計算するようにしましょう。
肥料の与え過ぎは逆に成長を阻害し、肥料焼けや根腐れなどの原因にもなりますので注意が必要です。
レモンバームに液肥を与える
液体肥料をハーブに与える
レモンバームの栽培では、固形肥料とは別に液体肥料を補助として与えることが有効です。

ベジフル液肥は、住友化学園芸の液体肥料になります。
ハーブの栽培はもちろん果樹や野菜などの栽培に適した液体肥料になります。
液体肥料の特徴は、速効性に優れますので栄養分を早く株に届けることが出来ます。
夏バテ時や長雨の後で株の樹勢が弱まっている頃には液肥を与えることが効果的です。
しかし液体肥料には固形肥料の様な持続性はありませんので、液肥はあくまで固形肥料の補助として扱うようにします。
レモンバームの冬越し
レモンバームの品種紹介
レモンバームは多年草に属するハーブ品種になりますので、
冬を越えて栽培を継続することが出来ます。

写真は、冬季のレモンバームの株になります。
地上部分の茎や葉はほぼ枯れている状態になります。
このような状態でも根はしっかり地中で生きていますので、株が枯れてしまったと勘違いして、栽培を終わらせてしまわないように気をつけましょう。
このような状態でも土の中では白い健康的な根がはっていて、
春の訪れを待っている休眠状態になります。
休眠状態の株は、茎を伸ばしたり葉を茂らせたりはせずに、
エネルギーを蓄えている状態になります。
冬季中の水やりの頻度は、土の表面が乾いてきたら鉢底から少し水が流れ出て来る程度の分量で十分です。
毎日、定期的に水を与える必要は無く、あくまで土の表面が乾ききる前に水を与えるようにします。

写真は、無事に越冬したレモンバームの株の様子です。
時期は4月初旬になります。
このように、冬季では地上部分がすっかり枯れてしまったとしても、
気候が暖かくなるにつれて再び茎がすくすくと伸びて葉がたくさん茂りだしますので、冬季の栽培では気長に春の訪れを待ちましょう。
レモンバームの根詰まりと植え替え
根詰まりしたレモンバームの鉢

写真は、苗の植え付けから約一年半、経過した状態の株になります。
8号の浅鉢に植え付けておりますので、恐らく鉢の中は根がびっしりと張っている状態だと推測されます。
根詰まりの状態を放置すると、段々と株の生育が阻害され、
酷くなると茎や葉が枯れだして株に深刻なダメージを与えてしまうこともあります。
季節は秋になり、植え替えにはちょうど良い時期になります。
このまま根詰まりの状態で栽培を継続することは好ましいとは言えませんので、
植え替えを行って株をリフレッシュさせようと思います。

早速鉢から株を引き抜きました。
やはり根が鉢の形に添うようにびっしり張っています。
このように固まってしまった土と根の状態を根鉢と呼びます。
このままの状態では新たに根が伸びることが阻害され、
株が健康的に育つことが出来なくなる可能性があります。

根鉢は軽くほぐすことで、植え替え後に根が新たに張りやすくなりますので、
軽くほぐすようにします。
また、この状態では根がむき出しになっていますので、株はダメージを受けます。
株を疲弊させないためにも植え替えの作業は手早く行うことが大切です。
植え替えを手早く行えば、株のダメージも軽減されますので、
植え替えで利用する赤玉土や用土などは、あらかじめ手元に用意しておくようにします。

さて、レモンバームの株を8号の素焼きの鉢に植え替えを行った直後の写真になります。
植え替え後は少し剪定を施して、ばらけている樹形を綺麗に整えてあげるようにします。
そして十分に水を与えて作業は終了です。
このように植え替えを行って株を更新すれば、株はリフレッシュして更に長生き出来ます。
鉢植えでの栽培ではどうしても根詰まりの対応が必須になりますので、
定期的に植え替えを行って、株を更新するようにしていきましょう。
レモンバームの増やし方
レモンバームの挿し穂と挿し木
レモンバームは挿し木で増やすことが出来ます。

写真は、一輪挿しを使ってレモンバームの挿し穂を育てている状態になります。
やり方としては、レモンバームの茎の先端を葉ごとカットして水挿しに挿します。
約1週間ほど経過すると、カットした茎の付近の節目から根が出てきます。
そしてそのまま水挿しで栽培を継続すれば、発根した根が更に伸びてきますので、
ある程度根が伸びた状態の挿し穂を挿し木で利用するようにします。

写真は実際に発根させたレモンバームの挿し穂を、3号の素焼きの鉢に挿し木した状態になります。
このようにして十分に発根した挿し穂を使って挿し木を行えば、
挿し木の成功率が飛躍的に高まりますので、土に挿し木をする際は、
ある程度発根させた状態の挿し穂を利用するようにしましょう。
レモンバームの害虫対策と病気治療
アブラムシの駆除とうどん粉病の治療
レモンバームは生育旺盛なハーブ品種になりますので、害虫や病気に強いハーブになりますが、アブラムシの被害やうどん粉病などの病気が発生してしまうこともあります。

住友化学園芸のベニカマイルドスプレーは、オーガニック栽培で使用可能な食品成分から生まれた殺虫殺菌剤ですので、レモンバームのハーブ栽培においても安心して使えます。
またアブラムシ対策の他に、うどんこ病の病気の治療にも効果を発揮しますので、葉を食用として利用するレモンバームなどのハーブ栽培の害虫対策と病気治療として、オススメの殺虫殺菌スプレー剤になります。
レモンバームのハーブティー
葉を収穫してハーブティーを楽しもう
収穫したレモンバームの葉は、ハーブティーにして楽しむことが出来ます。
レモンバームのハーブティーは、レモンの様なさわやかな風味が特長になります。
葉は、摘みたてのフレッシュな生の葉をハーブティーとして使うことも出来ますが、乾燥させたドライな葉でもティーとして楽しむことが出来ます。
収穫シーズンでは摘みたてのフレッシュな生の葉を使い、
冬季などでは葉の収穫は行いませんので、乾燥保存したドライな葉を使うなど、
季節に応じてハーブティーを楽しむことが出来ます。
レモンバームは、レモングラスやレモンバーベナと同様に、
レモンのような爽やかな風味を楽しめるハーブ品種になり、
ハーブティーでは人気のある葉の種類のひとつです。