ラベンダーミントの栽培方法
ラベンダーミントの紹介
ラベンダーミントは、多年生植物(多年草)に属するハーブの仲間になります。
ラベンダーミントは冬を越えて栽培を継続できるハーブ品種になりますので、株の更新を適切に行えば、長い期間、栽培を楽しむことができます。
ラベンダーミントの学名は、「Mentha Piperita ‘Lavender’」、ペパーミントの園芸品種とされているようです。
品種名の通り、清涼感のあるミントの香りと共に、ラベンダーを思わせるような芳香があるように思えます。
その為、ポプリやサシェなどに葉を使うことが多い印象です。
このページでは、ラベンダーミントの栽培方法を豊富な写真と共に、項目ごとに掲載しておりますので、ラベンダーミントの育て方の一助としてご覧ください。
目次
- ラベンダーミントの植え付け
- ラベンダーミントの葉
- ラベンダーミントの葉の収穫
- ラベンダーミントの花
- ラベンダーミントの葉を乾燥させる
- ラベンダーミントの剪定
- ラベンダーミントの冬越し
- ラベンダーミントの固形肥料
- ラベンダーミントに液肥を与える
- ラベンダーミントの株分け
- ラベンダーミントの増やし方
- ラベンダーミントの害虫対策と病気治療
ラベンダーミントの植え付け
素焼きの鉢にラベンダーミントの苗を植え付ける
ハーブ園にてラベンダーミントの苗を購入しました。
早速、素焼きの8号鉢に植え付けを行いました。
時期は4月の後半で、まさにハーブの苗が出回り始める頃です。
鉢には適量の赤玉土を入れておき、その上に野菜などの園芸で一般的に利用される用土を入れて苗を植え付けます。
赤玉土は水はけを良くする効果があり、根腐れが起きにくくなりますので、鉢底には入れておいた方が良いと言えますが、必ず入れなければならない用土ではありませんので、お好みでお選びください。
さて、苗の植え付け後はたっぷり水を与え、日当たりの良い風通しの良い場所に鉢を置いて、育てていきます。
ラベンダーミントは他のミント品種の中でも生育旺盛な部類に入ります。
そのため、株が充実して来ると葉をたくさん収穫できるようになりますが、
まずは株を大きくすることを優先させるため、植え付け後より1年程度は葉をたくさん収穫することは控えて、樹形の管理程度の茎の剪定に留めるようにします。
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ラベンダーミントの葉
ラベンダーミントの葉の写真
ラベンダーミントの葉を撮影した画像です。
ラベンダーミントの葉は、透き通るようなミントの香りの中に、ラベンダーに似た香りを楽しむことができます。
ラベンダーは花から香りを楽しみますが、ラベンダーミントは葉から香りを楽しみます。
ラベンダーミントと呼ばれていても、植物学上はラベンダーの仲間ではなくミントの仲間になりますので、香りは葉から楽しむことになります。
葉は、春から秋口までが良く茂りますが、気温が下がるにつれ、芳香性はだんだんと薄れ、葉厚が増して葉は固くなり、葉は越冬状態に入りますので、葉の香りを楽しめる時期は冬季以外になります。
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ラベンダーミントの葉の収穫
ミントの葉の収穫方法
ラベンダーミントの栽培の楽しみは、やはり葉の収穫になります。
写真のように、葉の収穫は茎を刈り取って、茎ごと葉を収穫するようにします。
その際、樹形を整えるようにして、株全体から均等に茎を選んで刈り取るようにすれば、樹形を整える為の剪定の作業も同時にこなせますので、葉の収穫は剪定がてら行うようにすることが効率的です。
茎を切る位置は、草丈を揃えるように収穫する場合は、茎の全長の半分程度を目安に茎をカットして収穫します。
また、株元の風通しを良くするには、株元の混みあった茎を、根元より複数本、均等間隔に選んで間引くようにカットして、収穫も同時に行います。
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ラベンダーミントの花
花の開花の時期
ラベンダーミントの花は、春から夏の終わりにかけて咲きます。
花の開花時期はばらつきがあり、特に決まってはいませんが、大体7月から8月が開花のピークになります。
咲き方は、茎の先端から花が段を帯びるようにして咲きます。
花の色は薄いピンク色から紫がかったような色合いになります。
ミントの栽培では花は結実させないようにしますので、花は早々にカットして落とすようにします。
花は咲く前に、花芽が付いた段階でカットすることがより望ましいです。
そうすることにより、株は開花の為に蓄えたエネルギーを廻さなくなりますので、株の成長をより促すことに繋がります。
また、ミントは隣り合う違うミント品種と簡単に交雑してしまい、新たに違った品種を生みやすい性質がありますので、
ラベンダーミントの品種を維持した栽培を継続させる為には、花の結実を防ぎ、種をばら蒔かせないためにも花は早々に切り落とすか、花芽が付いた段階で茎を強めに剪定するようにして種を作らせないようにします。
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ラベンダーミントの葉を乾燥させる
ラベンダーミントの葉はドライで保管する
ミントの楽しみ方のひとつとして、葉を乾燥させる方法があります。
収穫したラベンダーミントは、茎を数本まとめて縛り、室内の風通しが良く、直射日光の当たらない場所で乾燥させるようにします。
乾燥には洗濯ハンガーなどを使って茎を挟み、逆さ吊りにして乾燥させるようにします。
乾燥の目安は、葉を触ってみてパリパリに乾いていれば十分に乾燥している状態となります。
梅雨時は、常に湿度が高く、葉の乾燥には向かない時期になりますので、極力、雨の少ない時期を見計らって乾燥させるようにします。
乾燥させた葉は、茎から丁寧に外して葉のみを保存します。
葉は、煮沸消毒をしたジャム瓶などを利用して、食品保存用の乾燥剤と共に保存するようにすれば、葉を使いたいときに簡単に必要分を取り出して使うことが出来ますので、冬季でも乾燥させた葉を使ってポプリやサシェなどを楽しむことが出来ます。
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ラベンダーミントの剪定
茎を刈り取ってラベンダーミントの樹形を整える
ラベンダーミントは、株が充実して来ると、茎はどんどん高く成長していきます。
写真は、夏の最盛期の株になります。
十分な太陽光を浴びて、草丈がピークと言ってよい程の高さに成長しています。
このままの状態では、茎の先端ばかりに葉が茂るようになってしまったり、株元より若い新芽が伸びにくくなってしまったりと、いろいろと成長が阻害されるようになります。
さっそく剪定を施して株をすっきりさせました。
剪定は、草丈を揃えるようにして茎を切ります。
また、株元が蒸れることを防ぐ為に、株元から数本茎をカットして風通しが良くなるようにしています。
このようにして剪定は、樹形を整えるように行います。
茎を伸ばし放題にしたり、株元が茎で混みあってしまう状態のまま栽培を継続することは、あまり好ましいとは言えません。
特に剪定を行わないまま冬季に入ってしまうと、翌年の春から再び活発になる成長にまで影響を及ぼしますので、秋には必ず一度は樹形を整えるような剪定をすることが、株の成長には好ましいと言えます。
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ラベンダーミントの冬越し
ラベンダーミントの越冬
ラベンダーミントは、多年草に属するハーブになりますので、冬を越すことが出来ます。
写真は、まさに越冬中のラベンダーミントの鉢になります。
冬季では、高かった草丈も短くなり、生い茂っていた葉も数枚が付く程度になります。
また、株が小さい場合は地上部の茎や葉はほとんどが枯れてしまうこともあります。
その様な状態でも地中では白い根が健在で、じっと休眠して春の訪れを待っている状態になりますので、枯れたと思って栽培を終わらせてしまわないように注意しましょう。
冬季の水やりは、毎日行う必要はありません。
水やりの目安は、土の表面が乾ききる前に行うようにします。
その際の与える水の分量は、鉢底から少し流れ出て来る程度の水の量で充分です。
冬季では、毎日たっぷり水を与える必要はありませんので、土の表面の乾燥具合を見極めつつ適量を与えるようにします。
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ラベンダーミントの固形肥料
ミントの鉢植えに追肥を与える
ラベンダーミントの栽培では、適した時期に追肥を与えるようにします。
肥料を与える時期は、3月と6月と9月の年3回が適した時期になります。
追肥で与える肥料は、緩効性の固形肥料を与えています。
写真ように、鉢の空いている部分を少し掘って、そこへ適量、肥料を撒き、
あとは軽く土を被せて施肥は完了です。
また、固形肥料の種類によっては、株元に肥料を必要分ばら蒔くだけで追肥を行えるタイプの肥料もありますので、取り扱いを参考に、追肥を行います。
肥料は、取扱い欄に掲載されている分量を参考に、適量を与えるようにしましょう。
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ラベンダーミントに液肥を与える
ミントの鉢に液体肥料を与える
ラベンダーミントの栽培では、固形肥料の他に液体肥料を補助的に与えることも有効な栽培方法のひとつになります。
住友化学園芸のベジフル液肥は、野菜や果樹、ハーブなどの栽培で使われている液体肥料になります。
固形肥料は効果に持続力がありますが、即効性はありません。
対して液体肥料は効果に持続力は有りませんが、即効性に優れますので短期間で株に栄養を届けることが出来ます。
液体肥料は、梅雨時や夏バテ時の様に株が疲弊して体力が奪われている時に与えることが効果的です。
固形肥料は、あくまでメインの肥料としてシーズンを通して与えるようにし、
液体肥料は長雨の後や猛暑の後など株が疲弊して樹勢が弱まっていると思われる時期に与えるようにして、固形肥料と液体肥料を使い分けながら栽培を継続させます。
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ラベンダーミントの株分け
ミントの根詰まりを解消させて、株の更新をする
ラベンダーミントの栽培も、年月が経過してくると、必ず根詰まりは発生します。
写真は、まさに根詰まりを起こしている状態のラベンダーミントの鉢になります。
根詰まりを起こしてくると、株の成長が阻害され、新芽が伸びにくくなったり葉の茂る量が減って来たります。
早速、鉢から株を引き抜いてみました。
鉢の形の添うように根がびっしりと張っていることが伺えます。
このような株の状態を根鉢と呼びます。
このままでは、新しい根が伸びることが出来なくなりますので、結果として株の生育が大きく阻害され、最悪なケースとして株が枯れだしてしまうこともあります。
写真は、移植ごて(小さなシャベル)を使って引き抜いた株を二つに割り、根を軽くほぐした状態になります。
固く張り巡った根を二つに分けるには、移植ごてを使って根を断ち切るようにして株を二つに分けます。
また、根をほぐす際はあくまで優しく扱うようにして、根に付いた土を無理に取り除く必要は無く、根にダメージをなるべく与えないようにすることが大切です。
株分けの作業中は、根がむき出しの状態になりますので、根に負担をかけないよう、作業は手早く行いましょう。
株分けをした株は、新たに用意した鉢に植え付けを行います。
残ったもうひとつの株は、もとの鉢に植え直すようにします。
または、一株分のみ植え付けを行い、残った株は葉を全て収穫して栽培を終了させる場合も有ります。
新たに用意した8号の素焼きの鉢に、株分けで分けた株を植え付けました。
このようにして根詰まりを解消させるとともに、株分けをして株数を増やすことにも繋がります。
根詰まりによる植え替えは、株をリフレッシュさせることにより、株の更新へと繋がりますので、栽培を更に長い期間、継続させることが出来るようになります。
根詰まりの際は、株分けを行い株を更新させることが推奨されます。
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ラベンダーミントの増やし方
ラベンダーミントの挿し木
ラベンダーミントは、株分けの他に、挿し木でも子株を増やすことが出来ます。茎をカットしたラベンダーミントの挿し穂を、水挿しで栽培して十分に発根するまで栽培した後、挿し木を行っています。
ある程度根が伸びた挿し穂を使って挿し木したラベンダーミントの写真です。
発根した挿し穂を使って挿し木をすることにより、挿し木の成功率が高まりますので、カットした茎をいきなり土に挿して挿し木をするよりは、発根するまで水挿しなどを使って、茎の根元付近から発根させてから、挿し木を行うようにすること効率的です。
ラベンダーミントの挿し木には、3号の素焼きの鉢を用意しました。
ミントの挿し木には3号程度の素焼きの鉢が丁度良い大きさになりますので、挿し木はいきなり大きめの鉢に挿すのではなく、3号程度の鉢に挿すようにします。
挿し木が根付いて段々と大きく成長をしてきた段階で、再び一回り大きな鉢に植え替えるか、プランターなどに植え替えるかをして、増やしたミントの株の栽培を継続させていきます。
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ラベンダーミントの害虫対策と病気治療
アブラムシとうどんこ病の予防
ラベンダーミントは、生育旺盛で害虫や病気に強いミント品種として知られています。
それでも日当たりが悪かったり、風通しが悪かったりするような栽培環境では、害虫の被害に遭ったり葉に病気が発生してしまうことがあります。
アブラムシやハダニは、日当たりが悪い場所や、湿度が高く風通しの良くない場所で発生することが多いので、害虫や病気の被害に遭う前に栽培環境を整えることが重要です。
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