コモンセージの品種紹介
コモンセージは、シソ科 アキギリ属 に属する常緑低木のハーブになります。
また、多年草になりますので、冬を越えて栽培を継続することが出来ます。
常緑低木とは、葉は季節ごとに落葉することなく常に緑色をしている植物になり、樹高は見上げるほどに高くは育ちませんが、最盛期の草丈は50cmを越えることもあるようです。
コモンセージの葉の香りは、肉の臭みを消すのに有効とされ、尚且つ料理の香り付けとしても大変重宝されています。
肉料理では、ローズマリーと同じように頻繁に利用されるハーブの代表的な存在です。
目次
- コモンセージの植え付け
- コモンセージの植え替え
- 長雨を避けて鉢植えを管理する
- コモンセージの葉
- コモンセージの葉の収穫
- コモンセージの葉の乾燥
- コモンセージの花
- コモンセージの肥料
- コモンセージに液肥を与える
- コモンセージの剪定
- コモンセージの冬越し
- コモンセージの増やし方
- コモンセージの株の植え替え
- コモンセージの害虫対策と病気治療
コモンセージの植え付け
コモンセージの新苗をプランターに植え付ける
コモンセージの新苗は、毎年春先から出回ります。
写真は、丸型のプランターにコモンセージの新苗を植え付けたものです。
植え付けの時期は春ではなく8月ですが、春に必ず植え付けなければならない訳ではありません。
あくまでハーブの苗は、春に植え付けることが好ましいだけであって、夏だろうが秋だろうが、植え付けは冬以外に行えば問題は有りません。
ただし、春に植え付けを行えば、育苗ポットから早く取り出すことが出来ますし、新たに新しい用土に植え付けを行うことによって、生育スピードは断然速くなります。
夏に苗の植え付けを行うリスクは、暑い時期に植え付けを行うことによって株は疲弊しがちになります。
また、秋に植え付けを行うリスクは、冬の到来が近い為、株が冬までにしっかり根を張れないことです。
それでも、コモンセージは、比較的生育が早く、育ちが良いハーブになりますので、それほど問題がある訳ではありませんが、植え付けはなるべく春に済ませておくことが賢明です。
目次へ戻る
コモンセージの植え替え
写真は、6号鉢で栽培しているコモンセージの鉢植えになります。
栽培年数は、植え付けから3年程度、経過しているコモンセージの鉢植えになります。
先日、手入れの作業中にうっかり鉢を倒してしまい、素焼きの鉢にひびが入りまして、ついに大きく鉢が割れてしまいました。
素焼きの鉢は、取り扱い上、割れやすいのがデメリットではありますが、
それでも通気性に優れますので素焼きの鉢は、やはり植物の栽培には適しています。
写真は割れてしまった鉢から引き抜いたコモンセージの根鉢になります。
栽培していたコモンセージの株ですが、写真でもわかるように、
鉢の中心から外側に大きく主幹がずれてしまっていて、樹形のバランスがもともと悪かったので、良い機会だと思って新たに植え替えることとしました。
早速6号の素焼きの鉢に植え直しました。
植え付け前に、根鉢は軽くほぐしておいて、新しい園芸用土を足して植え付けました。
植え付けの際には、幹がしっかり鉢の中心にくるように株の位置を調節して、植え付け完了です。
せっかく花が開花していたのに、植え付けていた鉢が割れてしまうと言うタイミングの悪さでしたが、株の更新も兼ねて、同じサイズの鉢に植え直しました。
同じサイズの鉢に植え直す際は、古い根と細い根はむしり取って、新しい根が張りやすくなるように根を軽くほぐすようにします。
コモンセージの鉢植えでの栽培では、定期的に根詰まりを解消させる必要が有りますので、株の更新も兼ねつつ植え替え作業を行うようにしましょう。
目次へ戻る
長雨を避けて鉢植えを管理する
セージは高い湿度が苦手なハーブ
セージは地中海原産のハーブ品種になりますので、日本特有のジメジメとした湿度の高い季節が苦手な植物になります。
そのため、鉢に植えてセージを栽培をしている場合は、梅雨の時期や雨が長く続くような日には、鉢植えごと軒下などの雨が直接当たらない場所へ、一時的に鉢を移動して避難してあげることが有効です。
長い間、セージの鉢植えを雨に当ててしまうと、だんだんと株が弱ってきて葉が部分的に枯れ出してしまうこともあります。
酷くなると、株自体が枯れてしまうこともありますので、梅雨の時期や長雨の日には、鉢植えを置く場所を管理しながら、株の健康状態を維持するようにしましょう。
目次へ戻る
コモンセージの葉
コモンセージの葉の特徴
コモンセージの葉は、表面がブツブツしていてザラザラした感触の少し肉厚のある葉が特徴です。
葉は、独特な芳香があります。
セージの葉には抗酸化作用があり、古来より薬用としても利用されてきました。
目次へ戻る
コモンセージの葉の収穫
葉の収穫方法
コモンセージの葉は、葉を必要な数だけちぎって収穫することも出来ますが、樹形を整えるように剪定を兼ねて、葉を茎ごと収穫するようにします。
写真のように、株の剪定がてら、樹形を整えるようにして株元より複数本の茎を刈り取る収穫方法が効率的です。
セージの葉の収穫は、株元が混み合わないように株元より茎を刈り取ることで、
株元に新鮮な空気が流れやすくなりますので、株の蒸れ防止にも繋がります。
収穫と剪定を同時に行い、樹形を管理しながら収穫する方法が持続的であり効率的です。
目次へ戻る
コモンセージの葉の乾燥
収穫したコモンセージの葉を乾燥させる
収穫したコモンセージの葉は、乾燥させて保存することが出来ます。
収穫後に流水で葉に付いた汚れを綺麗に流し、よく水気を切った後、乾燥させます。
葉を乾燥させるには、数本の茎ごとに縛って逆さまに吊るし、屋内、または軒下などの日陰で風通しの良い場所で乾燥させるようにします。
乾燥したセージの葉は、茎から葉を摘み取って、葉のみ保存するようにします。
ドライで保存することによって、長期保存が可能になります。
煮沸消毒したジャム用の瓶詰を用意して、食品保存用の乾燥剤を入れて保存すれば、湿気を防ぐことが出来ますのでお勧めです。
目次へ戻る
コモンセージの花
コモンセージの花の特徴
コモンセージの花は、茎の先端部分に小さな薄いピンク色の花を咲かせます。
コモンセージの花の開花の時期は、だいたい5月頃になります。
花を咲かせるのも、綺麗で見た目にも華やかで、観賞にも十分に魅力があります。
しかし、葉の収穫を本来の目的とする場合は、花は咲かせないようにします。
一般的なハーブ品種は、花芽を付けると、開花、結実の為に株がエネルギーを大量に消費してしまう為、茎や葉の成長は後回しにされてしまいます。
花が咲き終わった後、花の付いたその茎ごと一本ずつ枯れてしまうハーブ品種もあります。
また、花が咲ききった茎に生える葉は、花の付いていない茎の葉よりも、風味も食感も悪くなる性質があります。
葉の収穫量を安定させて増やしたい場合は、花芽が付き始めた段階で、早々に花芽を切り落としてしまった方が無難です。
花芽は気候が暖かくなるにつれて咲き出しますので、その都度、剪定して花を落とすようにします。
また花が咲いてしまった場合は早々に花を切り落とすようにして、株の手入れを行います。
花を切り落とした株は、エネルギーを株の成長に向けますので、茎や葉が更に生い茂るという好循環に向けさせることが出来ます。
花を落とした方が、良質な葉の収穫量が増える、ということは上記のような栽培方法が実践されている為です。
目次へ戻る
コモンセージの肥料
コモンセージの鉢植えに固形肥料を追肥で与える
コモンセージの栽培では、毎年、決まった時期に追肥を与えることが大切です。
コモンセージに限らずハーブ品種は、雑草のように繁殖力が強いので、追肥はそれほど必要は無いなんて話をたまに聞きますが、追肥を行うか行わないかで、株の成長も葉の収穫量も断然、違いが出ます。
コモンセージにも肥料を与えてあげることは大事です。
新苗の植え込み時に、園芸用の用土を利用した場合、園芸用の用土には元々肥料成分が含まれていますので、新苗の植え込みから2カ月ほど経過したのち、肥料を与えるようにします。
追肥を与える時期の理想としては、3月と6月と9月辺りが追肥を与える時期としては最適です。
3月の初旬は、ハーブがその時期からますます成長のスピードを加速させる時期ですので、3月の初旬に追肥を行えば、気候が暖かくなるにつれて株が更に大きくなります。
6月は、暑い時期を乗り越える体力を付けさせるために、夏のシーズン前に栄養分を与えておくようにします。
また、6か月後の9月頃には追肥の肥料成分が切れてきますので、冬越し前に、9月の時点で追肥を行って、春から夏までの成長期で疲弊した株の体力を回復させるようにします。
9月に行う追肥の量は、収穫の為ではなく株の体力の回復が前提ですので、3月に与える量より気持ち少な目に与えるようにします。
肥料は与えれば与えるほど良いと言う訳ではなく、追肥を与える分量は、肥料取扱い欄を参考に、分量をチェックした後、与えるようにして下さい。
肥料の与え過ぎは、根腐れなどの原因にもなりますのでご注意。
目次へ戻る
コモンセージに液肥を与える
液体肥料をセージの鉢植えに与える
コモンセージの栽培では、固形肥料の他に補助的に液体肥料も与えることが有効です。
住友化学園芸のベジフル液肥は、野菜やハーブなどの追肥として適した液体肥料になります。
液体肥料は、固形肥料の補助として、与えるようにします。
液肥を与える時期は、梅雨時や夏バテ時など、株が疲弊して樹勢が弱まっている頃に与えることが効果的です。
液肥は、固形肥料の様な持続力はありませんが、速効性に優れていますので短期間で早く肥料成分を株に届けることが出来ますので、株の体力が落ちているなと感じられるときは、液体肥料を与えて株の体力を回復する手助けをするようにします。
目次へ戻る
コモンセージの剪定
枝を剪定してコモンセージの樹形を整える
コモンセージは株が大きく成長して来ると、樹形が大きく育ちます。
写真は、枝が不規則に伸び放題になったコモンセージの鉢植えになります。
苗の植え付けからおよそ一年半が経過しました。
そろそろ樹形を整えて、株全体に均等に日が当たりやすいように剪定を行う手入れが必要になります。
早速、葉の収穫を兼ねて樹形を整えてみようと思います。
写真は、樹形を整えるようにして剪定を施したコモンセージの鉢植えになります。
乱れて伸びていた枝を落とし、株元にも日が当たるようにしました。
また、株元の風通しを良くするように、株元の枝も数本刈り取りました。
このような具合に、コモンセージの樹形が乱れてきたら、剪定をして余分な枝を落とすようにしながら手入れをしていきます。
剪定を行う時期は、特に決まりは有りませんが、樹形が乱れてきた段階と、冬越し前の秋に、樹形を整えるための剪定を行うことが推奨されます。
目次へ戻る
コモンセージの冬越し
越冬するコモンセージの株
コモンセージは多年草になりますので冬を越して栽培を継続することが出来ます。
写真は、冬越し中のコモンセージの鉢植えになります。
季節は3月の後半で、そろそろ気候が穏やかになる頃です。
冬越し中のコモンセージの株は休眠状態になりますので、茎がぐんぐん伸びたり葉がたくさん茂ったりすることはほぼ無くなります。
越冬中では葉も枯れやすく黄色に変色することもあります。
それでも気候が暖かくなるにつれて、葉の数も増えて青々とした葉を再び茂らせます。
こちらは、無事に冬を越した状態のコモンセージの株の様子です。
季節は四月の初旬になります。
再び生育力が高まり枝も伸びて、葉の枚数が増え始め、健康的な青色の葉を取り戻します。
そして夏季になると更に株が大きく成長しますので、剪定等の手入れを施すようにします。
冬場の水やりは、土の表面が乾ききる前に鉢底から水が少し流れ出てくる程度の分量を与えるようにします。
春や夏のように、毎日たっぷりの水を必ず与えるのとは違い、冬季に限っては毎日水を与えると言う訳ではなく、あくまで土の表面が乾ききる前に水を与えるというサイクルになります。
冬季では株の生育はほぼ止まり、休眠状態となり株が水分を必要とする頻度も減りますので、日々の水やりは株の様子を見ながら、土の表面の乾燥具合を確認しつつ行うようにします。
目次へ戻る
コモンセージの増やし方
水挿しで挿し穂を育てる
コモンセージは、挿し木で増やせます。
コモンセージの増やし方は、挿し木で増やすことが一般的です。
挿し木の時期は、春や秋などの気候の穏やかな時期が最適です。
また、挿し木の成功率を高めるために、挿し穂をたくさん土に挿して、成功率を高める方法もありますが、水挿しを利用して十分に挿し穂から発根させた後、土に挿し木をするだけで、挿し木の成功率は飛躍的に高まります。
カットした茎の部分や茎の節の部分から発根してくるまでには、数日から数週間、時期によってばらつきがありますが、大抵は1週間ほどで、新たな根が生えてきます。
水挿しの水は、2日程度を目安に新しい水と変えてあげましょう。
挿し穂から十分に発根を確認後、挿し木をするようにすれば、大抵は根付くことに成功するかと思います。
写真は、発根させたコモンセージの挿し穂を、3号の素焼きの鉢に挿し木した様子です。
挿し木で使用する鉢は、3号の素焼きの鉢が小振りなので扱いやすいです。
用土は、挿し木などで特別に使うような土ではなくて、一般的な野菜用の用土を使っています。
本来は、挿し木などで使われることを想定した専用の用土の方が、挿し穂の根がはりやすかったり生育には好ましいですが、ある程度、発根させた挿し穂ではそこまで土に神経質にならずとも、挿し木は成功しやすいと思います。
挿し穂が十分に根付いたら、6号程度の鉢植えに植え替えを行い、再び株を大きくするように栽培を継続させていきます。
このように、コモンセージの株の増やし方は、挿し木で行うことが一般的になります。
目次へ戻る
コモンセージの株の植え替え
挿し木したコモンセージの株を植え替える
挿し木で育てていたコモンセージの株が、ある程度成長して来ましたので、あらためて植え替えをしました。
写真は、3号の素焼きの鉢に挿し木したコモンセージの苗が大きく成長して来ましたので、そろそろ一回り大きな鉢に植え替えが必要です。
挿し木で使用していた鉢のサイズは3号になりますので、
新たに植え替えを行う場合は、6号程度の素焼きの鉢が適しています。
さっそく、鉢から苗を引き抜いて、植え替えの準備に入ります。
根もある程度成長していましたので、少し土と根をほぐして新たな鉢で根が育ちやすいようにしておきます。
その際に、根から土を無理に取り除くということはせずに、軽く土と根をほぐす程度に留める様にして、根にダメージを与えないように注意が必要です。
また、植え替え時には根がむき出しの状態になりますので、植え替えの作業は要領よく手早く行う必要が有ります。
写真は、6号の素焼きの鉢に、挿し木から育てていたコモンセージの苗を植え替えた写真です。
植え替え後は、たっぷり水を与えて風通しが良く日当たりの良い場所で栽培を続けていきます。
鉢も一回り大きくなりましたので、ここから更に株が大きく成長して行くことでしょう。
このまま、6号の鉢で栽培を継続していても、やがては根詰まりを起こして新たに植え替えを行って株を更新していく必要が有ります。
その際は、新たに10号程度の鉢に植え替えるか、新たに挿し木を行って再び3号程度の鉢から栽培を続けるか、どちらかの選択となります。
このままどんどんコモンセージの株を大きく育てたい場合は、10号程度の鉢に植え替えたり、または地植えを行うということも考えられます。
しかし、栽培スペースが限られていて、地植えを行えない場合や、鉢も6号程度までしかスペース的に置けないと言う栽培環境も有るかと思います。
そのような場合は、上記のように、挿し木と植え替えの作業を繰り返しながら、希望する鉢の大きさに合った育て方を継続するようにして、株を更新させていきましょう。
また、同サイズの鉢に植え替えをして栽培を継続させたい場合もありますよね。
そのような場合は、強めに枝を剪定して樹形を少し小さくまとめます。
次に鉢から株を引き抜き、根鉢化した状態の古くて細い根を部分的にむしり取ると同時に、根に絡まった土もある程度取り除くようにします。
枝の強剪定と根の手入れが済んだ株を、再び元の鉢に植え替えます。
株を鉢に戻す際は、ある程度の空いたスペースが確保できるようにすることが大切です。
鉢と株の間の空いたスペースに、新しい土を入れつつ植えていきます。
作業の途中途中で、鉢をトントンとゆすって、新しい土がしっかり入り込むように工夫しながら植え替えを行いましょう。
同じサイズの鉢に植え替えを行う際には、ある程度の剪定の技術と、古い根を見分ける栽培の知識が必要になってきますので、数年間の栽培経験を積んだ後、作業を行うことが望ましいです。
目次へ戻る
コモンセージの害虫対策と病気治療
アブラムシとうどんこ病の予防
コモンセージは、害虫や病気に強いハーブになりますので、アブラムシの被害やうどん粉病にかかることは少ないと思います。
株を健康的に育てるには日当たりが良く風通しの良い環境で栽培をすることが望ましいです。
目次へ戻る