Common Mallow
マロウは、アオイ科ゼニアオイ属に分類される多年草になります。
日本では「薄紅葵」(ウスベニアオイ)、ブルーマロウとも呼ばれています。
花はハーブティーに利用されています。
草丈は鉢植えでの栽培の場合、80cm程度まで成長し、地植えでは1mを越えることもあります。
栽培はどちらかと言うと手軽な部類になりますので、病気や害虫に強く育てやすい植物になります。
ただし、株は大きく成長するため、地植えや大きめの鉢植えでの栽培では、栽培スペースを広めにとる必要があります。
この項では鉢植えでのコモンマロウの育て方と栽培方法とを記載しております。
花の写真や栽培の記録を豊富な写真とともに掲載しておりますので、マロウ栽培の一助としてご覧ください。
マロウの苗の植え付け
園芸店で購入したマロウの苗を6号の素焼きの鉢に植え付けました。
植え付けをした時期は春になります。
苗の植え付けには小さめの鉢が適していますので、大きさは6号の鉢を用意しました。
素焼きの鉢は通気性に優れますので、苗の植え付けには素焼きの鉢がおすすめです。
土は市販されている一般的な園芸用の培養土を使用しています。
鉢底には鉢底石を入れると水はけがよくなりますが、苗が成長して株が大きくなった段階で植え替える予定なので、
今回は培養土のみで植え付けを行い、鉢底石は使っていません。
植え付けが完了した後は風通しが良く日当たりの良い環境で栽培を初めます。
マロウの株の植え替え
マロウは生育環境が良いと株が大きく成長して行きます。
鉢が小さなままだと頻繁に水切れを起こしてしまいますので、根詰まりしてきたら早めに株を植え替えることが望ましいです。
写真は6号の素焼きの鉢から8号の素焼きの鉢植えに植え替えをした様子です。
植え替えのついでに少し剪定をして樹形を整えました。
これで暫くは根詰まりの心配は無くなります。
植え付け後も株は更に大きく成長して行きますので、再び植え替えをしてサイズの大きな鉢を用意するか、
株分けなどをして株を小さくして元の鉢に植え直すかをして管理していきます。
マロウの花
マロウは薄紅葵と呼ばれるように、花の色は赤色と青色とが混ざった赤紫色が特徴になります。
花弁には紫色のラインも見られます。
開花の時期は、春から夏までとなり、良く咲きますので花数はとても多くなります。
花は乾燥させてハーブティーとして利用できます。
ハーブティーではお湯の色が薄い青色になるのが大きな特徴になりますので、
ハーブティーとして乾燥させたマロウは人気があります。
マロウの花は開花の時期になるとたくさんの花を咲かせますので、株が大きくなるにつれて花の収量は増えていきます。
開花した花は一日花になりますので、開花後はその日に萎んで枯れてしまいます。
開花後は切り戻しを行うと他の蕾の開花を促すことに繋がりますので、開花後は切り戻しを行いながら手入れをしていきます。
マロウの花の収穫
マロウの花は収穫してハーブティーに利用することが出来ます。
ハーブティーなどでマロウの花を利用する場合は、オーガニック栽培で育てた花が安心安全です。
収穫した花は乾燥させて、煮沸消毒をした瓶を利用して保存をすれば、冬季などの開花の時期以外でもハーブティーを楽しめます。
開花したマロウの花は、一日花になりますので、当日中に収穫するようにして乾燥させて保管すると重宝します。
マロウの肥料
マロウは生育旺盛なので、肥料切れを起こさないように管理をしていきます。
肥料は他の一般的なハーブ類と同じく3月、6月、9月を目安に肥料を与えることが望ましいです。
緩効性の固形肥料は、追肥として与えると長い期間肥料の有効成分を株に届けることが出来ますのでおすすめです。
液体肥料は、株に肥料の栄養分を早く届けることが出来ますので、開花の時期に与えることが有効と言えます。
マロウの冬越し
マロウは多年草になりますが、冬季では地上部は部分的に枯れてしまいます。
また、冬には茎や葉の成長もほぼ止まり、花も開花はしません。
それでも地中では根が生きていますので、枯死してしまったと勘違いをして栽培を終了してしまわぬように注意しましょう。
休眠状態となり成長が止まっていても、根は生きていますので土が乾燥したら水を与えるようにします。
鉢の表面の土が乾燥しきる前に水を与えるようにしますので、冬の時期には土が乾燥していなければ毎日水やりを行う必要はありません。
寒冷地ではない限り、とくにマルチなどの防寒対策をする必要も無く、自然に越冬してくれる印象です。
春になり気温が上がると新芽が伸び出して再び茎が成長し、開花の時期が近付いてくると再び蕾が付いて開花しますので、冬は気長に春の到来を待ちながら栽培を継続していきます。
マロウの害虫対策
マロウの栽培では特に害虫の被害にあうと言ったことは無く、病気にも強い印象があります。
それでも害虫の食害などの被害にあうことも無いとは言い切れませんので、害虫は見つけ次第捕殺することが望ましいです。
マロウの増やし方
マロウは株分けで増やすことが出来ます。
株分けは、親株を分けて子株にして株数を増やす増やし方になります。
挿し木などの方法で株を増やす方法とは違って、株分けは成功する確率の高い植物の増やし方になりますので、
親株が大きく育っている場合は、挿し木よりも株分けをして子株から栽培を始める方が成長の速度も速くなるのが利点です。
株分けの方法は、8号の鉢で栽培をしている場合、鉢から親株を引き抜いて株を分け、株分けをして小振りになった親株は元の8号の鉢へ植え直します。
株分けをした子株は6号程度の素焼きの鉢に植え付け、栽培を始めます。
株分けはこのようにして作業を行うのが基本です。
マロウの株分け
マロウは株分けで増やすことが出来ます。
株分けは、鉢植えの根詰まりの解消とともに作業を行うと効率的です。
写真は8号鉢で栽培しているマロウの鉢植えです。
以前の植え替えから数年経過しており、そろそろ根詰まり気味なので株分けを行ってみようと思います。
鉢植えから株を引き抜いた様子です。
根鉢が凄いですね。 典型的な根詰まりを起こしています。
マロウは生育旺盛なので、鉢植えで栽培をしている場合は、植え替えなどをして根詰まりを定期的に解消してあげることが大切です。
マロウの株分けは株を半分にする訳ですが、株元付近の根が非常に硬かったので、のこぎりでギコギコ半分に分けました。
株を分けたら早速6号の素焼きの鉢植えに子株を植え付けました。
株分けをした親株は、株が少し小さくなったので古い根を少しむしって元の8号の鉢へ再び植え付けました。
これで8号の鉢植えと6号の子株の鉢植えで株分け作業は完了です。
6号の鉢植えは、根がしっかり張ってくると再び新しい葉が芽吹いて来ますので、子株が落ち着いてきたら古い葉を少し剪定しながら樹形を整えていきます。
ハーブを使用する前の注意点
安心、安全なハーバルライフのために
・ハーブは医薬品ではありませんので、誤った使い方をすると、副作用を起こすことがあります。
・ハーブティーや、料理などでハーブを使用する場合は、過剰に摂取せずに一度に使う分量は適量を心掛けましょう。
・長期にわたって同じハーブを摂り続けることによって、体調が悪くなることがありますのでご注意下さい。
・ハーブに体が触れたり、料理などでハーブを摂取することにより、アレルギー反応が出て、アレルギー症状を引き起こす場合がありますのでご注意下さい。
・基礎疾患のある方は、ハーブを摂取することにより体調が悪くなることがありますのでご注意下さい。
・服薬中の方は、服用している薬にハーブが影響を及ぼす可能性があり、体調が悪くなることがありますので医薬品と併用する場合にはご注意下さい。
・妊娠中や授乳中の方は、ハーブの使用に関してはご注意下さい。
・小さなお子様、ご年配の方は、ハーブの使用に関してはご注意下さい。
・ハーブを摂取したことにより、体の異常を感じたら、すぐに医師や薬剤師にご相談をしてください。
・ペットを飼われている場合は、ペットには有害な植物品種もありますので事前にお調べください。
これらの点に注意して、安心、安全なハーバルライフを楽しみましょう。