ブラックペパーミントの育て方

ブラックペパーミントの育て方 | ハーブの栽培方法

ブラックペパーミントの品種紹介

この項では、ブラックペパーミントの育て方を記載しております。
苗の植え付けから始まるミントの栽培方法を、写真と共に細かく掲載しておりますので、栽培の一助としてご参照下さい。

さて、ブラックペパーミントは、シソ科の多年草に属します。
その為、冬を越すことが出来ますので、一度植え付けを行ってしまえば、永遠とは言いませんが、株の更新や植え替えなどを適切に行えば、長い期間栽培を継続することが出来ます。

ブラックペパーミントは、スペアミントとウォーターミントとの交雑により品種が確立されたようで、ブラックペパーミントは、芳香性が豊かな事から別名「ブランデーミント」とも呼ばれているようです。

ブラックペパーミントの特徴は、容姿はホワイトペパーミントにとてもよく似ていますが、茎や葉脈が、季節によって赤茶色っぽく変色する点が、ホワイトペパーミントとの違いになり、大きな見分け方になります。
赤茶色に変色した茎や葉脈は、緑色をした葉に良く映えますので、見た目も印象に残るミント品種になります。

また、ブラックペパーミントは株の育つ力が強く、栽培が容易で尚且つ葉の収穫量も増える傾向がありますので、ペパーミントの園芸品種として人気があります。

 

目次

ブラックペパーミントの植え付け

ブラックペパーミントを素焼きの鉢に植える

さて、それでは実際の育て方、栽培方法に移ります。

ブラックペパーミントの地植え
ブラックペパーミントの地植え

写真は、ブラックペパーミントを庭に地植えして栽培していた風景になります。
写真でも解るように、ブラックペパーミントは繁殖力がとても強く、地面に広がるように増えていく様子が伝わるかと思います。

地植えでもしっかりと栽培管理が出来れば良いですが、このまま栽培を放置してしまうと、あっという間に庭一面に広がってしまうこともあります。

また、花が咲いてやがて種が出来ると、こぼれ種が広がるようにして落ちて、更にミントの繁栄が成されてしまいますので、ミントの地植え栽培はしっかりと株の管理ができなければオススメはしません。

ブラックペパーミントを鉢に植え付ける
ブラックペパーミントを鉢に植え付ける

と言うことで、庭での地植え栽培は、管理がとても大変になりそうでしたので、株分けしてブラックペパーミントの苗を素焼きの鉢に一株分、植え付けました。
株分けして鉢に植え付けを行った時期は、4月下旬になります。
この素焼きの鉢は、約8号ほどの大きさになります。

植え付けを行う際に、鉢には予め少量の赤玉土を入れておき、その上に野菜などでも利用できる一般的な園芸用土を入れて、植え付けを行いました。
赤玉土を鉢の底に適量入れる事によって、園芸用土だけの状態よりも水はけがよくなりますので、苗の生育には、より良い効果が生まれます。

そして残りの地植えしたブラックペパーミントは、全て収穫して栽培の痕跡を消しました。

鉢に植え付け時に、枝があちこちだらしなく生えていたので、植え付け後、枝を剪定して少し樹形を整えました。
今後はこの鉢植えの一株を栽培していこうと思います。
鉢での栽培は、手入れの負担を大いに軽減できますので、地植えよりも管理は楽になります。

さて、無事に植え付けが完了したら、後は風通しが良く日当たりの良い場所で栽培を継続していきます。
ブラックペパーミントは、病気などにも強く、生育力が強いのが特徴になりますが、苗を植え付けたばかりの頃は、株が疲弊していて生育エネルギーは弱めになりますので、十分に根が張られるまでは、少し過保護気味に栽培をすることが大切です。

そして、早速ですが、一年後のブラックペパーミントの鉢植えの様子です。

ブラックペパーミントの鉢植え
ブラックペパーミントの鉢植え

写真は、植え付けから約一年後の春のブラックペパーミントの株になります。
順調に育って行けば、あっという間に葉がたくさん茂り、葉の収穫も楽しめるようになりますので、頑張って栽培を続けていきましょう。

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ブラックペパーミントの葉の特徴

ブラックペパーミントの葉先は、尖っています

ブラックペパーミントの葉の写真です。

ブラックペパーミントの葉
ブラックペパーミントの葉

ブラックペパーミントの葉は、葉先が少し尖っているのが特徴になります。
そして葉脈は、ブラックペパーミントの特徴である赤茶色の葉脈が見て取れます。
葉は、指で軽く擦るだけで、清々しい清涼感のある香りを楽しむ事が出来ます。

葉は、収穫して食材として利用したり、ハーブティーとして楽しんだり、煮詰めてミントシロップにしたりする事も出来ます。

ブラックペパーミントの若葉
ブラックペパーミントの若葉

さて、この写真の葉は、とても丸みを帯びているのが分かると思いますが、この葉もブラックペパーミントの葉になります。
ブラックペパーミントの葉は、先程も述べたように葉先が尖っているのが特徴であると記載しましたが、若い葉に限っては、参考写真のように丸みを帯びています。

このように、ブラックペパーミントの葉は、若葉の頃は丸みを帯びていて、成長するに従って葉先が尖ってきます。
これはブラックペパーミントの葉に限らず、その他の多くのミント品種でも同様の育ち方をする傾向がありますので、葉の形でミントの品種を判別する場合は、その葉が若葉か、成長した葉かを確認して判断する必要があります。

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ブラックペパーミントの葉の収穫

ブラックペパーミントの葉は茎ごと収穫する

ブラックペパーミントの葉の収穫時期は、特に決まりは有りませんが、冬季に限っては、葉が越冬する為に葉厚が厚くなって固くなる性質がありますので、秋と冬以外の春と夏が収穫には適した時期になります。

ブラックペパーミントの葉の収穫
ブラックペパーミントの葉の収穫

ミントの葉の収穫方法は、必要分の葉をちぎって収穫する事も出来ますが、茎ごと一気に収穫する方が効率的です。
茎ごと葉を収穫する際は、樹形を整える為の剪定も考慮するようにして収穫するようにしましょう。

このようにミントの葉の収穫は、剪定も兼ねて行うことが効率的です。
茎ごと葉を収穫する事によって、樹形を整える事もできますし、茎で混みあった株元の蒸れを解消して風通しを良くする事も出来ます。

収穫した葉を生のフレッシュな状態で使用する場合は茎から必要分をちぎって利用します。
また、乾燥させてドライの状態で保存する場合は、逆さ吊りにして乾燥させるようにします。

収穫したブラックペパーミントは、ホースなどを使って優しい水流で泥などの汚れを洗い流しましょう。
次に新聞紙の上に広げて、茎や葉に付いた余計な水分を飛ばします。
または、キッチンペーパーを使って茎や葉に付いた水分を優しく拭きとります。

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ブラックペパーミントの葉の乾燥方法

ブラックペパーミントの葉は逆さ吊りにして乾燥させる

ブラックペパーミントの葉は、乾燥させて保存することが出来ます。
乾燥させた葉は、煮沸消毒したジャム瓶などを利用して、食品保存用の乾燥剤と共に葉を保管するようにします。

乾燥させたブラックペパーミントの葉
乾燥させたブラックペパーミントの葉

収穫したブラックペパーミントの葉は、水流で泥などの汚れを洗い流した後、
余計な水分を飛ばしてから、茎の根元で複数本をまとめて縛り、逆さ吊りにして乾燥させるようにします。

乾燥場所は、風通しが良く直射日光の当たらない屋内で乾燥させるようにします。
また、梅雨時や台風の時期などは、湿度が高くなり乾燥最中に葉にカビが発生してしまうこともありますので、雨があまり降らないような時期を見計らって葉を乾燥させるようにしましょう。

葉の乾燥状態の目安は、葉を軽く触っただけでパリパリと落ちるような状態が、十分に乾燥していると言えます。
乾燥した葉は、茎から優しく外して葉だけを保存し、葉を外した茎はもう必要はありません。
また、瓶に葉を詰める際は、葉を乱暴に扱うとパリパリと音を立てて葉がどんどん粉状になってしまい、清涼感のある香りが失われやすくなってしまいますので、料理やポプリなどで使用するまでは、可能な限り葉は乾燥している原型を留めておくようにして保管します。

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ブラックペパーミントの花

ブラックペパーミントの花は咲かせないようにする

ブラックペパーミントの花は、白くて小さな花を茎の先端に密集させるようにして咲きます。

ブラックペパーミントの花
ブラックペパーミントの花

ブラックペパーミントの花は、ホワイトペパーミントの花とほぼ区別がつかないように思えます。
それほど、ブラックペパーミントもホワイトペパーミントも、二つの品種の花形は酷似していると言えます。

さて、そんなブラックペパーミントの花ですが、ミントの花は少し扱いが厄介なことでも知られています。
花が咲いてやがて結実して種が出来ると、あちこちにこぼれ種が広がって、他の植物の鉢植えの元で発芽してしまったり、そのまま種が地面に落ちると庭での地植え栽培と同じような状態になってしまう事もあります。

また、一番厄介なのが、こぼれ種がそのまま株元に落ちてしまう事です。
近くで別の品種のミントを栽培している場合、ブラックペパーミントと交雑してしまう事もあり、交雑して出来上がった新たな新種の種が、やがてこぼれ落ちてブラックペパーミントの株元に落ちてしまうと、そこから発芽した芽は、もはやブラックペパーミント本種のものであるか、交雑して生まれた新たなミント品種であるかの判別は不可能になります。

このように、ミントは例え違う品種同士でも、簡単に交雑して新たな品種が生まれやすいのが特徴になります。
その様な厄介なことが発生してしまう前に、ミントの花は結実させないように早々に切り落としてしまう事が大切です。
「蕾が付いた段階で切り落とす」「花が咲いてしまったら早々に切り落とす」などの手入れは、ミント栽培においては必須になります。

園芸店やハーブガーデンなどで販売されているミントの種は、ビニルハウスなどでしっかりと区画分けがされ、品種の管理を徹底した状態で結実させた種になりますので、本来の品種の性質を守った種を収穫する事は、家庭菜園のような個人での管理体制では非常に難しい栽培になります。

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ブラックペパーミントの固形肥料

ブラックペパーミントに追肥を与える

ブラックペパーミントには、毎年決まった時期に追肥を与えることにより、株の成長を助け、葉の収穫量を増やすことに繋がります。

ブラックペパーミントに緩効性の固形肥料を追肥で与える時期の目安は、3月と9月が追肥に適した時期になります。
3月に追肥を与える事によって、4月から再び気候や穏やかになり、生育旺盛な時期に入りますので、必要な時期に株に栄養を届けられるように前もって準備を行う事が出来ます。

そして9月に再び追肥を与える事によって、夏バテした株に栄養分を届けてあげる事が出来ます。
また、冬越しに備えて株に冬を越すために必要な栄養分を前もって蓄えさせることができるようになります。

このようにハーブには、季節ごとに適したタイミングで追肥を与える事がポイントになります。
追肥を与える事によって、葉の収穫量が増えますし、株の成長を大いに助ける事が出来ますので、追肥は適切な時期に決められた分量を与えるようにしましょう。

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ブラックペパーミントに液肥を与える

液体肥料をブラックペパーミントの株に与える

ブラックペパーミントの栽培では、固形肥料の他に、液体肥料を補助的に与えることも有効な栽培方法になります。

液体肥料は固形肥料に比べると、持続性は有りませんが速効性に優れています。
その為、株が疲弊している時期に液肥を与えることが効果的です。
液肥を与える目安は、梅雨明け時や夏バテ時の、株が疲弊して樹勢が弱っている頃合いが与える目安の時期になります。

肥料は、あくまで固形肥料をメインとして与え、液肥は固形肥料の補助として与えるようにします。
シーズンを通した肥料は固形肥料を与え、株が疲弊している時は液肥を補助的に与える、という感じで肥料は使い分けて与えるようにします。

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ブラックペパーミントの害虫駆除と病気の治療

アブラムシとうどんこ病の予防

ブラックペパーミントは、他のミント品種と同様に害虫や病気に強いハーブの種類になります。
それでも害虫の被害に遭うこともあれば、葉が病気にかかってしまうこともあります。

日当たりが良く風通しの良い環境で栽培をすることが病害虫の予防に繋がります。

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ブラックペパーミントの剪定方法

ブラックペパーミントの茎の手入れ作業

ブラックペパーミントは、他のミント品種の中でも生育旺盛な部類に入ります。
その為、樹形が崩れやすくなりますので定期的な剪定が必要になります。

ブラックペパーミントの剪定
ブラックペパーミントの剪定

写真のブラックペパーミントは、プランターで栽培している株になります。
季節は7月の後半で、まさに成長の最盛期の様子になります。
ここまで大きくプランターからはみ出て成長してしまう程、ブラックペパーミントは良く育ちます(笑)
通常は、このような状態になるまで放置はしませんが、生育力の参考になるかと思いまして(笑)
さて、これほどに草丈が成長していれば、葉を沢山収穫できますので、目的達成ではありますが、葉の収穫と同時に茎の剪定もしなければならないレベルでもあります。

強めに剪定したブラックペパーミントの株
強めに剪定したブラックペパーミントの株

そしてこちらが実際に剪定したブラックペパーミントの株の様子になります。
プランターの大きさに見合った範囲内に茎を切り詰めました。
ここまで強く剪定して草丈を詰めても、夏の生育期では問題は有りません。
剪定と同時に切り落とした茎からは大量の葉が収穫出来ました。

葉の収穫の項でも触れましたが、葉の収穫は茎ごと収穫してしまう方法が有効です。
葉を一枚一枚収穫するよりも、茎の剪定も兼ねて樹形を整えるようにしながら同時に収穫を行えば、剪定と収穫とを同時に行えますので、ミントの栽培では有効な手入れ作業になります。

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ブラックペパーミントの冬越し

ブラックペパーミントの越冬

ブラックペパーミントは、多年草のハーブになりますので、真冬になっても枯れ果ててしまう事は有りません。

越冬中のブラックペパーミント
越冬中のブラックペパーミント

写真のブラックペパーミントは冬の只中の鉢の状態になります。
写真では少し分りにくいですが、越冬中は葉は少し厚くなり葉厚を帯びるようになります。
そして葉は薄い緑色から濃い緑色へと変化します。
また、草丈もそれほど伸びなくなります。
このような状態が、ブラックペパーミントの冬越し中の株の様子になります。

冬では夏場よりも葉厚がある為、葉が固くなり食用には向きませんので葉の収穫も冬季では通常は行いません。
冬に葉を利用する場合は、春や夏に収穫して乾燥保存させたドライタイプの葉を利用します。

冬を越したブラックペパーミントの鉢植え
冬を越したブラックペパーミントの鉢植え

無事に冬を越したブラックペパーミントの鉢植えです。
気温が上がって春になると、写真のように再び成長が速まり生育旺盛になります。

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ブラックペパーミントの増やし方

ブラックペパーミントの挿し木

ブラックペパーミントは、他のミント類と同じように挿し木をすることによって株を増やすことが出来ます。

実際に土に挿し木を行う前に、水挿しにて十分に発根させてから挿し木を行うようにした方が、挿し木の成功率が高くなりますので、まずは水挿しにて発根を促してから挿し木を行うようにします。

水挿しには、一輪挿しなどを使って、栽培を行うようにします。
水挿しでの栽培では、水は毎日変える方が無難ですが、数日おきに変える程度でも問題は有りません。
発根が十分に確認できる段階で、実際に挿し木を行うようにします。

ブラックペパーミントの挿し木
ブラックペパーミントの挿し木

挿し木に利用する鉢は小鉢が丁度良いです。 写真は3号の素焼きの鉢になります。
3号鉢は、挿し木で栽培するには取扱いが楽で便利です。
暫くは3号鉢で挿し木を栽培します。
そして挿し木した苗が大きく育ってきた段階で、プランターや大きな鉢に植え替えると良いでしょう。

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ブラックペパーミントのハーブティー

ブラックペパーミントティー

ブラックペパーミントの葉は、ハーブティーとして淹れて飲むことが出来ます。
ミントのハーブティーは清涼感のあるすぅーっとした風味を楽しむことが出来ます。
ミントのメントール成分は、味わうと癖になりますね(笑)

ブラックペパーミントティー
ブラックペパーミントティー

写真のハーブティーは、ブラックペパーミントの葉を乾燥させたドライの葉を利用して淹れました。
ミントティーのイメージでは、ティーの色は薄い緑色になるのかなと思っておりましたが、実際は薄い茶色っぽいのですね(笑)
お湯を入れた後の蒸らし加減は、程々が良いようです。
あまり蒸らしの時間をとってしまうと、えぐみが出てしまったり、メントールのすぅーすぅー感が濃く出てしまいますので、蒸らす時間の目安は紅茶と同じくらいが丁度良いかと。

また、ミントティーとはいっても、砂糖を加えると飲みやすくなります。
またはミルクを加えると、風味が柔らかくなりますのでミルクもお勧めです。
後は、砂糖の代わりにステビアの葉をブレンドしてみたり、
カモミールなどの葉とブレンドして、新たな風味の相性を探ってみる事も面白いですよ(笑)
ハーブティーは、葉のブレンドを楽しむ事も、組み合わせが多くて奥が深く面白い物です。

そしてハーブティーを淹れる道具は、耐熱ガラス製のティーポットとカップ&ソーサーがオススメです。
透明なガラス製だとハーブティーの色も楽しめますし、ホットでもアイスでも両方楽しむことが出来ます。

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