アップルミントの育て方

アップルミントの育て方 | ハーブの栽培方法

アップルミントの栽培

さて、アップルミントは数あるミント品種の中でもフルーティーな芳香性に優れたミント品種になります。
シソ科、ハッカ属に分類され、多年草であるため、冬を越えて育つ性質があります。
アップルミントは日本では、マルバハッカとも呼ばれているようです。

アップルミントはミント品種の中でも特に人気がある品種になり、リンゴの様なフルーティーな香りが特徴になります。
この項では、アップルミントの育て方を、項目ごとに掲載しておりますので、アップルミント栽培の一助になれば幸いです。

 

目次

アップルミントの植え付け

アップルミントの苗を植える

早速、ハーブガーデンで買ってきたアップルミントの苗を植え付けました。

アップルミントの苗の植え付け
アップルミントの苗の植え付け

苗の茎がか細く伸びていてだらしがないように見えますが、株が小さいうちは少しでも葉の光合成を促すために、このままの状態で栽培を続けます。

苗の植え付けには素焼きの鉢を用意して、園芸用土を使って植え付けました。
今回使った植木鉢は、8号程度の素焼きの浅鉢が余っていましたので浅鉢に植え付けました。
本来は、浅鉢では根がどんどん張ってしまって根詰まりが起こりやすくなってしまいますが、その内株分けをして株数を増やす予定ですのでそのまま浅鉢で栽培する事にしました。

さて、植え付けに使用した園芸用土には、元々肥料成分が入っている物が多いので、肥料は暫く必要は有りません。
だいたい園芸用土に含まれる肥料の成分は2カ月ほどは持ちますので、植え付けから二か月後を目安に追肥を行うようにします。

アップルミントは株が大きく育つと草丈が50cmほどに成長します。

剪定前のアップルミント
剪定前のアップルミント

さて、写真の鉢植えは、アップルミントの苗の植え付けから1年ほど経過した株になります。
花も咲いていて樹形が大きく乱れていますので、剪定を行う前の様子になります。
このように小さかった苗が、順調に育てば一年ほどでこれほど大きく成長します。
アップルミントは、他のミント品種と比べて繁殖力が強い方ですので、育て方としてはそれ程気を使う事もなくどんどん大きくなる印象です。

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アップルミントの葉

アップルミントの葉の特徴

アップルミントの葉の写真です。
葉は、一般的なミントの葉と比べ、葉厚が少しあり、丸みを帯びた葉の形が特徴になります。
日本では別名マルバハッカと呼ばれるように、丸い葉をしています。

また、葉は細かい葉脈をもち、茎や葉には細かいたくさんの産毛が生えているのも大きな特徴になります。
アップルミントの交雑種であるパイナップルミントにも同様に、茎や葉にはたくさんの産毛が生えています。

アップルミントの葉
アップルミントの葉

アップルミントの葉からは、リンゴの様なフルーティーな香りがします。
その為、ハーブティーやポプリなどで人気があります。

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アップルミントの収穫

アップルミントの葉を収穫する

アップルミントの葉は、樹形を整える為の剪定がてら、茎ごと葉を収穫する方法が効率的です。

アップルミントの葉の収穫
アップルミントの葉の収穫

ハーブティーなどで必要分の葉を数枚ちぎって収穫する事も出来ますが、株が大きい場合は、茎ごと収穫してしまった方が、良い場合もあります。
たくさんの茎が生え揃っている場合は、葉の収穫は茎ごと収穫するようにします。

収穫の方法は、株元の風通しが良くなるように、株元から茎を刈り取ります。
その際、生え揃った茎を間引くようにして、株元全体の風通しが良くなるように刈り取る茎を選ぶようにしましょう。
切る茎は、同じ場所からではなく樹形を考慮しながら均等にバランスよく収穫するという事です。

茎ごと収穫した物から、必要分の葉をちぎって使用するようにします。
または、このまま複数本をまとめて逆さ吊りにして乾燥させることもできます。

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アップルミントの葉の乾燥方法

アップルミントの葉を乾燥させて保存する

収穫したアップルミントの葉は、乾燥させて保存することが出来ます。
葉の乾燥方法は、茎ごと葉を収穫した後、ホースなどを使って泥などの汚れを優しい水流で洗い流します。
次に新聞紙の上に広げて、風通しの良い場所で余計な水分を飛ばします。
またはキッチンペーパーを使って、茎や葉に付いた水分を優しく拭きとるようにします。

乾燥させたアップルミントの葉
乾燥させたアップルミントの葉

茎や葉に付いた水分を飛ばした後は、茎ごと収穫したアップルミントを複数本まとめて縛り、屋内の風通しが良く日が当たらない場所に逆さ吊りにして乾燥させます。
葉の乾燥の目安は、少し触れた程度でも葉がパリパリっと崩れてしまうくらいがベストです。

葉を乾燥させる時期は、雨が多い時期や湿気が多い時期では葉にカビが発生してしまうこともありますので、雨降りの時期や湿気の多い時期は避けるようにしましょう。
また、人の出入りの多い場所では葉に埃などが付着してしまうこともありますので、人通りの少ない静かな環境で乾燥させることが望ましいです。

乾燥させたアップルミントの茎から、葉をむしり取って葉のみを保存します。
茎は必要ありませんので、葉を取り除いた茎は捨てます。

葉を茎から外す際は、丁寧に行わないと葉はボロボロに崩れやすいので、根気よくできるだけ葉の原型を残すように葉をむしります。
乾燥した葉の原型を残すのには、葉がボロボロになってしまうと香りが逃げやすくなってしまうのを防ぐ理由が有る為です。

その様にして乾燥させた葉は、煮沸消毒をしたジャム瓶などを利用して食品保存用の乾燥剤と共に保存するようにします。
乾燥保存させたアップルミントの葉は、いつでもハーブティーやポプリなどに利用することが出来ますので、ミントの栽培の収穫後の醍醐味のひとつであると言えます。

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アップルミントの花

アップルミントの花の特徴

アップルミントの花の写真です。

アップルミントの花
アップルミントの花

花は茎の先端に小さな白い花が密集するようにして咲きます。
開花の時期は、夏になります。

通常はミント栽培では花を開花させる事はありません。
花を開花させるには、株は非常に多くのエネルギーを消費するようになります。
そして花芽が付いた茎には、その後、葉が多く茂る事はなくなり、やがて花が結実して種が出来る頃には茎は段々と枯れだします。
そして結実した種はやがてこぼれ種となり辺りに散らばりだします。

そのようなこともあり、葉の収穫が目的の栽培では花を咲かせる事にメリットは有りません。
開花の為に株が余分な栄養分を費やすことや、種が出来ることはデメリットになります。
株がまだ小さくて充実していない段階では、蕾を放置して花が一斉に開花したままの状態で栽培を続けてしまうと、こぼれ種が散らばりだす頃には株自身が疲労こんぱいになり枯れてしまう事もありますので注意が必要です。

その為、花は開花させる事の無いように蕾の段階で切り落とします。
花芽の付いた茎は、茎を早めに強く剪定してしまえば茎に花芽が付くことを軽減できますので、花芽も蕾も早めに剪定して切り落としましょう。

また、近くに違った品種のミントを栽培しているような環境下では、種が結実してしまうと、交雑によって新たな品種が誕生してしまう事もありますので注意が必要です。
アップルミントの品種を保持したまま栽培を続けたい場合は、種が出来てしまう前に花は必ず切り落とすようにします。
交雑して出来上がった種が、こぼれ種となって株元に落ちてしまい、やがてその種が発芽してしまうと、もはやその新芽が純粋なアップルミント品種なのか、新たな交雑品種なのか判別することはほぼ不可能になります。

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アップルミントに固形肥料を与える

アップルミントに追肥を与える

アップルミントには、年に三回ほど緩効性の固形肥料を追肥として与えています。
肥料を与えるシーズンは、3月と6月と9月の時期が望ましいです。

3月に追肥を与えれば、気候が暖かくなるにつれて再び成長が速まり栄養分を的確に株へ送ることができるようになります。
4月、5月と、株は再び草丈が増して行き、葉が十分に茂りだしますので、前もって追肥を与えておくことは栽培には重要なポイントになります。

6月は、本格的な夏が来る前に株に体力を付けさせる意味で肥料を与えています。
9月は、株は少し夏バテをおこしている事がありますので、肥料を与える事によって体力を回復させてあげるようにします。
そして、冬を越すための栄養分も同時に蓄えるようになりますので、冬越しの為に前もって肥料を与えておくことも大切です。

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アップルミントに液肥を与える

液体肥料をアップルミントの株に与える

アップルミントの栽培では、固形肥料の他に液体肥料を補助的に与えることも有効な栽培方法になります。

住友化学園芸のベジフル液肥は、野菜などの栽培に適した液体肥料になります。

液肥の特徴としましては、固形肥料の様に肥料成分の効果に持続性は有りませんが、即効性に優れています。
その為、株に短期間のうちに栄養分を届けることが出来ます。

液肥を与える時期は、梅雨明け時や夏バテ時など、株が疲弊しがちな時期に与えることが効果的です。
長雨の後や、猛暑の後は、株は疲弊して樹勢が弱まることがあります。
そのような時は、液肥を与えて疲弊した株に素早く栄養分を届けるようにして、体力の回復を手助けすることが大切です。

あくまでシーズンを通したメインの肥料は固形肥料を使いますが、液肥は固形肥料の補助として扱うようにします。

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アップルミントの冬越し

越冬するアップルミント

アップルミントは、多年草になりますので、株は冬を越します。

冬越し中のアップルミント
冬越し中のアップルミント

写真は、冬の只中の株の状態です。
アップルミントは、冬季に入ると成長がほぼ止まります。
草丈もそれほど高くなることはなく、地上部の茎や葉はほとんどが枯れてしまう事もあります。
また、葉厚も増してくるのが越冬中の特徴になります。

冬季では、基本的に葉の収穫は行いません。
越冬中は少しでも光合成の為に葉を残すようにします。
また、冬越し中に地上部の茎や葉がほぼ枯れてしまったとしても、根は白く、しっかりと地中で生きていますので、そのまま春が訪れるのを待ちましょう。

冬越し中の水やりは、鉢植えの土の表面が乾ききる前に鉢底から少し水が流れて来る程度の量で充分です。
土が乾ききっていなければ、毎日水やりをする事もありません。
また、夏季の頃のように、毎日十分な量の水を与える必要は有りません。

冬越し後のアップルミントの鉢植え
冬越し後のアップルミントの鉢植え

無事に冬を越えて春になり、気候が安定してくると、写真のように株は再び成長を早めます。
冬を越えて、ようやく新芽が伸び出す様子は、毎年とても嬉しい気持ちになります。

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アップルミントの根詰まり

アップルミントの株の更新

アップルミントの栽培も、数年が経過すると段々と根詰まりをおこすようになります。

アップルミントの植え替え
アップルミントの植え替え

写真のアップルミントは、根詰まりをおこしている為、生育が鈍くなっている状態です。
このままの状態で栽培を続けても株の状態が悪い為に、葉の茂り具合が悪くなったり、茎が所々で枯れだすこともあります。
また、株の健康状態が悪くなって枯れてしまう事もあります。

早速、鉢から株を引き抜いてみました。
案の定、鉢の形に添うように根がびっしり張っています。
典型的な根詰まりですね。
このままでは流石に栽培に悪影響が出てしまいます。

アップルミントの根を軽くほぐす
アップルミントの根を軽くほぐす

根詰まりした株を植え替える為に、根は軽くほぐしてあげます。
こうすることによって、植え直した際に根が再び成長しやすくなりますので、
固く絡まってまとまってしまった根は、根を傷めない程度に軽くほぐしましょう。
その際に、細く飛び出したバランスの悪い根は、少しばかり切ってしまっても問題は有りません。

また、根に付いた土はあまり落とさないようにします。
根をほぐす際に古い土もふるい落とした方が良い気がしますが、根に付いた土まで綺麗に落としてしまうと、結果、根を傷めてしまうことに繋がります。

ひとまわり大きな鉢にアップルミントを植え替える
ひとまわり大きな鉢にアップルミントを植え替える

そしてひとまわり大きな鉢に植え替えを行いました。
少し剪定も行って樹形を整えた株の様子になります。
植え替え前は、浅鉢でしたので、今回は普通サイズの鉢植えに植え替えました。
号数は8号鉢になります。

このようにして、根詰まりを解消させて株の更新を行えば、このまますくすくと数年は育ってくれるはずです。
それでもいずれは根詰まりをおこしますので、その際は再び植え替えが必要になります。

このまま8号くらいの鉢のサイズに収めて栽培を継続したい場合は、株分けの要領で株を二等分程度にして、一株分を植え替えれば再び同サイズで栽培を続けられます。
株分けして余ったもう一株は、違う鉢植えで栽培をしても良いですし、手に余る場合は葉を収穫してから栽培を終わらせます。
また、もっと株を大きく成長させたい場合は、横長タイプのプランターなどで、数株を同時に栽培することも選択肢のひとつになります。

根詰まりを解消させることが、アップルミントの株の更新に繋がりますので、根詰まりの対処は適切に行って株を更新して行きましょう。

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アップルミントの増やし方

アップルミントの挿し木

アップルミントは挿し木で株を増やすことが出来ます。

アップルミントの挿し木
アップルミントの挿し木

写真は、アップルミントの挿し穂を挿し木した鉢になります。
鉢は3号の素焼きの鉢を用意しました。

挿し木に利用する鉢は、写真ように挿し穂の大きさに合ったものを用意するようにしましょう。
アップルミントに限らずミントの挿し木では、3号程度の素焼きの鉢が挿し木にはちょうど良いサイズになります。
また、挿し木に利用した用土は、一般的な野菜などに使う園芸用の土を使っています。

挿し穂は水挿しを使って、茎の切り口付近から根が伸びてくるまで暫く栽培した挿し穂を挿し木に利用するようにします。
挿し穂が発根するまでは、品種によって差がありますが、だいたい一週間程度かかります。
そしてある程度の長さにまで根が伸びるのには、更に一週間程度かかります。

このようにして水挿しで挿し穂を育ててから挿し木を行えば、挿し木の成功率が格段に高まりますので、親株からカットした挿し穂をすぐに、土に挿してしまうのではなく、水挿しである程度にまで栽培した挿し穂を利用するようにしましょう。

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アップルミントの害虫駆除と病気の治療

アブラムシとうどんこ病の予防

アップルミントは、一般的なミント品種と同じように害虫や病気に強く、育てやすいハーブ品種のひとつとなります。
それでもアブラムシの被害に遭ったりうどんこ病などの病気にかかってしまうこともあります。

病害虫の予防は日当たりが良く風通しの良い環境で栽培をすることが肝心です。

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アップルミントのハーブティー

フルーティーなミントティー

アップルミントを使ったハーブティーでは、リンゴのようなフルーティーな香りと、ミントのすぅーっとした清涼感を楽しめます。

アップルミントは、数あるミント品種の中でも育てやすいミント品種になり、
株が充実して来ると葉をたくさん茂らせますので、葉の収穫を十分楽しめます。

収穫したアップルミントの葉は、摘みたてのフレッシュな生の葉でも、乾燥させてパリパリになったドライな葉でも、どちらでもハーブティーにすることが出来ます。
収穫シーズンでは生の葉を使ってティーを楽しんだり、葉の収穫が出来ない冬場では、乾燥させて保存しておいたドライな葉を使ってティーを楽しむようにすれば良いかと思います。

収穫したミントの葉は、ハーブティーにして楽しむことはもちろん、ミントシロップに加工すると、収穫したたくさんの葉を一気に消費することも出来ますので、収穫したアップルミントの葉は、ミントティーにして楽しんだり、ミントシロップに加工することも有効です。

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ミントシロップの作り方

Mint Syrup Recipe

ミントシロップの作り方
ミントシロップの作り方

アップルミントで作るミントシロップは、フルーティーな芳香が楽しめるシロップになりますので、ミントシロップ作りにはオススメの品種のひとつです。

調理器具

保存容器:煮沸消毒をしたガラス容器とフタ
作りやすい分量
ミントの葉 1カップ(約20g)
水 1カップ(200ml)
グラニュー糖 1カップ(200g)
※上白糖(200g)でも代用できます。

【1】ミントは茎から葉を取り、流水で丁寧に洗って土などの汚れを取り除く。
【2】鍋に水を入れ、グラニュー糖、ミントの葉を入れ、中火で軽くかき混ぜながら沸騰させます。
【3】沸騰後、弱火にて5分ほど煮た後、火を消して粗熱を取ります。(20分程度冷まします)
【4】消毒済みのガラス容器に、目の細かいザルや茶こしなどを使って葉をこしたシロップを入れて、シロップが冷めたら消毒済みのフタをして冷蔵保存する。
※出来上がったシロップは冷蔵庫で保存し、生物ですので早めに消費しましょう。

ミントシロップを美味しく作るコツは、
葉を煮すぎたり、蒸らす時間を長くとると、葉のえぐみが出やすくなります。
葉っぱ以外の茎は取り除くようにして、葉のみ使用します。
また、糖度50%以上を目安にすると、糖度が高くなり日持ちが良くなりますが、季節によって日持ちの日数も変化しますので、シロップは生物ですので早めに使い切るようにしましょう。

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