ラズベリーの育て方

ラズベリーの育て方 | 栽培方法

ラズベリーの品種のご紹介

ラズベリーは、バラ科のキイチゴ属に属するベリー類の仲間になります。

ラズベリーの実は、小振りで真っ赤な実を付けるのが特徴になり、甘酸っぱさと、豊かな風味は、ヨーロッパではとても親しまれているベリーのひとつになります。
収穫時期は、春と秋の二回行える二季成り性の品種がラズベリー栽培では人気があります。

ラズベリーはフランス語では「フランボワーズ」と呼ばれます。
フランスの果物販売コーナーでは、フランボワーズはもちろんブルーベリーやストロベリーなどたくさんの種類のベリー類が並べられており、ジャムなどの調理にはもちろん、そのままラズベリーの果実を食すことも人気があります。

しかし日本のスーパーなどでラズベリーの実が出回ることはあまり有りませんので、ラズベリーの実を使って調理をしたり、またはそのまま果実を食べたい場合はあちこち果物売り場を探すよりも、栽培してしまう方が手っ取り早いです。

ラズベリー栽培は、病気に強く、手入れ作業もそれほど必要とせず、簡単で、育てやすい部類の園芸になりますので、栽培年数を重ね、株が充実してくると、沢山の実を収穫することが出来ますので、収穫することと、食べることとを目的とした園芸ではお勧めの植物になります。

 

目次

ラズベリーの新苗の植え付け

植え付けを行った時期は秋で、10月になります。
苗の植え付けには丸型の深底タイプのプラスチックタイプのプランターに植え付けました。
ポットの直径は約30cm、高さは約29cm、土の容量は約11リットル程度入れられ、鉢底は、通水性や通気性のよい底穴構造になっています。

鉢底には鉢底石を適量敷いて、その上に園芸用の用土を入れて植え付けを行いました。
ラズベリーは、どちらかと言うと生育旺盛な部類の植物になりますので、用土に関してはベリーなどの果樹専用の用土でなくとも、一般的な野菜などの園芸用土を使用しても栽培には問題は無いです。

植え付けに使用する鉢は、新苗の大きさに適したサイズの物を用意しましょう。
写真のような底が深い深底タイプのプランターの方が、根が深く張って行くのに適していますので、浅底タイプや横長タイプのプランターは避けるようにします。

新苗の植え付けは、枝もまだ若くてか細いので、植え付けの際にはデリケートに苗を取り扱うようにして易しく植え付けを行います。
また、別途、長めの支柱を用意して枝を固定するようにして成長を促しましょう。
植え付けが無事終了したら、鉢底から十分に流れ出るほどに水を与えます。
後は風通しが良い場所に置いて栽培を続けます。
日照条件は、ラズベリーは、それほど日当たりの良い場所でなくとも十分に育ちます。
いわゆる半日陰の場所、木漏れ日が当たる程度の環境でも栽培する事が出来ます。
また、夏場の直射日光には弱いので、夏場は半日陰の場所での栽培が無難です。

日当たりが良いにこした事は有りませんが、直射日光が強い環境は栽培には適していません。
森の木陰に自生している事が多いラズベリーは、そのような生育環境を好む性質がある為です。

水やりの方法は、毎朝決まった時刻に与えるようにした方が生育上は無難ですが、なかなか毎朝同じような時間帯に水を与えるのは難しいものです。
まあ、そこまで神経質にならずとも、土が乾ききる前には水分を与えるようにしましょう。
特に夏場は、朝に水を与えたとしても夕暮れ時には土が乾いてしまう事もありますので、真夏には朝と夕方の二回、水を与える事もあります。
冬場は、株は休眠状態に入りますので、毎日水を与える必要はありません。
土が乾ききる前に、鉢底から少し流れ出る程度の水を与える感じにします。

ラズベリーの苗が育つ様子
ラズベリーの苗が育つ様子

ラズベリーの苗が順調に育って行くと、こんな具合に茎や枝がどんどん伸びて、葉がたくさん茂るようになります。
葉が多く付くという事は、開花数も同時に増えるという事に繋がりますので収穫できる実も増えてくるという訳です。

また、ラズベリーの茎は大きく成長してもそれ程太くはならず、自立するような伸び方はしないので、樹形が崩れてしまう前に、必要に応じて茎を支柱に縛る事も大切な手入れのひとつになります
大きく伸びて垂れてしまった幹や枝を支柱に縛って起こしてあげると、株全体の日当たり対策にも繋がりますし、株元の風通しも良くなりますから蒸れの防止にも繋がります。

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ラズベリーの仕立て

オベリスクに枝を誘引する

ラズベリーは、株が大きく育ってくると、幹や枝が伸び放題になってしまい、樹形の管理が難しくなってきます。
支柱を鉢に数本差して、それぞれの支柱に枝を誘引して固定する方法もありますが、オベリスクや行灯に仕立てた方が、樹形の管理は楽です。

ラズベリーをオベリスクへ仕立てる
ラズベリーをオベリスクへ仕立てる

写真は、バラなどの誘引で使うオベリスクを使ってラズベリーを仕立てた写真です。
オベリスクは、つる薔薇の誘引で使用したことがある方は、ラズベリーの枝の誘引は、つるバラに比べて比較的、簡単に仕立てることが出来ます。

ラズベリーの誘引の仕方は、太い枝から誘引して行きます。
次に細い枝を誘引して行く順序になります。

枝は、オベリスクの外周に沿うようにして、巻いて行きます。
枝を強めに誘引すると折れてしまうこともありますので、適度な巻き加減で枝をオベリスクへ固定して行きます。

また、株元から伸びる幹は太くて硬く、直立するようにして伸びますので、
幹は無理にオベリスクへ巻くのではなく、そのまま直立させて固定するようにして、幹から伸びてきた枝をオベリスクへ巻くようにします。

巻き順は、先程も述べたように太い枝から巻いて行き、徐々に細い枝へと巻きます。
巻く方向は、左回りに枝を巻いたら、次は右回りにと、枝は交差させながら巻いて行きます。

また、枝の先端は初めからオベリスクの頂へと巻ききってしまうのではなく、ある程度の余裕を持たせておき、枝の成長に合わせながらゆっくりとオベリスクの頂へと枝を随時、誘引していくようにします。

ラズベリーをオベリスクへ綺麗に枝の誘引が出来ると、見栄えが良くなり樹形全体に日が当たりやすくなると同時に、株の風通しが良くなりますので、オススメの仕立て方法になります。
その結果として、花付きも良くなり実の収穫量も増えてきます。

ラズベリーの鉢植えでの栽培では、仕立てはオベリスクや行灯仕立てが管理しやすくお手軽に枝の誘引が出来ますので、オススメの誘引方法になります。

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オベリスクの仕立て直し

オベリスクに枝を仕立て直す

オベリスクに仕立てたラズベリーは、毎冬、仕立て直しをするのが効果的です。
冬季では枯れ枝を取り除いたり、葉が落葉して枝が見やすくなりますので、仕立ては冬に行うことが基本です。
そのため枝の誘引作業は2月下旬に行っています。

オベリスクに仕立て直す前のラズベリーの鉢植え
オベリスクに仕立て直す前のラズベリーの鉢植え

写真はオベリスクを株から一度外して新たに鉢植えに挿し直した状態です。
枝が少し広がっていますので、オベリスクを使って樹形をスリムにまとめてみます。

まずは枯れた枝や古い枝、細くて弱々しい枝は、株元より刈り取って余分な枝を取り除きます。
次に太い枝は少し硬いので強く曲げると折れてしまうこともありますので、太い枝はそのまま無理に曲げずにオベリスクに誘引します。
若い枝は少し強めに誘引してもしなるようにして折れにくいので、オベリスクに枝をバランスよく誘引していきます。

ツルバラなどとは違ってラズベリーの枝は冬季でもそれほど柔らかくはならないので、枝の誘引は折らないように慎重に優しく行います。
オベリスクを使って樹形をすっきりまとめ直した状態がこちらの写真です。

オベリスクに仕立て直したラズベリーの鉢植え
オベリスクに仕立て直したラズベリーの鉢植え

オベリスクに仕立てた後の管理は、春になると若い枝が更にどんどん伸びてきますので、新たに伸びた若い枝は、樹形が乱れないように新たにオベリスクにその都度、誘引していき、樹形を整えるようにしながら誘引を繰り返して行くことが効果的です。

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ラズベリーの花

ラズベリーは、小さくて白い花を付けます。

株が大きく育ち充実してくると、沢山の花を順番にどんどん付けてきます。

ラズベリーの花
ラズベリーの花

ラズベリーの花は、春にぽつぽつと開花していき、やがて結実すると、緑色の実が付き出します。
緑色の若い実は、やがて熟して来ると、真っ赤な実に変わります。

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ラズベリーの実の収穫

ラズベリーの花が咲き、やがて結実して出来た緑色の若い実は、熟した段階で真っ赤な実へと変わります。

ラズベリーの実
ラズベリーの実

真っ赤に熟したラズベリーの実は、手でつまむと簡単にぽろっと取れます。
また、熟してから暫く放置してしまうと、実がぽろぽろとバラバラに崩れやすくなってしまいますので、適度な熟し加減で収穫するようにします。

収穫したラズベリーの実
収穫したラズベリーの実

一般的なラズベリー品種は、1品種1本のみでも受粉、結実してくれますし、二季成り性になりますので、収穫は春と秋の二回、楽しむ事が出来ます。

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ラズベリーの葉の特徴

ラズベリーの葉は縁が全体的にギザギザしていて、葉の形はベリー植物品種特有の三枚の複葉になります。

ラズベリーの葉
ラズベリーの葉

葉厚は、それほど厚くは有りませんが、株が充実して樹形が大きくなって来ると、一つの枝に葉がたくさん茂るようになります。
そのうえひとつの葉が、三枚の複葉で構成されていますので、夏の最盛期には枝が見えにくくなるほどたくさんの葉を一斉に付けるようになります。

枝葉があまりにおおきく茂ってしまうと、株元に新鮮な空気が流れず株元が蒸れやすくなってしまい、病気や害虫が発生しやすくなってしまいますので、樹形が大きくなって来たら、それぞれに伸びる枝の間隔を空けるように支柱を立てて枝を縛り、それぞれの枝葉に満遍なく陽射しが当たるようにし、尚且つ株元に新鮮な風が抜けやすいように枝を支柱に縛って樹形を整えましょう。

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ラズベリーの冬越し

ラズベリーは低木性落葉果樹に分類されます。
低木性とはそのままの意味合いで、草丈はそれ程高くはならず、平均して60cm程に育ちます。
また、落葉果樹になりますので、秋が深まるにつれて、葉が落ち出します。
そして葉が落葉すると同時に茎は茶色く変色していきます。

それでも、株も根もしっかり生きておりますので、枯れてしまったと驚く必要はありません。
越冬中は株は休眠状態になり、生育もほぼ止まります。
その間に葉は落葉し、古い枝は萎れて枯れていきながら冬を越えて行きます。

やがて気候が暖かくなる3月辺りから、若い枝には新芽が湧き出し、4月には緑鮮やかな葉が生い茂ります。
やがて、花芽が付いて、開花、結実、収穫と言った具合に、ラズベリーの栽培サイクルは続いて行きます。

また、春先には株元より新芽がぽつぽつ伸びて来るのも特徴になります。
このような新たな新芽はやがて花を沢山付け、そして収穫に繋がってきますので、新芽は大事に育てるようにしましょう。

冬場の手入れとしては、越冬中はラズベリーの株が休眠状態になる為、毎日の水やりは不要になります。
冬場は、土が乾燥しきる前に、鉢底から少し流れ出るくらいの水分量を日々与えれば十分です。
その為、土に少し湿り気が確認できるような日は、水やりは不要になり、土が少し乾燥してきた状態を確認しながら、与えるようにして下さい。

そして、株元を寒さから守る為のマルチングなどの越冬の準備も特には必要はありません。(特別な寒冷地は除く)
ラズベリーは自然環境のままでの栽培でも冬越しは可能ですので、特に室内に入れたりする必要はなく、そのまま屋外での冬越しが可能です。

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ラズベリーの肥料

ラズベリー栽培の醍醐味は、何と言っても実の収穫ですね。
たくさんの実を収穫するには、たくさんの花を咲かせてる為に株を大きく育てる必要が有ります。
花が結実して実を付ける為に、株は沢山のエネルギー、栄養分を必要とします。
その為、ラズベリーには決まった時期に追肥を与えるようにします。

追肥の方法としては、固形タイプの肥料を与えてあげる事が一般的になります。
固形タイプの追肥を施す時期は、3月と6月と9月が最適な時期になります。
3月に固形タイプの肥料を与えるのには、4月から始まる生育期に備えて栄養分を的確に株に与える為です。
この頃に追肥を的確に与えれば、収穫期にはたくさんの実を収穫できる可能性が高まります。

6月に追肥を与えるのには、夏の暑い時期に備えて、前もって株に栄養分を届けておき、体力を付けさせて更なる株の成長を促す為です。

また、9月に追肥を与えるのには、夏を越えて夏バテして疲弊した株に栄養分を補ってもらう為と共に、秋に再び収穫する為の基礎的な栄養分を与えてあげる為でもあります。
二季成り性のラズベリー品種でも、春の収穫量に比べて秋の収穫量はそれ程多くはなりませんが、それでも秋にも収穫できる魅力は大きいです。

新苗の植え付けに使用した用土には、予め肥料成分が混ざっている物が多いので、
植え付け後は一般的に二か月間は用土に含まれる肥料が効きますので、植え付けてから約二か月間程度は、追肥の必要はありません。

追肥のサイクルとしては、例えば10月の秋苗のシーズンに苗を植え付けた場合は、追肥は翌年の3月に行います。
そして3か月後の6月には再び追肥を与えます。
また、4月の春の新苗のシーズンに苗を植え付けた場合は、6月頃に追肥を与えるようにします。
そして9月までは追肥は不要です。

追肥を与える時期と分量は、パッケージに記載されている分量と、与える時期の目安を参考にしながら作業を行って下さい。
※肥料の与え過ぎは、栄養過多になり株が弱ってしまう可能性が高くなりますので、適切な分量を適切な時期に与えるようにして下さい。

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ラズベリーに液肥を与える

液体肥料で株に栄養を与える

ラズベリーの栽培では、固形肥料とは別に、液体肥料を与えることも有効な栽培方法になります。
液肥を与える時期は、梅雨明け時や夏バテ時など、株が疲弊している時期に与えることが効果的です。

固形タイプの肥料は、持続性がありますが速効性は有りません。
対して液体肥料は、持続力は有りませんが、即効性がありますので、疲弊した株に短期間で栄養を与えることが出来ます。

特に長雨が続いた後や、猛暑の後は株が疲弊しやすくなりますので、樹勢が弱まっていると思われる時期に、液体肥料を与え、株に速効性のある液体肥料を与えるようにします。

あくまで肥料は、固形タイプの肥料をメインの肥料として、液肥は補助的な肥料として与えるようにします。
それぞれの肥料の特性を活かしながら、栽培を継続することが、実の収穫量の増加に繋がります。

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ラズベリーの害虫駆除と病気の予防

ラズベリーの栽培では、害虫の被害や、病気が発生してしまうなどの印象はあまり無いように思えます。
しかし、風通しと日当たりの良くない環境下では、枝にカイガラムシが発生してしまうこともありますので、ラズベリーの病害虫の予防には日当たりが良く風通しの良い環境で栽培をすることが有効です。

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ラズベリーの枝の剪定

冬剪定を行う

ラズベリー栽培も年月を重ねて来ると、古い枝も新しい枝も混在してきて、株元が少し混みあってくるかと思います。

剪定前のラズベリーの鉢
剪定前のラズベリーの鉢

写真は、剪定前のラズベリーの鉢です。
時期は11月後半で、冬剪定には適した時期になります。
栽培年数は、2年8カ月ほど経過しています。

株元からは、古い幹も新しい幹も混在していて、どれが古い幹でどれが若い幹かぱっと見で解らないですね(笑)
古い幹と若い幹の見分け方としては、古い幹は薄い茶色をしていて、明らかにすかすかで枯れています。
手で幹を折ってみると、古い幹はパキパキと音を立てて簡単に折れます。
若い幹は、濃い茶色であったり、茶色がかった緑色をしていて、幹にしなりがあり、芯も詰まっていることが伺えます。

剪定後のラズベリーの鉢
剪定後のラズベリーの鉢

写真は、冬剪定を行ったラズベリーの鉢です。
古い幹は、株元付近で全てカットしました。
また、若い幹は、それぞれ背丈を揃えるようにして、樹形を整えるように枝を詰めました。
枝をカットする位置は、新芽が吹く少し上の位置で切ります。

これで、しばらくは樹形が大きく乱れることなく成長してくれると思います。
また、株も若返りますので、来年の春には新芽が再びたくさん吹いてくれると思います。

このようにして、ラズベリーの剪定は、11月頃の冬本番前に行うようにして、
古い幹は株元でカット、若い幹は背丈を揃えるように剪定しておけば、
暫くは樹形が大きく乱れることはなくなりますので、株全体に日が当たりやすくなります。
また、冬剪定を行えば株の若返りを促せ、株の寿命も伸ばすことに繋がりますので、ラズベリーの冬剪定は、毎年行うようにしましょう。

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ラズベリーの増やし方 挿し木

ラズベリーは、挿し木で株を増やすことが出来ます。
挿し木の方法は、ラズベリーの枝を適当な位置で切って、挿し穂として扱います。
挿し穂には、なるべく若くて健康的な枝を利用しましょう。

カットした挿し穂は、10cm程度の長さに整えて、水挿しに挿します。
幹の切り口はカッターなどで綺麗に斜めにカットして、暫くは水挿しで栽培します。
挿し穂をする時期に寄りますが、暫くすると切り口付近から発根して根が伸び出すことがあります。
根がある程度伸びてくるまでは、このまま水挿しで栽培を継続します。

挿し穂から十分に根が生えてきた段階で、または挿し穂から発根していないが、挿し穂から新芽が生えてきたなどの成長がみられた時点で、3号程度の素焼きの鉢に挿し木します。

用土は一般的な園芸用土で大丈夫です。
挿し木から暫く経過すると、挿し穂はしっかり根付きますので、挿し穂の成長具合を観察しながら栽培を継続して行きます。

いよいよ挿し穂が十分に根付き、幹も伸びてきたら一回り大きな鉢に植え付けて、更に株を大きく成長させて行きましょう。

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ラズベリーの増やし方 こぼれ種

ラズベリーの増やし方としては、こぼれ種を使って株を増やすという事が一番手軽だと思います。
こぼれ種とは、収穫しなかった実が、やがて完熟して自然に地面に落ち、自然に地中に潜って発芽し、芽吹く事を言います。
ラズベリー栽培を長年に渡って続けていると、プランターの脇の地面から知らないうちにラズベリーの新芽が一本出てきたなんて光景を見る事が出来ます。

このような現象は、こぼれ種によって株が増えたという事になります。
収穫せずに落ちてしまった実や、鳥がつついて食べてしまった実の残りなどが、時を経て自然に芽吹いてしまう事によるものです。
芽吹いた苗は、ある程度の多きまでに育った段階でスコップで土ごと根をすくい上げ、プランターなどに新たに用土を足して、そのまますくい上げた苗を植え付けてあげれば新たに株を増やすことに繋がります。

ただし、挿し木で株を増やすのとは違い、こぼれ種によって増えた株は、100パーセント親株と同じ品種の性質を持っているとは限りませんので、注意が必要です。
こぼれ種によって増えた株に付いた実は、親株に付く実と大きさや風味が必ずしも同じになるという保証はありません。

親株と同じ品種の性質を保ちたい場合は、挿し木で増やすことが賢明ですが、こぼれ種によって気軽にラズベリーの株を増やしたい場合は、実をそのまま放置しておけば良い訳です。

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ラズベリーの台風対策

台風による雨風予防をしてラズベリーの株を守る

毎年、台風の時期になると、ラズベリーの幹や枝は強風によって折れてしまうことがあります。
とくに二季成り性品種の場合、秋の収穫時期と台風の時期とが重なってしまうこともあります。
台風被害からラズベリーの株を守るには、前もって台風の対策予防をしておくことが大切です。

ラズベリーの台風対策と予防
ラズベリーの台風対策と予防

台風の時期には写真にように、支柱を使ってラズベリーの幹や枝を、ビニール紐で数本まとめて縛って台風対策をしています。
支柱に枝を数本まとめてビニール紐で縛ることにより、台風の強い風が直撃しても、枝が折れてしまうことを軽減することが出来ます。

また、鉢植えの場合はフェンスなどを使って、株全体が均等になるようにビニール紐でフェンスに縛り付けて、枝が折れてしまうことを防ぐと同時に鉢の転倒防止を防ぐことが出来ます。

台風が過ぎ去った後は、ビニール紐を外してラズベリーの樹形を元に戻し、枝や葉に付いた台風による塩分を流水で洗い流し、塩害による被害を防ぐようにしましょう。

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ラズベリージャムを作る

収穫したラズベリーの実で、自家製手作りジャムを作ろう

収穫したラズベリーを、冷凍保存しながらコツコツ蓄えて、ジャムをひと瓶作れるほどに貯まったら、毎年ラズベリージャムにして保存しております。

ラズベリージャム
ラズベリージャム

写真のジャムは、自家製の手作りラズベリージャムになります。
これほどの分量が有れば、ジャムパンや、パウンドケーキ、ガトーバスク、アイスクリーム、ドリンク、など色々な菓子の調理に使えますので、収穫したラズベリーの実をジャムにする事は、毎年の大いなる楽しみになります。
何気にラズベリージャムは、スーパーなどではあまり流通しておりませんので、それならば自分で作ってしまえば良いという事で、始めた次第です。

ラズベリージャム作りの特別な秘密めいたレシピなどは特にありません(笑)
一般的なジャム作りのレシピとほぼ同じですが、種は極力、取り除くようにしております。
ラズベリージャムでは、種が入ったままのラズベリージャムでも、筆者はそれほど種は気にならないのですが、種の食感が気になって、苦手な方もおられますので、どうせラズベリージャムを大量に作るのならば、種は取り除くようにしております。

ラズベリージャムの種の取り除き方は、銅鍋でラズベリーの実のみを弱火で先に煮て、果肉がドロドロになりだしたら火を止め、ケーキ作りなどで利用するような網目の細かい粉ふるいを使って、果肉のみを落として種を濾しとります。
その際、ドロドロに溶けた果肉が熱いままでは火傷をする事もありますので、少し冷ましてから種を濾すようにしましょう。

また、網に強く果肉を擦り付けると種が砕けてしまい、砕けた種の殻も果肉と共に落ちてしまいますので、あまり強くこすらないようにします。
それでも、小さな種は網を通り抜ける事もありますので、それほど几帳面に作業を行わずに、気楽に濾せるだけの種を取り除きましょう。

種を濾し取った果肉は、ラズベリーピュレとしても利用できますが、そこへ砂糖を適量加えて再び煮詰めていけば、ラズベリージャムの出来上がりです。
お好みでレシピに、シナモンやスターアニスなどのスパイスも加えると、スパイス系の香りも付加されますので更に上品な味に仕上がりますよ(笑)

個人的には、スパイスの香りが加わったジャムは、本場フランス産のジャムのようで、コンフィチュールと呼ぶ方がお洒落ですよね(笑)
ちなみに、この自家製のラズベリージャムには、ペクチンを入れずに煮詰めるのみでとろみを出しております。

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ラズベリージャムトースト

さて、早速ラズベリージャムを使った料理のひとつです。

ラズベリージャムトースト
ラズベリージャムトースト

食パンを軽くトーストした後、バター、若しくはマーガリンを塗った上に、ラズベリージャムを更に塗ります。
まさに、ラズベリーの風味を楽しめる究極のトーストです。
筆者は、このラズベリージャムトーストを一番好んで食べております。

ソフトなトーストの香りに、甘酸っぱいラズベリーと、ほのかなバターの香りがミックスされて、それはもうたまりません(笑)
休日のモーニングは、ラズベリージャムトーストを楽しみながら朝のひと時をお洒落に過ごしております(笑)

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ラズベリージャムのホットドリンク

収穫したラズベリーの実で作った手作りジャムは、お湯に溶かしてホットドリンクとしても楽しめます。

ラズベリージャムドリンク
ラズベリージャムドリンク

果肉感たっぷりのラズベリージャムをドリンクに使えば、果肉の食感も楽しめるホットドリンクが淹れられます。
また、ジャムにはスターアニスやシナモンなどのスパイスと、
ショウガも含まれていますので、冬の風邪予防としてのホットドリンクとしても美味しくいただけます。

また、少しのお湯でジャムを溶かしておいて、水と適量の氷を加えれば、ラズベリージュースとしても楽しめますよ。
そしてジュースにする場合は、ミルクを加えるのも風味が柔らかくなってオススメのレシピです。

ミキサーがある場合は、ジャムとバニラアイスと氷とを一気に砕いて、ラズベリーシェイクなんかもとても美味しいですね。
ラズベリーをドリンクにする場合は、ジャムではなくとも、ラズベリーソースでもつくれますので、お好みでラズベリーのジャムかソースを作り置きしておけば、好きな時にいつでもラズベリードリンクが楽しめます。

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ラズベリーシロップ(ラズベリーソース)を作る

収穫したラズベリーの実はジャムの他に、シロップに加工することも出来ます。
ラズベリージャムの場合は果肉を残す感じで、ラズベリーシロップにする場合は、果肉は濾して果汁のみを使うようにします。

手作りラズベリーシロップ
手作りラズベリーシロップ

ラズベリーシロップは、ドリンクはもちろんお菓子作りでも重宝します。
ケーキ生地にラズベリーシロップを加えると、ラズベリーの風味とともに、素材が柔らかい赤色に染まりますので、着色料としても使えます。

ラズベリージャムもシロップもレシピは似ていますが、ラズベリージャムでは糖度は高めで果肉を残し、仕上がりはとろみを出す感じです。
種を濾す場合はうらごしや粉ふるいがあると便利です。

ラズベリーシロップでは、糖度は控えめで、ジャムよりも水分を多めにして果肉や種は濾します。
ラズベリーシロップはジャムよりも糖度が低いので、ジャムに比べて日持ちは短くなります。
手作りしたラズベリーシロップは、煮沸消毒をした瓶に入れて保存するようにし、保管時は冷蔵庫に入れながら、衛生面に気を付けつつ早めに使い切るようにしましょう。

ラズベリーチョコレートムース
ラズベリーチョコレートムース

写真はラズベリーシロップ(ラズベリーソース)を使って手作りしたラズベリーチョコレートムースです。
ラズベリーシロップにゼラチンを少し加えて調理しました。
カップの下から順に、「チョコレートムース」「ラズベリームース」「ラズベリーのゼリー」になります。

チョコレートとラズベリーはとても相性が良いのでチョコレートと一緒にラズベリーを使うお菓子などのスイーツレシピも多いのでご参考までに。

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ラズベリータルト

Raspberry Tart

収穫したてのラズベリーを使ったラズベリータルトです。
フルーツタルトは見た目も鮮やかで、美味しそうに見えますよね(笑)

ラズベリータルト
ラズベリータルト

冷凍されたラズベリーはスーパーなどでもみかけますが、採れたてのフレッシュなラズベリーを使うには、自分で栽培することが確実です。

写真のラズベリーは少し収穫が遅れて完熟気味です。
スイーツなどの飾り付けには紫色っぽく完熟する前の、赤々としたラズベリーの実の方が見栄えは良いですね。
もう数日早く収穫できれば理想の熟し加減でしたが、スケジュールの都合上、完熟させてしまいました(笑)
完熟したラズベリーの方が甘みはありますけどね。

さて、タルト型にアーモンドクリームを流し入れオーブンで焼いて粗熱を取った後、ラズベリーシロップを表面に塗ってからラズベリーをひとつずつ丁寧に並べました。
ほどよい繊細さが要求されて、盛り付けはなかなか楽しめました。

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