ブラックベリーの栽培
ブラックベリー (Blackberry) は、バラ科 キイチゴ属 に属するベリー類の仲間になります。
草丈は、低木に属しますので樹高が高くなると言うよりは、枝が横方向にどんどん伸びていく印象です。
また、つる植物に分類されますので、他のつる性植物と同様にフェンスやオベリスク、あんどんなどに枝を誘引して仕立てることが一般的になります。
ブラックベリーは、ブルーベリーやラズベリーなどと同様に、病気に強く、育てやすい植物になりますので、手軽にベリーの栽培と実の収穫を楽しめる植物になります。
目次
- ブラックベリーの苗の植え付け
- ブラックベリーの花
- ブラックベリーの実
- ブラックベリーの葉
- ブラックベリーの仕立て方
- オベリスクの仕立て直し
- ブラックベリーの肥料
- ブラックベリーに付く害虫
- ブラックベリーの冬越し
- ブラックベリーの増やし方
- ブラックベリーのジャム
- ブラックベリーシロップを作る
ブラックベリーの苗の植え付け
さっそく購入したブラックベリーの苗を植え付けました。
ブラックベリーを行灯かオベリスクに誘引して栽培を楽しみたいと思いましたので、地植えではなく鉢植えでの栽培を選択しました。
苗の植え付けは10月初旬に行いました。
植え付けにはスクエアタイプの30cm角のプラスチックプランターを使っています。
プラスチックポットのサイズは、直径が約30cm、高さは約27cm、土の容量は約12リットル入ります。
鉢底は、通水性や通気性のよい底穴構造になっています。
用土は一般的な野菜用の園芸用土を使って植え付けました。
プランターの底にはあらかじめ鉢底石を入れておき、水はけを良くするようにしています。
植え付けが無事に終了したら、あとは日当たりが良く風通しの良い場所に置いて、たっぷり水を与えて栽培をスタートさせます。
さて、早速ですが翌年春の植え付け後の株の様子です。
そろそろ支柱を立てて枝を誘引する時期となります。
この段階ではまだオベリスクに誘引するほどツルが伸びていないので、支柱を垂直に数本立てて、それぞれのツルを仮に誘引して行こうと思います。
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ブラックベリーの花
植え付けから翌年の春に、ようやく開花したブラックベリーの花です。
キイチゴ属特有の花形になります。
ラズベリーの花にとても良く似ていますね。
花が開花した後は、やがて結実していよいよブラックベリーの実が付き出します。
ちなみに、植え付けから翌年の春の段階では、株はそれほど充実はしておりませんので、花数は少なくなります。
その為、収穫できる実の量もそれほど多くはなりませんが、栽培を地道に継続すれば、一株でも花付きが良くなり花数も増えてきますので長い目で栽培を継続させましょう。
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ブラックベリーの実
ブラックベリーの実がなっている写真です。
ブラックベリーの実は、緑色から赤色になり、最後は濃い紫色に熟します。
実の収穫は、濃い紫色をしたものから収穫します。
写真は、植え付けから3年ほど経過した株に付いている実になります。
株もそれなりに充実して来ると結実する実の数も増えてきますので、たくさんの実が収穫できるようになります。
収穫したブラックベリーの実は、我が家では毎年ジャムに加工することが恒例となりまして、年間の恒例行事みたいに楽しんでおります。
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ブラックベリーの葉
ブラックベリーの葉の写真です。
葉は縁が全体的にギザギザしていて、葉の形はベリー植物品種特有の三枚の複葉になります。
また、つる性植物になりますので、ツルが伸びれば伸びるほど、茂る葉の数も増えてきますので、葉や枝が混みあって株元が蒸れてしまわないように注意しましょう。
株元の風通しが悪くなるようでしたら、株元付近から細い枝や古い枝を間引くように剪定をして、株元に新鮮な空気が流れるように手入れを施すことも大切です。
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ブラックベリーの仕立て方
ブラックベリーはつる性植物になりますので、支柱やフェンスなどに枝を誘引して仕立てる必要が有ります。
仕立て方の方法としては、フェンスにツルを絡ませたり、オベリスクや行灯などの支柱に誘引したり、色々な仕立て方があります。
このページでは、オベリスクに誘引してブラックベリーを仕立てる方法を記載しています。
写真は、オベリスクに実際に枝を誘引して仕立てたブラックベリーになります。
枝に棘がある場合は怪我に注意しながら作業を行いましょう。
枝を誘引する時期は、冬季に行うようにします。
枝の仕立て方は、株元より右巻き、または左巻きに誘引していきます。
右巻きが完了したら、次は株元より反対の左巻きで誘引して行きます。
このような具合に、枝をクロスさせつつオベリスク上部へと枝を誘引して行きます。
右巻きと左巻きをクロスさせる部分は、出来るだけ狭くならないようにして、オベリスク全体の枝に陽射しが均等に当たりやすくなるように、余裕をもってツルを誘引します。
枝が混みあってしまうと、茂る葉も混みあってきてしまいますので、注意しましょう。
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オベリスクの仕立て直し
ブラックベリーを誘引し直す
数年前にオベリスク仕立てにしたブラックベリーの鉢植えの様子です。
枝が自由に伸びて、暴れて樹形が大きく崩れてしまっています。
ここまでくると、新たにオベリスクに仕立て直す必要があります。
それでは早速オベリスクに仕立て直してみます。
季節は2月下旬の冬季になります。
ブラックベリーの剪定は冬季に行うことが基本になりますので、剪定も兼ねつつオベリスクに誘引し直していきます。
まずは、オベリスクを鉢植えから外し、古い枝や枯れた枝、または細くて弱々しい枝は全て株元より刈り取って剪定します。
不要な枝の剪定が済んだら再びオベリスクを鉢に挿し直します。
次に若くて元気な枝、または太くて丈夫そうな枝を選別しながらオベリスク外周に誘引していきます。
順番は、右巻きの次は左巻き、と言うように交互に枝を巻く方向を決めると、オベリスクにバランスよく誘引しやすくなります。
また、選別して残した全ての枝をきっちり巻く必要はありませんので、ある程度はオベリスクに余裕を持たせておくようにして、余った枝は切り落とすことがポイントです。
最終的には右巻きでも左巻きでも、枝の間隔がバランスよく誘引できれば問題は無いです。
そしてオベリスクの頂上までは誘引せずに余裕を持たせておくと、新たに伸びた枝を誘引しやすくなりますので、オベリスクには初めから全体的にびっしり誘引はせずに、ゆとりを持たせておくことがコツです。
後は新たに伸びてきた若い枝を、枝と枝の隙間を見つけて誘引しながら樹形を整えるように管理していきます。
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ブラックベリーの肥料
ブラックベリーの栽培では、定期的に追肥を与えることが重要になります。
栄養分の乏しい株では実の付き具合も大きく変わってきますので、株には適切な時期に栄養分が届くように施肥を心掛けましょう。
追肥には緩効性の固形肥料が適しています。
追肥を与える時期は、3月、6月、9月あたりが最適な追肥の時期になりますので、これらの月を目安に固形肥料を適量、与えるようにします。
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ブラックベリーに付く害虫
ブラックベリーの栽培では、カイガラムシや、ゾウムシなどの害虫の被害に遭うことがあります。
カイガラムシは、枝に寄生して養分を吸い取ってしまいますので、カイガラムシは、見つけ次第、歯ブラシなどで枝から剥がすようにして駆除します。
カイガラムシは、大量に発生してしまった段階では駆除がなかなか難しくなってきますので、数が少ない内にカイガラムシを枝から剥がして取り除く対策をするようにします。
カイガラムシは、日当たりが悪かったり風通しが良くない場所での栽培時に発生しやすくなりますので、カイガラムシが付くのを防ぐには、日当たりが良く風通しの良い場所で栽培を行うようにしましょう。
また、鉢植えでの栽培では、数日ごとに鉢を回転させて、株全体に均等に陽射しが当たるように工夫することもカイガラムシ対策には有効です。
モモチョッキリなどのゾウムシは、新芽や花のつぼみを食害します。
ゾウムシは自由に飛来して来ますので、前もって食害を防ぐことは困難になります。
そのため、ゾウムシは見つけ次第、取り除くようにします。
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ブラックベリーの冬越し
ブラックベリーは、多年生の植物になりますので、冬を越して栽培を継続することが出来ます。
冬季でも鉢上げなどはせずに、鉢植えを室内に入れる必要もありません。
そのままの状態で、屋外で越冬することが出来ます。
※寒冷地はこの限りではありません。
冬季の水やりは、土の表面が乾ききる前に鉢底から少し流れ出て来る程度の量の水を与えるようにします。
また、冬の最中は水を与え過ぎると根腐れを起こして株が枯れてしまうこともありますので、水の与え過ぎには注意しましょう。
また、オベリスクやフェンスなどに枝を誘引して仕立てている場合は、冬剪定を行って新たに枝を誘引して行きます。
冬剪定とは、冬に行う剪定のことを言います。
冬に枝の剪定を行うことによって、春に備えて樹形を整えることが出来ます。
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ブラックベリーの増やし方
ブラックベリーは、挿し木で株を増やすことが出来ます。
挿し木の方法は、枝を10cm程度の長さでカットします。
次に水挿しを使ってカットした挿し穂を発根させた後、土に挿し木をすることで挿し木の成功率を高くすることが出来ます。
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ブラックベリーのジャム
収穫したブラックベリーの実は、ジャムに加工することによって、ある程度の期間の保存ができるようになります。
写真は、収穫して調理した手作りブラックベリージャムをスコーンに塗っています。
スコーンにはジャムが定番ですよね。
他にはトーストに塗っても美味しいですよ。
ブラックベリージャムは、それほど難しくなく誰でも気軽にジャム作りが体験できますので、収穫したブラックベリーの実はジャムに調理することをお勧めします。
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ブラックベリーシロップを作る
収穫したブラックベリーの実は、ジャムの他にシロップに加工することも出来ます。
ブラックベリーシロップは、アイスドリンクやティーとして楽しむことが出来ます。
シロップの作り方はジャムを作る際の作り方とほぼ同じです。
ブラックベリージャムの場合は、種のみを濾して果肉はある程度残し、糖度は高めにしてとろみを出します。
ブラックベリーシロップの場合は、種と果肉を濾し、糖度は低めにして水分は多めにします。
ブラックベリーの種と果肉を濾す際は、ステンレス製の粉ふるいやうらごしがあると便利です。
シロップ作りの場合は、果肉を強く濾すと果汁の他に小さな果肉も混入してしまいますので、軽く果肉を濾すようにして、種と果肉を上手に取り除くようにしましょう。
ブラックベリーのシロップは、ジャムに比べて糖度が低くなりますので日持ちは短くなります。
保存には煮沸消毒をした瓶を利用して、保管時は冷蔵庫に入れながら、衛生面に気を付けつつ早めにドリンクなどで使い切るようにしましょう。
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