植物撮影のカメラとレンズ
植物写真の撮り方
植物の栽培記録として写真を撮ることは、栽培記録としてはとても有効な方法になります。
例えばヒマワリの栽培の場合、種から育てるとして、発芽から開花までの様子を、詳細な栽培記録と共に写真に残せれば、画像を参考にして今後のヒマワリ栽培のヒントや手助けにもなりますし、栽培方法の参考写真があれば、より植物に対する理解も深まります。
例えば向日葵の栽培は、多年草ではないのでひと夏限りの栽培になります。
その様なこともありますので、大きく開花したヒマワリの花は、カメラでダイナミックに撮影して写真を保存しておけば、思い出としても記憶に残りますよね。
大事に育てた植物の栽培記録は、思い出と共に、今後の栽培方法の参考にもなりますので、植物の栽培は写真と共に記録に残して、植物栽培コレクションを充実させていきましょう(笑)
植物写真の撮り方としましては、簡易的なものとしてはスマホ、またはコンパクトデジタルカメラ、そしてデジタル一眼レフカメラのどれかで撮影を行うことになります。
次の項では、もう少し具体的に植物写真で利用するカメラとレンズの解説を記載していきます。
目次
デジタル一眼レフカメラとマクロレンズ
植物の撮影に最適なデジタル一眼レフカメラ
植物の撮影には、デジタル一眼レフカメラとマクロレンズの組み合わせが最適です。
デジタル一眼レフカメラは高画質で写真を撮ることが出来ます。
マクロレンズは解像力に優れ、豊かなボケ味をいかした撮影が行えます。
また、マクロレンズは花などを接写して撮影が行えるレンズになります。
スマートフォンでの植物の撮影は、手軽に撮影が出来ますのでそれはそれで便利ですが、やはりデジタル一眼レフカメラやマクロレンズの画質に比べると写真は見劣りしてしまいます。
また、コンパクトデジタルカメラ、略してコンデジでの植物撮影は、機種にもよりますが、撮影専用機だけありますので、スマホよりは画質は良いと思います。
画質違いは、スマホ、コンデジ、一眼レフカメラ、の順によくなります。
撮影した写真の違いは、なんと言ってもボケ具合に尽きるとおもいます。
スマートフォンでは、一眼レフカメラの様なボケ味を活かした撮影は難しい所です。
最新機種では、ボケを表現することのできる機種が増えてきましたが、やはり一眼レフカメラやコンデジに比べると、画質の違いは明白です。
また、一眼レフカメラには絞りやシャッタースピード、またはホワイトバランスや露出補正などの細やかな設定が出来ますので、写真撮影専用機にはさすがにスマホは及びません。
ちなみに最近では最新のミラーレス機の登場によって、デジタル一眼レフカメラからミラーレスカメラへ移行するカメラユーザーも増えてきました。
ミラーレスカメラもカメラボディのスペックによりますが、デジタル一眼レフカメラ以上の性能を有する機種も多いので、いまからカメラの購入を検討する場合、ミラーレスカメラも十分選択肢に入ります。
花の撮影に最適なマクロレンズ
マクロレンズは、小さな被写体を大きく写すこと(接写)が出来ますので、小さな花に近付いてピントを合わせてファインダー一杯に大きく写すことが出来ます。
このような撮影方法をマクロ撮影と呼び、花に近付いて花弁や蕊を高精細に撮影することが出来ます。
マクロ撮影とは、被写体にぐっと近付いて撮影をする方法のことを言います。
花に近付いて接写をした写真は、ダイナミックで迫力がありますよね。
また、花の雄蕊や雌蕊がはっきり写せるのも、マクロレンズの魅力の一つです。
マクロレンズは接写の行えるレンズですが、接写専用レンズと言う訳ではありません。
それこそ景色などの風景写真からモデルさんなどのポートレートまで、幅広い被写体の撮影も普通に行えますので、優れた解像力と豊かなボケ味を活かした撮影を楽しめます。
マクロレンズは、言い換えればマクロ撮影もできる単焦点レンズのひとつと言えます。
キヤノンでは、フルサイズ機では「Canon EF100mm F2.8L マクロ IS USM」、
APS-C機では「Canon EF-S60mm F2.8マクロ USM」、
この二種類のマクロレンズが人気があります。
どちらのレンズも単焦点マクロレンズになりますので、花の撮影はもちろんのこと、ポートレートや風景写真の撮影までマクロレンズの描画性能を活かした撮影が行えるレンズになります。
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植物園やバラ園に出かけて撮影をしてみよう
撮影テクニックはたくさん経験を積むことで身に付きます
植物の撮影は、簡単なようでとても奥が深い撮影ジャンルのひとつです。
季節の花々の撮影をライフワークとする写真家やアマチュアカメラマンも多いと思いますが、皆さん自分が納得する一枚を求めて毎年、あちらこちらで撮影を行っております。
私も、バラ園や植物園にてたくさんの植物の撮影を重ねてきました。
いろいろな花の撮影を繰り返すうちに、自分が得意とする撮影方法であったり撮影のテクニックが身に付いて行くものです。
花の撮影で大事なポイントは、まずは白飛びや色飽和を防ぐことが撮影技術では大事ですね。
後は三分割構図やシンメトリー構図など、構図のバリエーションを増やすことで撮影の幅が広がります。
まずは、技術的には露出の最適な設定値を経験で学び、構図はお手本となるような写真を参考にしながら、撮り方を真似るようにして写真撮影をしてみることも大事です。
そうしているうちに、この花はこのカメラの設定値で、この構図で、このポジションで、このアングルで、という具合に被写体に対するアプローチが段々と構築されて行きますので、自身の撮影のスタイルが確立されて行くことでしょう。
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植物の栽培記録を始めてみよう
気に入った花の種や苗を買って栽培を始めてみる
さて、それでは実際にお気に入りの植物を選んで実際に栽培の記録を始めてみましょう。
初めはやはり、多年生植物をお勧めします。
多年生植物はつまり、多年草のことを言います。
多年草とは、冬を越して栽培を継続することのできる植物になりますので、
年間を通した栽培記録を付けることが出来ますので、やりがいがありますよ(笑)
または、種蒔きから植物栽培を始めることも基本のひとつですね。
写真は、ヒマワリの発芽から開花までの栽培の記録写真のひとつです。
向日葵やアサガオの栽培記録を、小学生の頃に学習の一環として行われた方も多いと思います。
私の中でも良い思い出としてぼんやり記憶しております(笑)
向日葵の栽培は、どちらかと言うと手軽に始められますので、大人の向日葵栽培と言うのも楽しい物ですよ。
実の収穫も楽しみたい場合は、家庭菜園を始めてみることもお勧めですね。
家庭菜園は春から夏の終わりあたりが栽培のシーズンになりますので、野菜の種まきからか、苗を購入してプチトマトやキュウリ、または茄子の栽培も楽しい物です。
家庭菜園での栽培記録は、野菜を収穫してから食べることまで出来ますので、
収穫したお野菜を使った料理の撮影まで行えますので、それは壮大なスケールの栽培記録が撮れますよ(笑)
そして、花の写真の王道としてバラの栽培を始めてみることもお勧めです。
バラ栽培は、園芸的にも奥が深くて実に興味深い植物のひとつになります。
日々の手入れをしっかりこなしていけば、バラは綺麗な花を咲かして答えてくれますので、バラの花の写真撮影を思う存分楽しむことが出来ます。
バラの栽培は、それほど難しくはありませんが、手軽ではないです。
その分、適切に栽培をしていればたくさん花が咲いてくれることもありますので、やりがいはあります。
バラの栽培記録は、それこそ詳細な記録と写真が必要になりますので、取り組むにはうってつけの植物ではありますね。
このような感じで、まずは自分が気になる植物の栽培記録からスタートしましょう。
観察記録と共に、写真が増えて来ると不思議とその植物に更に愛着が増すものです。
種蒔きの撮影から花の開花までの様子、または実の収穫までの様子を細かく撮影した栽培の記録は、今後の植物栽培のヒントになることもありますので、貴重な植物コレクションにもなります。
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花などの植物のマクロ撮影
花を接写して大きく写す
花の撮影では何と言っても接写が魅力ですね。
花の接写は、マクロ撮影と呼ばれ、花の撮影が趣味の方々は非常に多いですね。
通常の標準レンズ(焦点距離が50mm程度のレンズ:35mm換算にて)でもある程度は、花に近付いて撮影することは出来ますが、
マクロレンズは接写に優れたレンズになりますので、
標準レンズよりも、さらに被写体にレンズを近づけて撮影をすることが出来ます。
そしてマクロレンズは、ボケが綺麗なことも特徴のひとつです。
絞りを開放気味(F2.8など)に設定することによって、綺麗なボケ味を表現することも出来ますので、植物の撮影では必須ともいえる表現力だと思います。
マクロレンズは単焦点レンズに属しますので、初めての交換レンズでどのレンズにしようかお悩みの方には特にお勧めできるレンズになります。
もちろん希望する焦点距離や、ズーム機能が付いているレンズなど、初めから欲しいレンズの種類がある場合は別ですが、そろそろ交換レンズを増やしてみたいと考える初心者の方には、単焦点マクロレンズが断然お勧めです。
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植物の撮影に便利なカメラ機材
三脚とリモートスイッチ
植物の撮影では三脚を使って撮影することがあります。
サクラなどの撮影から、庭園の撮影、または趣味の園芸で栽培している植物の撮影でも、三脚を使って撮影を行うことがあります。
写真は、ベルボンの三脚 EX-640 N へ、Canon EOS 6D Mark II を付けた外観写真になります。
三脚は、景色などの風景写真などの撮影ではあるととても便利です。
また、フラワーガーデンなどでも三脚や一脚を使うことのできる庭園では、カメラを固定して撮影出来れば手振れを防ぐことも出来ますし、構図をきっちり固めて撮影に挑むことも出来ます。
三脚は、たくさんのメーカーからラインアップされており、価格帯も幅が広くて三脚の種類も豊富です。
誰もが初めは自分に合った三脚がどれなのかで迷うことと思います。
ベルボンの三脚 EX-640 Nは、コストパフォーマンスに優れたファミリー三脚シリーズに分類される三脚になりますので、初心者の方からベテランの方まで幅広く人気があります。
また、三脚を使った撮影では、リモートスイッチもあると便利です。
リモートスイッチは、シャッターを切ることの出来る外部機器になります。
写真のリモートスイッチは、EOS6DMarkII で使用しているリモートスイッチ「RS-80N3」になります。
リモートスイッチは、カメラボディに触れることなくシャッターボタンが切れますので、手振れを完全に防ぐことができ、決めた構図もずれることなく確実に撮影を行うことができます。
三脚での撮影の際には、リモートスイッチは必須ともいえるカメラアクセサリーになります。
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PLフィルターを使った植物の撮影
円偏光フィルターをレンズに付ける
PLフィルターとは、カメラレンズに取り付ける偏光フィルターのことを言います。
一般的なデジタル一眼レフカメラには、C-PLフィルター(円偏光フィルター)を使います。
C-PLフィルター(円偏光フィルター)をレンズに付けることによって、被写体から発する光の反射を防ぎつつ、コントラストを高めた撮影を行うことができます。
C-PLフィルターは、交換レンズの径ごとに、種類が豊富にありますので、フィルター径に合わせた偏光フィルターを用意するようにします。
偏光フィルターを使うことによって、コントラストを高めた撮影が出来るということは、花はより鮮やかに写すことが出来ますし、紅葉はより真っ赤に撮影することが出来ます。
または青空はより青々と、水面は光の反射を抑えてクリアに水面を写すことも出来ます。
植物栽培の記録写真や花の撮影において、C-PLフィルターはとても重宝するレンズフィルターになりますので、単焦点マクロレンズには、C-PLフィルターを付けることをオススメします。
コントラストを高めることは、フォトショップなどのレタッチソフトでも加工編集することは出来ますが、偏光フィルターを使って撮影した画像は、より自然な雰囲気で鮮やかに記録することが出来ます。
ただし、偏光フィルターは晴天時に最も効果を発揮しますので、曇天の曇り空の日はもちろん、太陽光が遮られた環境下では、効果があまりでませんので、明るく晴れ渡った日に使うようにしましょう。
また、室内における照明下でもPLフィルターは効果を発揮しますので、室内での物撮りにおいても試してみる価値はあります。
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