カモミールには大きく分けて二種類の品種があります
ローマンカモミールは多年草、ジャーマンカモミールは一年草になります。
どちらも可愛らしい小さな白い花を咲かせ、リンゴのような香りを思わせるフルーティーな香りが特徴になります。
カモミールティーなどに利用される花は、主にジャーマンカモミールの花を利用します。
対してローマンカモミールは、芝生のように育てることが出来ますので、グランドカバーとして栽培することができます。
目次
- ジャーマンカモミールの種蒔き
- ジャーマンカモミールの苗の植え付け
- ジャーマンカモミールの花
- ジャーマンカモミールの花の収穫
- ジャーマンカモミールの種の収穫
- ジャーマンカモミールのハーブティー
- ローマンカモミールの育て方
- ローマンカモミールの植え付け
- 長雨を避けて鉢植えを管理する
- ローマンカモミールの葉
- ローマンカモミールの葉の剪定
- ローマンカモミールの葉の収穫
- ローマンカモミールの葉の乾燥
- ローマンカモミールの花
- ローマンカモミールの肥料
- ローマンカモミールの冬越し
- ローマンカモミールの増やし方
- ローマンカモミールの取り木のやり方
- ローマンカモミールの株分けのやり方
- ローマンカモミール害虫駆除と病気の治療
ジャーマンカモミールの種蒔き
種蒔きから栽培を始める
ジャーマンカモミールを育てる場合は、何と言っても種を蒔いて育てることをお勧めします。
春先になると、苗を購入して栽培を始める事も出来ますが、一株では花の収穫量に限りがありますので、種を蒔いて複数の株を栽培した方が、花の収穫量が断然増えますので、ジャーマンカモミールの栽培は種を蒔いて育てる方が、ローコストで尚且つ効率的です。
ジャーマンカモミールは一年草ですので、種蒔きの時期は、春先に行うようにします。
春先に蒔いた種がやがて発芽し、気候が暖かくなるにつれて開花が始まり、やがて秋口には枯れていきます。
種を蒔く際は、育苗ポットで栽培を始めた方が管理がしやすくなります。
目次へ戻る
ジャーマンカモミールの苗の植え付け
ジャーマンカモミールの発芽の様子
種蒔き後、順調に発芽をしてから暫く経過した苗の様子です。
後はもう少し大きく成長した後、大きめのプランターに苗の植え付けを行います。
ジャーマンカモミールの株は、一株では花のボリュームも収穫量も少なくなってしまいますので、プランターで育てる場合は適度な間隔を空けて、複数株を植え付けるようにした方が見栄えが良くなりますし、収穫量にも期待が出来るようになります。
ジャーマンカモミールの苗をプランターに植え付ける間隔は、こんな具合に行います。
あまり混みあって植え付けてしまうと、お互いの成長を阻害してしまう恐れがありますので、適度な間隔を保って植え付けを行いましょう。
目次へ戻る
ジャーマンカモミールの花
ジャーマンカモミールの花の写真
リンゴのような香りを思わせるフルーティーな香りが特徴になります。
ローマンカモミールは葉の芳香が優れているのに対し、ジャーマンカモミールは花の芳香性が優れています。
その為、カモミールティーに利用する花は、主にジャーマンカモミールの花を利用します。
一つの株に対して複数輪の花を咲かせますので、株の間隔は適度にあけてあげる事が望ましいです。
そしてジャーマンカモミールは陽射しを好みますので、日当たりが良く風通しの良い環境で栽培を継続して行けば、開花数が断然多くなります。
ジャーマンカモミールの花が群生して一斉に咲く光景はとても綺麗ですので、複数の株を同時に栽培する事をお勧めします。
目次へ戻る
ジャーマンカモミールの花の収穫
花の収穫方法と収穫時期
ジャーマンカモミールの花は、気候が暖かくなってくると一斉に咲き出します。
ジャーマンカモミールの花の収穫の時期は、花が十分に精油を蓄えた頃が収穫時になります。
収穫した花は、乾燥させてハーブティーなどに利用されます。
カモミールの収穫した花は、風通しの良い日陰か屋内で乾燥させます。
十分に乾燥した花は、煮沸消毒をしたジャム瓶などに、食品保存用の乾燥剤と共に保存するようにしましょう。
目次へ戻る
ジャーマンカモミールの種の収穫
ジャーマンカモミールの花は、やがて結実すると種になります。
種を収穫したい場合は、開花後の花をそのまま放置して、種が結実して乾燥するまで待つようにします。
種の収穫時期は特に決まってはおらず、開花した花から順番に種に変化していく感じです。
写真のように、種がぽろぽろと落ちて来る頃にはすっかり種が出来上がっている状態なので、種を収穫したい場合はこれくらいの頃合いに収穫するようにします。
収穫した種を、来年に蒔きたい場合は消毒したジャム瓶などに入れて保存するようにしましょう。
ちなみに、市販されているジャーマンカモミールの種に比べ、自身で苗から育ててやがては花が咲き、そしてその花から収穫した種は、発芽率があまり高くはなりません。
こぼれ種が、来年になって一斉に芽吹くことはほぼ無いのが、発芽率が高くはないという裏付けになります。
まあ、それでも種のほとんどが発芽しないという訳ではありませんので、収穫した種から再び栽培を始めるという事も世代を感じる事が出来てそれはそれで楽しいことではありますね。
目次へ戻る
ジャーマンカモミールのハーブティー
ジャーマンカモミールのハーブティーは、数あるハーブティーの種類の中でも定番ですよね。
スーパーなどのティー用品売り場でも、パッケージ化されたカモミールティーは人気があります。
カモミールティーの特徴は、リンゴを想わせるフルーティーな香りが特徴になります。
ハーブティーの中でも飲みやすく、飽きの来ない味わいだと思います。
また、ステビアの葉をブレンドして天然の甘味料を加えてみたり、ミルクを加えると、味がまろやかになってお勧めです。
ハーブティーの入門と言ってよいほど、ジャーマンカモミールのハーブティーは定番です。
ジャーマンカモミールの栽培は、どちらかと言うと育て方が簡単な部類のハーブ栽培になります。
そのため、栽培が上手くいくと花をたくさん咲かせて、ハーブティーを思う存分楽しむことが出来ますので、栽培から収穫、そしてハーブティーにして楽しむという醍醐味は、家庭菜園ならではの楽しみ方だと思います(笑)
目次へ戻る
ローマンカモミールの育て方
ローマンカモミールは、キク科に属する多年草のハーブになります。
ローマンカモミールの特徴は、匍匐性になりますのであたりに広がるように成長し、グラウンドカバーとして芝生のように栽培することができます。
また、ジャーマンカモミールは花からの芳香が強いのに対して、ローマンカモミールは葉からの芳香が強いです。
ヨーロッパでは、ローマンカモミールをグランドカバーとして栽培することが人気があり、庭に出ると、踏むごとにリンゴを思わせるフルーティーな香りを楽しむことができます。
目次へ戻る
ローマンカモミールの植え付け
ローマンカモミールの新苗を、プラスチックタイプのプランターに植え込んだ写真です。
9月に新苗を購入して植え込みました。
ローマンカモミールの育て方としては、ローマンカモミールは、日当たりが良く少し乾燥気味の環境を好みます。
そのため、十分な陽射しと低い湿度の条件が整わないと、芝生のようなグラウンドカバーになるまでは、なかなか育ってはくれません。
また、日当たりが悪く、湿度の高い場所では這うように広がる前に、段々と枯れてしまうケースも多いです。
従って、ローマンカモミールを芝生のようにグラウンドカバーとして栽培するには、日照と湿度の条件が重要になります。
新苗の段階ではまだまだ小振りですが、草丈は大きくなると約30cm程に成長します。
ローマンカモミールの場合は、草丈と言うよりか、葉が這うようにして広がるように成長していきますので、親株が充実するほど子株が増えていきます。
新苗の植え付けから暫くは成長速度は少し遅めですが、植え込みから一年後くらいからは、どんどん大きく成長していきますので、気長に栽培を継続させましょう。
目次へ戻る
長雨を避けて鉢植えを管理する
ローマンカモミールは湿度が苦手
雨が降る日は栽培している植物に、水を与える手間が無くなって楽なこともありますが、植物の種類によっては長雨を苦手とする品種も結構多いです。
ローマンカモミールは長雨を苦手として雨降りには弱い性質があります。
長雨に株が長時間さらされることにより、株元が蒸れてしまったり、根腐れがおきてしまったり、カビなどの病気が発生してしまうこともあります。
雨の日が長引くと、株の成長が阻害されて株が弱ってだんだんと枯れ始めてしまうこともあります。
ローマンカモミールの鉢植えで栽培では、気候によって鉢を手軽に移動することが出来ます。
鉢植えの置き場所を変えることが出来るのは、植物栽培にとって大きなメリットになります。
また、梅雨の時期などでは鉢植えの土の表面が湿気を帯びていて乾いていない時は、水やりの頻度を少なくして少し乾き気味に栽培をすることも有効です。
梅雨の時期や長雨の続く時期などでは、軒下などの雨が直接当たらない場所に鉢植えを一時的に移動することによって、雨による植物の健康被害を軽減することが出来ますので、天気予報を確認しながら、長雨を避けるようにして上手に鉢植えを置く場所を管理して行きましょう。
目次へ戻る
ローマンカモミールの葉
ローマンカモミールの葉は、キク科特有の細くて長い葉の形が特徴になります。
葉をこすると、リンゴの様なフルーティーな香りがします。
ローマンカモミールの葉は、直接、食用として利用するよりも、ハーブティーなどの飲み物に利用したり、香りを生かしたポプリなどの芳香剤として幅広く利用されています。
また、茎は直立せずに、株元より這うようにして伸びます。
親株から伸びた茎を部分的に土に埋めると、そこから新たに根が伸び出して子株が増えていきます。
このようにして親株から子株が増えるとグランドカバーとして育てることができます。
目次へ戻る
ローマンカモミールの葉の剪定
ローマンカモミールの葉は、栽培条件が良いと葉がどんどん成長して伸び出します。
写真は、鉢植えからはみ出すほど葉が伸びている状態となります。
時期は7月の上旬になり、このまま放置してしまうと鉢植えから更にはみ出るようにして葉が伸びてしまい、株元から葉が伸びにくくなってしまいますので、剪定をして樹形をコントロールする必要があります。
写真は剪定後のローマンカモミールの鉢植えの様子です。
鉢植えからはみ出してしまった葉をカットして、さらに株元の蒸れ防止として、空気が流れやすくするために株元の茎を数本刈り取って、株元をすっきりさせました。
このようにしてローマンカモミールを鉢植えで栽培する場合は定期的に樹形を整えるように剪定をすることが大切です。
剪定をして切り取った葉は料理などに使うことも出来ますので、剪定と収穫とを上手にこなしながら栽培を継続していきます。
目次へ戻る
ローマンカモミールの葉の収穫
ローマンカモミールの葉は、写真のように葉を刈り取るようにして収穫します。
また、ローマンカモミールは株元の蒸れに弱いので、
株元が蒸れないように剪定を兼ねて、株元より葉の収穫を行うことが有効です。
目次へ戻る
ローマンカモミールの葉の乾燥
ローマンカモミールの葉は、収穫後、乾燥させて保存することが出来ます。
葉の乾燥方法は、収穫した葉にホースなどで水をかけて、土などの付着した汚れを洗い流します。
次に新聞紙の上に広げて付着した余分な水分を飛ばした後、直射日光の当たらない室内の風通しの良い場所で、逆さ吊りにして乾燥させるようにします。
乾燥した葉は、煮沸消毒をしたジャム瓶などを使って、食品保存用の乾燥剤と共に保管するようにします。
ドライのローマンカモミールの葉は、ハーブティーやポプリなどで使うことが出来ます。
目次へ戻る
ローマンカモミールの花
ローマンカモミールの花の写真
ローマンカモミールの花の写真です。
ローマンカモミールは、ジャーマンカモミールと同じような花形になります。
見た目ではそれほど違いはありませんが、ローマンカモミールの花は、ジャーマンカモミールのようにハーブティーなどでは使われません。
ローマンカモミールのリンゴに似た芳香は、花よりも葉の芳香性が強いので、グランドカバーとして芝生のように育てることに人気があります。
また、ローマンカモミールは多年草に属しますので、グランドカバーとして栽培年数を重ねることも出来ます。
ジャーマンカモミールでは、花の芳香性が強いのに対して、ローマンカモミールの場合は、花よりも葉の芳香性が強いのが特徴になりますので、ローマンカモミールの花は、観賞用として楽しむことが一般的です。
目次へ戻る
ローマンカモミールの肥料
ローマンカモミールの栽培では、定期的に追肥を与えることが大切です。
追肥を与える時期は、3月、6月、9月が適した時期なりますので、それらの月を目安に追肥を与えるようにします。
目次へ戻る
ローマンカモミールの冬越し
ローマンカモミールは、多年草に属しますので越冬することができます。
そのため、真冬でも地上部が枯れ果てることなく冬を越します。
無事に越冬したローマンカモミールは、気候が安定してくる3月頃より再び青々とした葉を伸ばし始めます。
目次へ戻る
ローマンカモミールの増やし方
ローマンカモミールは、挿し木や取り木で株を増やすことが出来ます。
ローマンカモミールの挿し木のやり方
挿し木で株を増やすには、水挿しを使って挿し穂を発根させてから挿し木をするようにすると、挿し木の成功率が高くなります。
カットした茎の節からは、一週間ほどで根が伸び出しますので、ある程度根を成長させてから挿し木をするようにします。
次に挿し木を行う鉢は、3号程度の素焼きの鉢に挿し木をします。
小鉢では、水を与えても鉢が小さい為、土が乾燥しやすいので、受け皿を利用して水切れに注意をしましょう。
また、小鉢での栽培は、強い日射しに弱いので、直射日光にはあまり当てないようにします。
挿し木した挿し穂が、ある程度成長してきたら、一回り大きな鉢へ植え付けて、株の成長を促しましょう。
目次へ戻る
ローマンカモミールの取り木のやり方
ローマンカモミールは取り木で簡単に子株を増やすことが出来ます。
親株の長く伸びた茎を選んで、茎の中心あたりをソフトワイヤーを使って土に少し埋めます。
ソフトワイヤーを挿した後は、軽く土を被せておきます。
土に埋めた茎の部分からは、やがて根が伸び出しますので、十分に根付いたら親株側の茎をカットして子株を増やします。
ソフトワイヤーにはあらかじめ紐を付けたり小石を乗せるなどして、
取り木をした位置に目印を付けておくようすると取り木の位置が分かりやすくなります。
また、小石は茎の浮き上がりを防ぐ効果もありますので、ソフトワイヤーで茎を固定して、更に茎が浮き上がらないように小石を乗せれば、取り木の成功率は高まります。
取り木をして、茎から発根し、子株が育つまではおよそ30日程度を目安に観察を続けます。
取り木をした茎の先が良く伸び、発育状況が良くなれば取り木は成功です。
後はソフトワイヤーを取り除き、親株側の茎をカットして子株と切り離し、子株をスコップで土ごとすくい上げて、新たに植え付ければ、株の更新になり新しい親株として栽培することができます。
または鉢から株全体を引き抜いた後、株分けを行い、ソフトワイヤーを取り除いて、分けた一株を植え付けて新たに栽培を始めることも出来ます。
目次へ戻る
ローマンカモミールの株分け
取り木で増やした子株を分ける
ローマンカモミールは株分けをして株を増やすことが出来ます。
正確には、親株より這うようにして広がったローマンカモミールの子株を分けることになります。
鉢植えでの栽培では、自然に子株が増えるケースはあまりありませんので、人工的に取り木を行って子株を増やす必要が有ります。
今回は、事前に取り木を行って増やした子株を株分けしてみようと思います。
写真は、ローマンカモミールを取り木で増やした鉢植えです。
鉢は6号の素焼きの鉢植えになります。
鉢に隙間なくローマンカモミールの子株を取り木で増やしていますので、葉のボリューム感が出ています。
それでは実際に株分けを行っていきたいと思います。
写真は、6号鉢から引き抜いたローマンカモミールの根鉢です。
根がびっしりと張っている状態となります。
このままの根鉢の状態では、新しく根を張ることが窮屈になってしまい、健康的に成長することを阻害してしまう恐れがありますので、株分けをして根詰まりを解消させます。
写真は、株を二つに分けた状態です。
事前に取り木を行い、子株を4株程度に増やしておりましたので、正確には2株ずつ程度に分けた状態です。
株を分けると同時に古い根と、細い根は軽くむしり取っておき、新たに根が生えやすいように軽くほぐしておきます。
また、根に付いた土は無理に取らずに極力、付いたままにして根に負担をかけないようにします。
株分けしたローマンカモミールの株は、6号の素焼きの鉢から、新たに8号の素焼きの鉢に植え付けました。
株と鉢のスペースに余裕が出来たために、新たに根が伸びやすくなりますので、暫くはこのまま栽培を継続できます。
株分けを行うことによって、根詰まりの解消と株の更新とを同時に行えますので、株の成長具合を観察しながら、株の更新作業をしていくようにします。
目次へ戻る
ローマンカモミール 害虫駆除と病気の治療
アブラムシと病気の予防
ローマンカモミールの栽培では、アブラムシやハダニなどの害虫の被害に遭うことがあります。
病害虫の予防には日当たりが良く風通しの良い環境で栽培をすることが大事です。
目次へ戻る