チャイブの栽培
西洋アサツキとも呼ばれるネギの仲間
チャイブは、日本で言う所のワケギなどの「ネギ」に似ているハーブの仲間になります。
和名では「西洋アサツキ」とも呼ばれ、ハーブ栽培の初心者でも簡単に育てられるハーブの種類として知られています。
チャイブは、ヒガンバナ科に属するハーブで、育て方としては多年草なので、一度植え付けてしまえば手入れ次第で毎年、たくさんの葉の収穫を楽しむことが出来ます。
チャイブの栽培の楽しみ方としては、葉が伸びてきたら切って収穫、そして葉が再び伸びては切って収穫と言った具合に、チャイブは生命力に溢れ、いくら葉を収穫しても葉が再びどんどん伸びだしますので、葉の収穫と食べることを大いに楽しめるハーブ品種になります。
目次
チャイブの株分け
チャイブの株の増やし方
チャイブは、プランターや素焼きの鉢などに植え付けて栽培することが出来ます。
写真のチャイブは、プランターで育てていた株になります。
栽培年数は2年ほどになる株です。
プランターよりも、6号くらいの素焼きの鉢の方が管理がしやすいと思いましたので、丁度良い機会なので、株分けして植え付けをしてみました。
株分けを行った時期は、七月の中頃です。
八月の暑い時期では植え付け時に株が疲弊してしまう事を避けたかったので、本格的に気候が暑くならないうちに作業を行いました。
早速プランターに植え付けたチャイブの株を、スコップで根を土ごと掘り起こして少し根をほぐして二株程度に分けました。
(正確には四株ほどですか、根のまとまり具合と株の大きさ的に二株として扱いました)
根が成長していて複雑に絡み合っていますので、ある程度土と根をほぐしたら、
株を二株に分ける為にぶちぶちっと少しくらいは根が切れてしまっても大丈夫です。
根に付いている土は神経質にすべてを取り除かなくても大丈夫ですので、株が弱らないようになるべく優しく扱います。
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チャイブの苗の植え付け
さて、無事に株を二株分に分ける事が出来たら苗を植え付けていきます。
植え付けに使用した鉢は6号の素焼きの鉢になります。
一株を一つの鉢に植え付けて、二鉢分植え付けを行いました。
なぜ素焼きの鉢に植え直したかと言うと、チャイブの株は広がるように成長しない為、横長タイプのプランターでは場所が余り過ぎてもったいなく感じたからです。
そして栽培には6号ほどの鉢でも全然問題は無いですね。
大きく育つとしても草丈は30cm程までしか成長しませんので、大きすぎるプランターも鉢も必要ないということです。
大きいプランターや鉢で栽培する場合は、株を何株か等間隔に植え付けて、収穫量を増やしたい、という場合は有効な栽培方法であると言えます。
さて、植え付けには鉢には予め赤玉土を少量敷いて、一般的な野菜用の用土を利用して植え付けました。
植え付けの際には根を極力広げるようにして植え付けを行います。
植え付けの後は、十分に水を与えて日当たりが良く風通しの良い場所で管理するようにします。
早速ですが、株分けして植え付けた後の成長具合です。
株分けをして植え付けを行ったその後のチャイブの写真です。
無事にすくすくと葉が成長していることが伺えます。
写真でも解るように、チャイブは株が広がるようには成長しません。
いわゆる匍匐するように広がる性質は有りません。
チャイブの増え方は、株の中心部付近の根から新たに発芽してくる増え方になりますので、一株分の栽培スペースはそれ程大きくとる必要はないです。
イメージとしては、農家の方が畑で育てられている長ネギと同じような成長の具合になります。
そのようなこともあり、鉢植えでの栽培では6号から8号ほどの素焼きの鉢が手入れがしやすいのでおすすめです。
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チャイブの花
チャイブは薄いピンク色、または薄紫色の花を咲かせます
チャイブは、ネギの仲間になりますので、ネギの花特有のネギ坊主を葉の先端に付けます。
開花の時期は、5月辺りから気候が暖かくなると共に咲き出します。
開花した花は、そのまま放置しておくと、やがて結実して種が出来ます。
種が出来るとぽろぽろと、こぼれ落ちやすい性質がありますので、いわゆるこぼれ種を多く収穫できるようになります。
こぼれ落ちた種は、やがて芽吹き、とても細いチャイブが伸び出します。
葉の形が伸びたてはとても細くても、葉の形でチャイブの新芽だと解りますので、こぼれ種から発芽したチャイブはそのまま育てれば、新たな株として育てることも出来ます。
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チャイブの葉の収穫
刈り取るようにしてチャイブは葉を収穫します
チャイブの葉の収穫時期は、春から秋口辺りまでです。
葉の収穫の方法は、株元付近から葉を刈り取るようにして収穫します。
写真のように株元から葉を刈り取るようにします。
写真では一株分丸ごと収穫しましたが、必要分の本数のみを収穫するようにしても問題は有りません。
収穫後の株は背丈が短くなってしまいましたが、再び元気にみるみる伸び出してきます。
このような収穫のサイクルは、春から秋まで続けられますので、数株分を栽培していれば、一株ずつ収穫のタイミングをずらしながら収穫が行えますので、チャイブの栽培は、消費量に合わせて株数を調整する事をお勧めします。
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チャイブの肥料
固形肥料をチャイブの株に与える
チャイブの栽培には定期的な追肥を行うようにします。
毎年計画的に追肥を行えば、成長スピードは上がりますし、収穫量も増えてきますので、追肥は大事な手入れのひとつになります。
追肥は、一般的な野菜用の追肥か、ハーブ用の固形肥料を適量与えるようにします。
追肥を与える時期は、3月から4月あたりの春の時期、そして9月から10月あたりの秋の時期の2回が目安になります。
理想の間隔は6カ月周期が目安になります。
春先に追肥を与えるのは、気候が暖かくなってくるに伴い、成長のスピードが速まる為に、株に栄養を与える為になります。
そして秋口に追肥を与えるのには、夏バテ気味の株に再び栄養分を届けてあげると共に、株が越冬できるようにエネルギーを与えておく為です。
追肥を行うかどうかで、株の成長力は大きく変わってきます。
的確な栄養分が必要な時に株に届けられれば、葉の収穫量が増しますし、株も元気に育ちますので、追肥は怠らないようにしましょう。
また、チャイブの苗の植え付けを行ったばかりの頃には、追肥は必要ありません。
植え付けを行う際に使用する一般的な野菜用の用土には、あらかじめ肥料の成分が混ぜられている物が多いので、苗の植え付けを行ってから約2カ月ほどは、追肥の必要は有りません。
例えば4月に苗の植え付けを行った場合は、6月辺りに追肥を行い、そして10月辺りに再び追肥を与えるようにします。
その際、6月と10月では4カ月ほどの間隔しか有りませんので、10月に与える追肥の量は、少な目に分量を調整して与えるようにします。
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チャイブの冬越し
越冬するチャイブの鉢植え
チャイブは多年草に属しますが、一年中収穫が楽しめるという事ではありません。
チャイブの株の成長サイクルとしては、春に発芽、そして開花、夏に最盛期、秋に枯れてきて、冬には地上部はぼぼ枯れ果てます。
そして春に再び発芽、と言った感じの成長サイクルになります。
収穫を楽しむ事の出来る時期は、春から秋口あたりまでと言う感じです。
写真のチャイブの株は、まさに冬越し中の一月で、地上部の葉はほぼ枯れています。
チャイブの栽培が初めての方は、これで株は枯れてしまったと思う方もおられるとは思いますが、地上部が枯れてしまっただけで、地中の根は生きています。
チャイブの越冬は地上部の葉は枯れてしまいますが、根は健康的な白い色をしていて健在です。
チャイブに限らず多年草に属するハーブの種類は、冬季は地上部が枯れてしまっても春には再び発芽します。
茎や葉が枯れてしまったら栽培が終わりだと感じてしまう気持ちは解りますが、
地中の根はじっと春の訪れを待っています。
再び気候が穏やかになり春の陽気が感じられる頃には、冬越しを終えて発芽します。
写真のように春先には再びチャイブは根元より発芽して来ます。
発芽の時期は、3月の初めくらいには芽吹き出します。
そして5月頃には花が咲いて、夏には成長が最盛期を迎え、秋には成長が緩やかになり冬には再び地上部は枯れる、と言うような成長のサイクルを繰り返します。
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チャイブをコンパニオンプランツとして寄せ植えする
チャイブには害虫を寄せ付けない忌避効果があると言われています。
ヒガンバナ科 ネギ属 に分類されるネギ類は、アブラムシなどの害虫が嫌う性質をもっているようなので、コンパニオンプランツとしてチャイブを寄せ植えすると有効であると言われています。
また、土壌の病原菌を抑制する効果にも期待が出来ます。
家庭菜園で栽培されることの多い夏野菜の定番、「トマト」「ナス」「キュウリ」のコンパニオンプランツとしてチャイブは相性が良いとされています。
また、バラの傍らにチャイブを寄せ植えすると、害虫忌避はもちろん黒星病などの病気の予防になるとして、バラとの寄せ植えとしても人気があります。
バラとチャイブの混植は古くから行われていますので、コンパニオンプランツとしての効果は園芸家にとっては実証済みと言えるでしょう。
コンパニオンプランツは、科学的に解明されていることが少なく、ガーデナーたちの経験によるものになりますので、より実践に適したガーデニングの手法と言えます。
チャイブの混植は、確かに害虫の忌避効果があることが実感しやすいと思いますのでお試しください。
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