スイートバジルの栽培
バジルの品種紹介
バジルには何種類かの品種がありますが、園芸コーナーなどで販売されている一般的な食用のバジルは、スイートバジルと呼ばれています。
スイートバジルは、シソ科の1年草になりますので、春先に植えた種から苗が育ち、秋口には枯れてしまします。
特別なビニルハウスでのバジル栽培は、季節を問わず年間を通して行えますが、一般的な家庭菜園でのバジルの栽培は、春から秋までの期間になります。
バジルの葉は、最もポピュラーな料理の使い方としましては、マルゲリータピザに葉を乗せたり、葉を細かくしてバターに混ぜたりと、その個性的な風味は多くの人に好まれています。
バジルの葉はピザのマルゲリータでは生のフレッシュな葉を利用することが主流ですが、乾燥させたバジルのドライな葉を振りかけて使うこともあります。
このようにバジルの葉はフレッシュな葉をそのまま食べることも出来ますし、
乾燥させてドライで使うことも出来ます。
バジル栽培は、手間がかからずにとても簡単なので、バジルの風味が好きな方は、家庭菜園で栽培することをおすすめします。
目次
- スイートバジルの種蒔き
- スイートバジルの苗の植え付け
- スペアミントの葉の収穫
- スイートバジルの葉の乾燥
- スイートバジルの花
- スイートバジルの害虫駆除と病気の治療
- スイートバジルの増やし方 挿し木
- スイートバジルの冬越し
- スイートバジルの葉を料理で使う
- バジルソースをステーキ肉へかける
- バジルソースをムニエルにかける
スイートバジルの種蒔き
バジルの種を育苗ポットに蒔いた写真です
連結ポット(育苗ポット)はホームセンターなどの園芸用品売り場にて購入が出来ます。
使用した用土は、一般的な野菜用の用土で十分です。
発芽、育苗用の専用用土も販売はされていますが、バジルは普通の野菜用土でも発芽も育苗も大丈夫です。
連結ポットのマスには二粒ほどずつ蒔くようにして、片方が発芽しなくとももう一粒は発芽するように、保険として二粒ずつ蒔くようにします。
この連結ポットでの栽培中は、半日陰で管理するようにします。
連結ポットのそれぞれのマス目に入れられる土の量はごく少量ですので、
陽射しの強い環境下に置いてしまうと、水やりを行ったばかりだとしても、
みるみる土が乾燥してしまい、発芽するまでには好ましい環境とは言えませんので、半日陰においてやり、土が乾燥しにくくするようにしてあげるのが無難です。
その為、毎日の水やりは、土が乾燥しきってしまわないように注意が必要です。
やがて無事に発芽するとこんな感じになります。
初めに発芽した芽を残し、後から発芽してきた二つ目の芽は間引くようにします。
なぜ、二つ目の芽を間引いて取り除いてしまうかと言うと、
最初に発芽してきた芽の方が、成長力があり元気がある証拠である為です。
二つ目に発芽してきた芽は、成長速度が遅い可能性がある為、間引いてしまう方が賢明と言えます。
ここまで栽培を続けてきたら、後は新苗と呼べるくらいの大きさまでこのまま栽培を続けていきます。
スイートバジルの苗の植え付け
連結ポットからプランターへ植え替え
連結ポットで育ててきた新芽がある程度の大きさまで育ったら、
プランターに植え付けを行う時期になります。
ここまで新芽が成長したら、新苗と呼ぶ方が適していますね。
育苗ポットから必要分のバジルの苗を取り出し、大きめのプランターに植え付けていきます。
植え付けの間隔は、おおよそ20cm位は空けるようにします。
あまり混みあって植え付けてしまうとその後の生育には適しませんので、
植え付けの間隔は大きめにとる方が無難です。
また、これ位の大きさまでバジルが育ちだすと、ナメクジが葉を食べに来る可能性が高くなってきます。
まだ、茎も葉も大きく育っていない段階で、ナメクジの食害にあってしまうと苗は大いに疲弊してしまいますので、ナメクジを見つけたらすぐに取り除くようにします。
植え付けにはプラスチックタイプの横長のプランターに植え付けました。
バジルの苗の植え付けの方法は特に難しい事もなく、育苗ポットより土ごと取り出してプランターの鉢に優しく植え替えただけです。
その際に、土ごと苗を取り出して、根にからみ付いた土は取り除く必要はありません。
根に付いた土ごと新たに植え付けるようにします。
さて、無事新苗の植え付けが終了しました。
後は日当たりの良い場所で栽培を続けるようにします。
植え付け後の栽培のポイントは、日当たりの良い場所で育てる事。
これに尽きます。
バジルは日光を大変好むハーブになりますので、日当たりの良さが収穫量に繋がってきます。
丈夫で健康的に育てたい場合は、少しでも日当たり条件の良い場所で栽培をするようにします。
そして毎日の水やりを欠かさないように栽培しましょう。
※雨が前日に長い間、降っていたり、当日に雨降りが見込めるような日は、水やりは行う必要が有りません。
あくまで水やりは、土が乾燥気味になった段階で行う事が好ましいです。
スイートバジルの葉の収穫
バジルの葉の収穫方法
さて、いよいよスイートバジル栽培の佳境に入ります。
種蒔きから発芽、苗の育成、苗の植え付けと進み、やがては立派な株に育ちます。
株が大きく成長してきた段階からは、葉の収穫が出来るようになります。
夏の最盛期にはこれほどまでに大きく成長します。
ここまで大きく成長する前にも葉を収穫する事は出来ますので、
株の成長具合を考慮しつつ葉を収穫するようにしましょう。
バジルの葉の収穫方法は、茎の先端付近の若い葉が食用に適していますので、
必要分の葉をちぎって収穫します。
また、一気に複数枚の葉を収穫してしまいたい場合は、剪定がてら、茎ごと刈って収穫します。
茎の中間部よりも上部の方をカットする場合は、摘心に繋がりますので、枝が増えるようになります。
茎の下の方を刈ってしまうと、その株は脇芽が出なくなってしまい、
栽培は終了になります。
バジルの栽培を続けつつ収穫したい場合は、必要分の葉をちぎって収穫したり、茎の上部付近を刈って収穫するようにし、
一気に葉を収穫して栽培を終わらせたい場合は下部の茎をカットするようにしましょう。
収穫したバジルの葉は、生のフレッシュな状態で食用に出来ます。
また、乾燥させてドライで保存する事も出来ます。
マルゲリータのように、数枚の葉が必要な場合は葉をちぎって収穫するようにします。
また、写真のように、茎ごと一気に収穫する利点は、このまま複数本をまとめて縛って逆さ吊りにして乾燥させることが容易になります。
乾燥バジルを作りたい場合に適した収穫方法と言えます。
スイートバジルの葉の乾燥
バジルの葉を乾燥させて保存する
収穫したバジルの葉は、乾燥させれば長期保存が可能になります。
収穫したバジルを乾燥させて保存するやり方は、まず茎ごとバジルの葉を収穫します。
流水で汚れなどを落とし水を切ります。
次に日の当たらない風通しの良い場所で、そのまま逆さ吊りにして乾燥させます。
そして葉が十分に乾燥したら、茎から葉を取り除いて煮沸消毒した瓶詰などに、食品保存用の乾燥剤と共に入れて保存するようにします。
乾燥したドライのバジルの葉は、ピザに振りかけるなど料理用に利用できますのでおススメの保存方法になります。
スイートバジルの花
バジルの花は、茎の先端付近に白い花を、下から上へと順序よくぽつぽつと咲かせていきます。
開花の時期は、夏の初め頃から咲き出します。
開花のタイミングはほぼ全ての茎に付く花芽が一斉に開花しだしますので、バジル栽培の最盛期がそろそろ終わりを迎える頃だという事を教えてくれます。
ちなみに、バジルは多年草ではなく一年草に属するハーブ品種になりますので、
秋口には株はいよいよ枯れだし、その年のバジルの栽培は終わりになります。
それまでの間、少しでも葉の収穫量を増やしたい場合は、花の開花と結実のためのエネルギーを株に消費させないために、花は咲かせないようにします。
バジルの茎に花芽が付き出すと、バジルの株は開花の為にエネルギーを集中して費やしてしまい、肝心の茎や葉の成長がおろそかになってしまいますので、葉の収穫を目的とする栽培では、花芽が付いたら早々に花芽を茎ごと切り落としてしまうようにします。
また、花が開いてしまったとしても、出来るだけ早く花を茎ごとカットして、株に余分なエネルギーを消費させないようにします。
花芽も花も早々に切り落としてしまった方が、株は茎や葉の成長に再びエネルギーを廻すようになりますので、秋口までの暫くの間、葉の収穫時期を伸ばすことに繋がります。
スイートバジルの害虫駆除と病気の治療
バジルのアブラムシ対策とうどんこ病の予防
バジルの栽培では、害虫の被害に遭うことや、葉に病気が発生することもあります。
バジルの病害虫の予防には日当たりが良く風通しの良い環境で栽培をすることが有効です。
スイートバジルの増やし方 挿し木
挿し穂を育ててバジルを挿し木する
バジルは挿し木で株を増やすことができます。
バジルの挿し木はまずは水挿しにて発根させた後に、実際に土に挿し木を行うようにすれば、挿し木の成功率は飛躍的に高くなります。
水挿しでバジルの根がある程度張るまで栽培を行う訳ですが、バジルは成長力が結構高めですので一週間もすれば、茎の下部より発根して来ます。
そしてある程度根が揃ってきた段階で、挿し木を行うようにします。
水挿しの水は毎日変えてあげるのが理想です。
写真は、水挿しにて発根させた後、鉢植えに実際に挿し木を行ったバジルの苗になります。
以上の様な方法を用いれば挿し木の成功率は高まりますので、まずは水挿しにて挿し木の発根を促す方法が挿し木にはおすすめです。
スイートバジルの冬越し
バジルの株は、越冬は出来ません
バジルは一年草に属するハーブ品種になりますので、冬を越えて栽培を継続することは出来ません。
その為、バジルの冬越しと言う言葉はおかしな表現になりますが、厳密にはハウス栽培などの方法を用いて栽培を始める時期をずらせば、バジルの越冬は可能になります。
しかし、それでもバジルの株が持っている、一年草の性質は変わりませんのでいずれは枯れてしまいます。
写真のバジルのプランターは、春から秋口にかけて栽培を行っていた物になります。
そして冬季に入り、冬越し真っ只中の時期には枯れ果てました。
このようにバジルの栽培は冬季では行えません。
基本的なバジルの栽培時期は、春から秋口までの期間になりますので、
バジルの栽培を計画される場合は、春先から始める方が秋口までフルに栽培の期間が長くとれますので早めの栽培計画をお勧めします。
スイートバジルの葉を料理で使う
イタリア王妃が愛したマルゲリータピザ
バジルの葉を使う料理と言えば、マルゲリータピザは有名ですね。
写真のピザは、マルゲリータというナポリピッツァになります。
私の好みでジャガイモとコーンなども載せています(笑)
厳密にはマルゲリータピザとは、モッツアレラチーズ、トマトソース、バジルの葉、の三つの素材のみがトッピングされたピザになります。
そんなピザのネーミングの由来は、19世紀後半、その当時の有名なピザ職人が、ナポリを訪れたマルゲリータイタリア王妃たちの為に、モッツアレラチーズの白い色と、トマトソースの赤い色、バジルの葉の緑の色とでイタリア国旗を連想させるようなピザを作り、そのピザをマルゲリータ王妃が特に気に入ったとされる事に由来するそうです。
写真のマルゲリータピザは、生地は市販されている物を使い、その他の具材は自前で用意しました。
バジルの葉は、収穫したての生のフレッシュなバジルの葉を乗せて、オーブンで焼きました。
マルゲリータに使うバジルの葉は、そのままトッピングして焼く場合もありますし、焼きあがった後にフレッシュな状態で乗せる場合もありますね。
個人的にはバジルの葉もピザと一緒に焼いた方が、バジルの風味がピザ全体に馴染む気がしますので私の場合は焼きます。
バジルの葉を、その場で収穫してそのまま料理で使えるのは、自前で栽培しているおかげです。
また、乾燥させたドライのバジルの葉を、ピザに振りかければバジル風味のピザを楽しむ事も出来るようになります。
バジルソースをステーキ肉へかける
バジルの葉をソースに調理したもの
バジルの葉は、オリーブオイルをベースにして、その他の素材を加え、ソース状に調理することができます。
バジルソースはステーキ肉と相性が良いです。
写真は、スキレットで焼いたステーキ肉にバジルソースをかけた料理になります。
バジルの風味がお肉とマッチして、食が進みます(笑)
バジルソースのレシピは、ネットでもたくさん掲載されていて、皆さん調理上手で素晴らしいですね。
私もバジルの栽培を収穫を前提として楽しんでいますので、バジルソースのレシピを色々と参考にさせて頂いております。
私の自前のバジルソースのレシピは、もう少し色々と研究して吟味してから掲載しようと考えております(笑)
また、ステーキ肉との相性ならば、バジルバターでも良いかと思います。
収穫したバジルの葉を使ってバジルバターも作る事は出来ますので、次回はバジルバター風味のステーキ料理を撮影してみようと思います。
バジルソースをムニエルにかける
白身魚のムニエルとバジルソース
バジルソースは、バジルとオリーブオイルの香り豊かな欧米では定番のソースのひとつです。
パスタではジェノベーゼのソースに、肉料理ではステーキのソースに、
魚料理では白身魚のムニエルなどにもバジルソースは相性が良いです。
写真は白身魚のムニエルにバジルソースをかけた料理撮影になります。
ムニエル(Meunière)は、白身魚の切り身に塩胡椒で下味をつけ、小麦粉をまぶし、フライパンにバターを溶かして焼いた魚料理になります。
白身魚のムニエルには、バジルソースをかける盛り付けが、欧米では定番の味付けになります。
バジルソースのレシピは、
バジルの葉、ニンニク、松の実、粉チーズ、オリーブオイル、塩、胡椒、
などの材料をミキサーにかければ出来上がりです。
バジルソースはこのように簡単に作ることが出来ますので、
収穫したバジルの葉の使い道に困ったら、
バジルソースやバジルバターなどに加工して料理に使うことがおススメです。