シシトウは、正確にはシシトウガラシ(獅子唐辛子)と呼ばれています。
シシトウの名前の由来は、実の先端の形が獅子の顔に似ていることから獅子唐辛子と呼ばれるようになりました。
ナス科 トウガラシ属 に分類される青唐辛子の品種のひとつになり、中南米、主にメキシコが原産地とされています。
分類上はピーマンと同種とされ、トウガラシのなかでも甘味種になります。
このページでは青唐辛子の仲間であるシシトウの苗を、実際に購入してプランターに植え付けから栽培を初め、シシトウの実の収穫に至るまでを、観察記録の写真とともに細かく掲載しております。
皆さんのシシトウ栽培の一助としてご覧ください。
シシトウの苗の植え付け
それでは早速、シシトウの苗の植え付け作業に取り掛かります。
植え付けにはスクウェアタイプ(角型)のプラスチックプランターを使用しています。
鉢のサイズは、250mm×250mm×220mm(高さ)、土の容量は6L入ります。
株を大きく成長させて、実の収量を更に増やしたい場合は、一回りサイズの大きなプランター(土の容量:12リットル程度)で栽培を始めることもオススメです。
プランターのサイズは、土の容量が12リットル程度入る大きさまでが、鉢植えでのシシトウ栽培には向いていると思います。
土の容量が多いほど株が大きく成長し、シシトウの実の収量は増えると思いますので、土の容量は6リットルから12リットル程度の鉢が、管理がしやすく育てやすい大きさだと思います。
シシトウの苗の植え付けは、5月が植え付けに適した時期となりますので、5月中旬に行いました。
用土は一般的な野菜用の園芸用土を使っています。
また、鉢にはあらかじめ鉢底石を適量入れて、水はけが良くなるようにしています。
排水性を良くすると、株の根腐れ防止になりますので鉢底石は必須と言えます。
シシトウは、浅植えが基本ですのでポットから取り出した根鉢は深く植えずに、鉢土の表面より少し根鉢が出る程度に植え付けをします。
浅植えをすると、日が経つにつれて段々と株元から根が露出して来ますので、
土寄せを適時行いながら根が露出しないように管理していきます。
苗の植え付けが完了したら水をたっぷり与えて栽培スタートです。
鉢植えは日当たりが良く風通しの良い場所が適していますので、少しでも環境の良い場所に置くようにします。
日当たりが悪かったり、風通しが悪く湿気っぽい場所では、生育が思うように進まず、害虫被害や葉が病気にかかりやすくなりますので、なるべく良い環境下で栽培を始めましょう。
早速ですが、苗の植え付けから約3週間後のシシトウの鉢植えです。
1番花、2番花、3番花あたりまで開花しています。
一番花は既に結実して小さな青い実を付けだしました。
苗の植え付け後からのシシトウの手入れや仕立て方は、下記の項に記載しておりますので、そちらをご覧ください。
シシトウの花
シシトウの花は、小さな白い花を咲かせます。
花付きが良く1番花の開花後は、次から次へ続々と蕾が付いて開花します。
1番花は、株の生育を優先させるために摘花することが有効です。
1番花は、摘花せずにいるとやがて結実して実がなります。
株が大きく成長する前に実を付けると、実を大きく成長させるために、株は栄養をたくさん消費して疲弊してしまうこともあります。
栽培の初期段階では株を充実させることを優先して、1番花は摘花、または摘果することが有効とされています。
2番花、3番花あたりまでは、摘花をして株の成長を促すことが有効ですが、シシトウは、もともと生育旺盛で成長が早い部類の植物だと思いますので、1番花以外はそこまで細かく摘蕾・摘花・摘果はしなくとも、株はそれなりに大きく成長してくれますのでご安心を。
シシトウの実と収穫
シシトウは花が結実すると小さな青い実を付けます。
実は6cm程度の大きさに育ったら収穫時になります。
ヘタの上をハサミで切りながら、6cmの大きさを目安にして実を収穫していきましょう。
シシトウの実は収穫が遅れると、サイズが大きくなるにつれて辛みも増してきますので、少し早めの収穫を心掛けると、辛みの少ないシシトウの風味を楽しめると思います。
シシトウの実は、初めはシンプルに焼いていただくことが風味が手軽に楽しめておススメです。
シシトウの仕立てとわき芽かき
シシトウは鉢植えでの栽培の場合、3本仕立てにすると株をコンパクトにまとめやすく、手入れが楽になります。
仕立てのやり方は、まず主幹(主枝)がある程度の長さに育ったら支柱を利用して倒れないように誘引します。
同時に1番花より下から伸びる脇芽(側枝)は勢いの良い枝となりますので、1番花よりすぐ下の側枝2本を選んで残します。
樹形は主幹(主枝)と2本の側枝(脇芽)の3本の枝を育てて行きます。
2本の側枝(わき芽)より下のわき芽は、伸びてしまう前に摘んでかき取っていきます。
主幹と側枝の3本の枝は、だんだんと太く成長して行きますので、これらの枝を中心に管理しながら栽培を継続します。
脇芽はその後もいろいろな所からどんどん出てきますので、芽かきをして随時、摘んでいきます。
シシトウの肥料
シシトウは生育旺盛で肥料を好むので、肥料切れを起こさないように適切なタイミングで追肥を与えることが大切です。
追肥を与える時期は、1番花が咲くころを目安に与えるようにします。
追肥で与える肥料は、住友化学園芸の「マイガーデンベジフル」が扱いやすくておすすめです。
「マイガーデンベジフル」は固形タイプの緩効性肥料になり、効果が3ケ月から4ケ月持続しますので、シシトウの栽培では一度与えれば、その後は固形タイプの追肥を与える必要な無いと思います。
また、固形肥料とともに液体肥料も補助的に与えることで、栄養分をより効果的に与えることも出来ます。
住友化学園芸の液体肥料「ベジフル液肥」は、固形肥料に比べて持続力はありませんが、速効性がありますので栄養をいち早く株に届けることが出来ます。
液体肥料は株の様子を観察しながら補助的に与える方法が有効です。
このように緩効性肥料の固形肥料と速効性のある液体肥料とを、組み合わせて株に栄養を与えることはとても有効な追肥の方法となります。
シシトウの病気予防と害虫対策
シシトウの栽培では、病気や害虫の被害に合う印象はあまりないです。
たまにシシトウの実が、アオムシに食べられている所を見つけたりしますが、それほど頻繁に被害にあうことはないと思われます。
見つけたアオムシは、被害が広がらないうちに株から取り除くようにします。
食べられてしまった実も、残念ですが取り除くようにしましょう。
シシトウは病気や害虫に強い印象がありますが、害虫の被害や病気にかかってしまうこともあるかと思いますので、病害虫の予防には日当たりが良く、風通しの良い環境で栽培をすることが有効です。
シシトウの冬越し
シシトウは多年草の植物なので冬を越えて栽培を続けることが出来ますが、日本の気候ではなかなか難しい所です。
シシトウを始めとする青唐辛子の原産地は、中南米、メキシコになりますので、温暖な気候でなければ冬越しは厳しいかと思います。
来年の春には再びシシトウの新苗が店頭に並ぶとともに、シシトウの種蒔きの時期もやってきますので、色々と苦労して冬越しを試みるよりも、シシトウ栽培を種蒔きや苗から再び始めた方が効率的だと感じます。
シシトウの実を料理で使う
シシトウの収穫した実は、料理で使うことが出来ます。
シシトウは焼いて良し、炒めて良し、煮て良し、いろいろな料理で楽しむことが出来ます。
まずはシンプルに焼いたシシトウを味わってみることがおススメですね。
シシトウ焼きは醤油や塩で美味しくいただけます(笑)
素朴な料理ですが、シシトウの風味をとても簡単に楽しめる調理法だと思います。
シシトウは収穫が遅れると辛みが強くなってしまいますので、辛みの少ないシシトウを味わうには早めの収穫がおすすめです。
6cm以内のサイズを目安に収穫したシシトウの実は、辛みが少なく皮も柔らかく、風味が良くて食べやすいですよ(笑)