月下美人は、サボテン科 クジャクサボテン属 に属する多肉植物の仲間になります。
メキシコの熱帯雨林地帯が原産地となり、ドラゴンフルーツと原産地が同じようです。
月下美人もドラゴンフルーツと同様に、花が開花して結実すると実がなりますので、一応果樹のカテゴリーに掲載しましたが、食用として月下美人の実が食べられるかどうかは不明です。
月下美人の特徴は、何と言っても夜に花が咲くことですね。
花は白く大輪で咲き、とても美しい花形で咲きますので、開花した様子は素晴らしいです。
また、花を咲かせることはなかなか難しいため、栽培難易度の高い植物であると言えます。
月下美人の栽培に関しては、初心者である筆者が実際に月下美人を育てて、
開花するまでの様子を観察しながら、気付いた栽培のポイントなどを記載してみようと思います。
目次
- 月下美人の植え替え
- 月下美人の花
- 月下美人の剪定
- 月下美人の花を夜に撮影
- 月下美人の茎と葉
- 月下美人の冬越し
- 月下美人の増やし方
- 月下美人の肥料
- 月下美人の仕立て
- オベリスクの仕立て直し
- 月下美人の病気予防
- 月下美人の害虫駆除
月下美人の植え替え
8号鉢で育てていた月下美人の株を、茶色のプラスチックポットに植え替えました。
植え替えの時期は、5月の初旬になります。
プラスチックポットの直径は35cmで、高さは34cm、土の容量は17リットル入ります。
このプラスチックポットは、ホームセンターの園芸コーナーで用意しました。
8号の鉢植えでは何となく気長に栽培していただけで、なかなか花芽が付かずに、花芽が付いてもすぐに落ちてしまう状態でした。
そこでいよいよ大きめの鉢に株を植え替えて、今年こそは月下美人を開花させたいと言う希望を込めて、植え替えました。
ちなみに植え替えに使用した用土は、ホームセンターなどでよく売られている一般的な花や野菜用の用土です。
とてもリーズナブルな価格の用土ですので、普段からよく使っております。
また、植え付け時には鉢にあらかじめ鉢底石を入れております。
鉢底石は、水はけがよくなりますので、赤玉土よりも鉢底石を使うことが多いですね。
植え付けが完了したら、後は日当たりが良く風通しの良い環境で栽培スタートです。
鉢が大きくなったことで株も更に大きく成長してくれるでしょうから、近いうちに花が咲いてくれれば嬉しいですね。
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月下美人の花
月下美人の花の写真です。
真っ白で大輪で咲く様子が見事ですね。
また、芳香も強く開花すると、とても良い香りがあたりに漂います。
8号の素焼きの鉢から大きめのプラスチックポットに植え替えてから、約60日程度経過した後、咲いてくれました。
これほど短期間で咲いてくれるとは思っておりませんでしたので、嬉しい限りです。
この月下美人の花の写真は、室内に鉢植えを入れて照明の下で撮影しました。
そのため、写真全体が明るく写せているかと思います。
近いうちに夜の風景の中で撮影した月下美人の花の写真も追加予定となります。
ちなみに月下美人の花は、エディブルフラワー(食用花)として、食べることができるようですが、詳しくは不明です。
食べ方としては、咲いた月下美人の花を焼酎につけたり、茹でたり揚げたりして食べられるようですが、そのような知識が無かったので、少し花を食べることに抵抗感がありますが、どうでしょうかね?
ちなみに月下美人の花を食べる場合は、有機栽培で栽培をする必要があります。
花を食用としていただくにはオーガニック栽培が安心安全なので、月下美人の食べ方は、もう少し育て方や食べ方を色々調べてからチャレンジしてみようと思います。
また、月下美人の花は開花後、萎れて項垂れるようにして葉から垂れますので、花がらは付け根からカットして取り除くようにして、花がらを摘むことも大事です。
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月下美人の剪定
月下美人は開花の終わる時期が剪定の時期となります。
つまり9月後半、または10月あたりが剪定に適した時期となります。
月下美人の剪定方法としては、鉢の大きさに釣り合った樹形に留めるようにして行います。
オベリスクなどの行灯仕立ての場合は、株が大きくなるにつれて葉や茎が混みあってきますので、混みあった部分の古い葉や茎は切り落として、葉や茎で株が混み合わないようにするのが目安になります。
具体的には、陽の光が葉や茎、樹形全体になるべく均等に当たるように、そして風通しが良くなるように剪定をすることが有効です。
このようにして剪定は、オベリスクに誘引した茎や葉がすっきりするような樹形に整えるようにして行います。
株元より伸びるシュート(葉状茎)は、オベリスクの半分程度の長さで先端を摘むと、その後の樹形のコントロールがしやすくなると思います。
葉や茎の剪定後は、鉢植えの場合は冬本番になる前に室内に取り込んで越冬することになると思いますので、室内で管理のしやすい大きさに整えるように前もって剪定するようにしましょう。
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月下美人の花を夜に撮影
月下美人の花は、写真のように夜に開花します。
撮影当日は、少し雨が降っていたため、より瑞々しい月下美人の花の撮影が出来たと思います。
夜に咲く花の撮影は、ストロボ光が必須になりますので、カメラに内蔵されているストロボを焚くか、外付けストロボを使って撮影する必要が有ります。
夜間の花の撮影では、当然ですが撮影現場が暗いために、ピント合わせが日中よりも難しくなります。
ファインダーを覗いて見える被写体も、当然肉眼と同じように暗く見えますので、ストロボのプリ発光を補助的なライトとして上手く活用しながら、構図を決めつつ、ピントを合わせて撮影を行います。
また、一般的なデジタル一眼レフカメラの場合、夜間の花の撮影ではピントを合わせる際にシャッターボタンを半押しすると、撮影時のストロボの発光量を決めるためにストロボがプリ発光を行いますので、カメラ本体の充電をしっかり行い、まさかの充電切れを防ぐようにしましょう。
こちらの写真は、月下美人の花をマクロ撮影した写真です。
月下美人の様な大輪で咲く花の接写は、撮り応えがありますね。
花弁の大きさも、雄蕊と雌蕊の様子もしっかり鮮明に撮影することができました。
夜間に花のマクロ撮影をする機会はあまりありませんので、貴重な経験を積むことができました。
ちなみに月下美人の花は、これほど大きく大輪で咲きますが、翌日には萎んで枯れてしまう短命な花になります。
花のマクロ撮影には、カメラボディは、Canon EOS Kiss Digital N、レンズは、Canon EF-S60mm F2.8マクロ USM、を使って撮影しました。
ストロボは内臓ストロボを発光させています。
単焦点マクロレンズの「EF-S60mm F2.8マクロ USM」は、APS-C機用のマクロレンズになり、EF-Sマウント仕様になります。
キヤノンのAPS-C機では、特に人気のある単焦点マクロレンズになりますので、初めての単焦点レンズには特にお勧めできる中望遠域のレンズになります。
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月下美人の茎と葉
月下美人の茎は葉状茎と呼ばれ、株元から細長い鞭状の茎が伸びます。
株元から伸びる葉状茎が増えて来ると、葉の量も比例するようにして増えてきますので、株が充実して来るとたくさんの葉を付けるようになり、花数も増えてきます。
葉は、他の多肉植物と同様に水分を多く含んでいます。
月下美人はこの葉に蕾を付けて花を咲かせます。
初めは花芽が葉にどのようにして付き、そして開花するのかが不思議でしたが、実際に葉に花芽が付いてやがて開花する様子はとても印象に残りました。
月下美人は、挿し木はこの葉を土に挿して挿し木を行います。
月下美人の挿し木はとても簡単に挿し木が行えますので、株を増やすことが容易です。
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月下美人の冬越し
月下美人は冬季は室内で越冬させるようにします。
なにせ原産地はメキシコの熱帯雨林ですので、日本の寒さには弱いです。
冬越しは、鉢植えを室内に入れて観葉植物と同じような感じで育てています。
室内でも少しでも暖かくなる環境を見つけると良いですね。
ちなみに冬になっても外で栽培を続けていると、枯れてしまう可能性が高いです。
気温が下がると葉が黄色く変色して枯れだし、やがては株全体にダメージが広がってしまいますので、冬季は早めに室内に入れるようにします。
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月下美人の増やし方
月下美人は挿し木で容易に増やせます。
葉の中央付近でカットして、半分の大きさ程度の切り取った葉を、後は土に挿すだけです。
挿し木した後は、土が乾ききる前に水を与えるようにして、半日陰で管理すると挿し木の成功率が高くなります。
月下美人の挿し木は、とても簡単に根付きます。
多肉植物の挿し木はもともと成功率が高めなのか、気に入ったサボテン品種がみつかれば検証してみたいです。
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月下美人の肥料
月下美人は何と言っても追肥次第で花が咲くと思います。
とにかく、今回の優先事項は花を咲かせることでしたので、それならばと、緩効性肥料はバラで使っている物を使ってみました。
ちなみにバラで使っている液肥も使いました。
液肥はとても有効であったように感じます。
植え付け時の用土には、あらかじめ肥料成分が含まれている物を使用しましたので、植え付け後は固形肥料ではなく液肥を中心に与えていました。
そのおかげか、植え替えから二月程で開花してくれました。
バラの液肥の成分が良かったように思えます。
緩効性肥料も液体肥料も、たくさんあげればあげるほど良いとは言えませんので、追肥を与える時期や肥料の量は、肥料の取り扱いの項目を参照しながら適量を与えるようにしましょう。
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月下美人の仕立て
月下美人をオベリスクを使って仕立てております。
朝顔などで使う行灯でも良かったのですが、すこし支える部分が細くて頼りなかったので、薔薇などで使うオベリスクの方が太くて丈夫だと感じまして、オベリスクを使って月下美人を仕立てました。
個人的には月下美人はオベリスクを使って仕立てた方が、見た目でも良いかなと思います。
バラの誘引でオベリスクは良く使っておりましたので、月下美人の仕立ても思いの外スムーズに行えそうです。
写真はオベリスク仕立てをしてから一年後の株の様子です。
株もかなり充実して来ましたので葉の量もかなり増えました。
葉はオベリスクの枠の隙間から出しながら、リングに支えてもらうような感じで仕立てています。
オベリスクを使うことによって月下美人の樹形をコンパクトにまとめることができ、鉢植えでも管理が容易になりますのでオベリスク仕立てはお勧めです。
おかげさまでオベリスクに仕立ててからの翌年の開花数は一気に増えました(笑)
ポイントは数日間隔で鉢植えを少し廻しながら、株全体に均等に陽射しが当たるように工夫しながら栽培をしたところも、開花数の増加に繋がったと思います。
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オベリスクの仕立て直し
月下美人を仕立て直す
月下美人の仕立てには以前からオベリスクを使って、葉や茎をオベリスクのリングの中へ入れるようにして、樹形をコンパクトにまとめる様に仕立てていましたが、仕立て直しをする際に、株が大きくなるにつれてオベリスクを外す際にリングが茎や葉に引っ掛かって、外すのが難しくなることに気が付きました。
その様なこともあり、今回からはオベリスクのリングの内側ではなく、バラの仕立てと同じようにオベリスクの外周に誘引することにしました。
写真はオベリスクのリング内に収めるようにして仕立てた以前の月下美人の鉢植えです。
株がそれなりに大きく成長してきて、葉や茎が少しオベリスク内で混みあってきましたのでそろそろ仕立て直しをする必要があります。
早速、オベリスクを一度外して今度はオベリスクの外側へ、通常のバラなどの誘引と同じように仕立て直します。
月下美人の剪定に適した時期は、9月から10月が適しているようなので、開花後の晩秋に作業を行いました。
オベリスクに誘引する際には、古い傷んだ茎や葉を剪定して切り落としたり、
株元から伸びるシュート(葉状茎)はオベリスクの中心付近で樹形が乱れないように先端をカットし誘引しました。
バラの枝の誘引で使用しているソフトワイヤーを使って今回は誘引していますが、
月下美人の場合は柔らかい葉や茎を誘引するので、麻の紐の方が素材が柔らかいので麻紐の方が良いと思いましたので次回からは麻紐に変更します。
と言うことで今回からは、月下美人をオベリスクの外周に普通に仕立て直してみました。
見た目もすっきりして株の風通しが良くなったように感じます。
オベリスクの外周に新たに誘引した後は、その後の成長具合を見極めつつ観察を続けたいと思います。
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月下美人の病気予防
育てている鉢植えの月下美人は、幸いなことに今まで目に見えて病気が発生したことはないと思われます。
病気にかからないように気を付けている点は、日当たりが良い所に鉢を置くこと。
風通しが良い所で栽培していること。
土が乾ききる前には必ず水を与えていること。
そして冬季では室内に鉢植えを入れて、観葉植物と同じように冬越しさせています。
それくらいのポイントですが、今のところ目立った病気にかからず順調に育ってくれています。
何かしらの病気が発生してしまったら、あらためて記載してみようと思います。
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月下美人の害虫駆除
さて、月下美人の栽培では害虫の食害に遭うことがあります。
代表的な害虫はなんといってもナメクジですね。
ナメクジは、月下美人の葉を食べます。
ナメクジは、夜行性ですので日中に活動することがほぼありません。
そのため、ナメクジの食害に頻繁にあってしまう場合は、夜でも見回りを強化する必要が有ります。
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